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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
星の試練編
100/136

地区予選開催

 5月10日の光曜日コゥョルヤ、今日はウェルド公国東部地区、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセ団体戦の地区予選が開催される。


 団体地区予選は、東部の魔導高等学校アウル・バ・ハウゼ4校の学生とマーダ大都市ガルマーダに有る学生のクラブチームが参加する、大きな大会だ。



 基本、地区予選の参加条件は無い、だから、魔導高等学校アウル・バ・ハウゼの学生なら、個人戦、団体戦、共に、各学年別に、誰でも参加出来る、


 勿論、魔導防護服アウルプロセルは自分で用意しなくては、ならない、


 そして、この予選の、上位、個人戦では4名、団体戦では2組が、6月の地区大会で、学校推薦の個人12名、団体4組と争い、その、上位個人3名、団体2組が、7月の公都で行われる、全国大会に出場出来る。



 参加生徒は、200名、応援、観客を含めると500名を越える、大きな大会だから、東部の田舎町、バルセリアでは、開催出来ない、その為、東部一の大都市ガルマーダ、ベルトリアに有る大競技場で開催され、


 ちなみに、個人戦の地区予選も、再来週の光曜日コゥョルヤに、同じベルトリアの大競技場で開催される。



 ベルトリアは、バルセリアからドルセリアを越えた南西に位置し、魔導汽車バーガンドーレで、3時間、掛かる場所に有る、


 だから、俺と、先生、ローシィ、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』の皆は、バルセリアの駅に5時に集合する事になった。


 で、待ってると、ブライも来た、


「お前、仕事は、」


 と、俺、


「おぅ、もう、終ったぞ、皆の為に、弁当、作った。」



 ・・・


 まさか、


「テーブル付の、豪華な奴か、」


「イヤ、流石に、普通の弁当だ、だが、ジェミ君には、持って貰ってるけど、」


 俺が、ジェミを見ると、ジェミは、頷いていた、俺はジェミに、


「良いか、ジェミ、人前では、『星具スタートゥ』、使うなよ、突然、弁当、出すなよ、」


 ジェミは、


「分かってますよ、スグルさん、」


 俺は、前日、子供達に、『星具スタートゥ』を使うなと、釘を刺していた、『星具スタートゥ』を使えば、反則だし、対戦相手に対しても危険であり、その場合は、俺は直ぐに、中止させるつもりだ、


 其れと、彼等は、まだ、『星託し定め(スターフェ)』を成し遂げていない、だから、行動を妨げるような、不必要な目立ちは、彼等の足枷となる気がし、


 その為、ジェミにも、あまり、『星具スタートゥ』を使って欲しくない。



 全員が、集まり、時刻は5時、


 俺達は、魔導汽車バーガンドーレの個室を二つ取って、ベルトリアに向かった。


『星の遺跡・密林』を攻略した時、俺達は7枚の古代金貨を手に入れ、其を、メルティスト先生が、放課後自主講座フォールドコーゼの活動資金として、1枚50万RG(リージェン)で換金したので、俺達はリッチになり、


 ベルトリアへの移動にも、魔導汽車バーガンドーレの個室を借りる事が出来た。


 俺とローシィ、メルティスト先生、ブライ、ダンとオルで、一部屋、


 ハルとエミ、ジェミ、リア、アンリ、そして、ドーリで、一部屋を借りた、


 勿論、皆、朝が早いので、ブライが朝食用の、サンドイッチ(バンデゥタ)を用意してるので、デザートと飲み物と一緒に、其を食べた、


 食べながら、メルティスト先生に話しを聞いたんだが、組の、ガルホール・スターゲス、ベー組のトーネル・サンドール達は、金持ちだから、前日から、ベルトリアに宿泊しているそうだ、


 宿泊を含む、外出は、学校の許可がいる、だから、先生もエルさんから聞いて知っている、


 先生も、予算が有るから、前日から、宿泊する事を考えてはいたんだが、リアの、海水浴の提案で、止めたと教えてくれた、


 ダンも、メルティスト先生に、昨日の一日は、人生で、本当に良い思い出になった、と、先生に感謝していた。



 俺は、そんな会話を聞きながら、窓から見える、見渡す限りの、パンの木畑(ケルラデゥ)の圧巻の景色に見とれていた、


 壮大なパンの木畑(ケルラデゥ)、木々には、数百種類の有りと有らゆる色の、パンの木実(デゥタ)が実り、その実を、多くの人達が、収穫していた。


 そんな、子供のように、景色に見とれている俺を見て、ローシィは、ニヤニヤと笑っていた、


 俺は、彼女に、何が、可笑しいんだ、と聞いても、彼女は、別に、と言うだけで、其れ以上は、語ろうとしなかった、


 俺は、何だかなぁ、と、思いながら、窓の景色を見続けた。



 魔導汽車バーガンドーレは、ドルセリアを越えて、ベルトリアに着いたのは、8時、


挿絵(By みてみん)


 流石に、大都市ガルマーダ、スグルの世界で言う、バスに当たる、大型魔導四輪車(ガルモーグコルク)が走っている、


 俺達は、急いで、競技場行きの大型魔導四輪車ガルモーグコルクに乗り、競技場に向かった。


 魔導四輪車(モーグコルク)には、制服のデザインが異なる沢山の学生が乗っていて、皆、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセに出場する選手のようで、大きな荷物を担いでいる、


 たぶん、旧式の、魔導防護服アウルプロセルだと思う、前にメルティスト先生に着て貰ったから、大きさは、知っているし、


 其れに、比べて、我々の荷物は、ジェミが収納しているから、殆ど、手ぶらの状態、出場する選手と言うよりも、観戦に行く、学生と言う感じだ。



 魔導四輪車(モーグコルク)は、30分ぐらい走った後、巨大な競技場に着いた、


 ダンが言うには、この競技場で、今週は、団体戦の予選会が開催されて、再来週に、個人戦が開催され、勿論、個人戦の方が、参加人数も、規模も大きいらしい、


 団体戦の予選は、街のクラブチームや、代表に選ばれなかった、魔導高等学校アウル・バ・ハウゼの準チームがエントリーするんだと、此れも、ダンが俺に教えてくれた。




 俺達は、入り口で受付し、此処で、参加選手の学校名とクラスを大会委員会に提出し、名簿に記載され、チームリーダに番号札が渡される。


 ダンが貰った番号札は二年生部門、24番、此れはかなり後ろの方で、結局、二年生の出場チームは、32チームで締め切られた。


 競技場は、12メータ✖24メータの戦場フィールドが12有り、二年生は、真ん中の4戦場フィールドを使う、


 第1回戦は、16試合、10時から、12時迄、行われ、1試合、25分、決着が付かない場合は、有効のポイントを審判が判定して決める。


 午後から、第2回戦が8試合が行われ、此れも、25分、1時から、2時迄、


 そして、2時半からは、第3回戦、4試合、25分、3時半からは第4回戦、2試合、此処から、戦場フィールドは、24メータ✖24メータ、試合時間は、25分、


 此処で、ポイント、及び、審判の判定で、3、4位と、


 上位、2組が決まり、上位、両チーム共に地区大会出場チームとなる、


 4時からは、最終戦、戦場フィールドは、24メータ✖48メータとなり、試合時間は、30分、此処で地区予選の優勝チームが決定する。


 試合の組み合わせは、学校、クラブ、等を考慮して、大会委員会が決め、決まったら、対戦表と選手名簿が、各チームに渡される、


 此れは、出来るだけ、優秀なチームを見付けたい、と言う、委員会の主旨が有るから、らしい、


 だから、初っぱなから、同じ高校が、対戦する事は無いと、ダンが俺に教えてくれた。


 ダンの言う通り、我ら、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』の初戦の対戦相手は、マルドリアのクラブチーム、『星に踊る猫』って言う、可笑しな名前のチームで、10時30分に始まる。


 ちなみに、ベー組のトーネル・サンドールは、11時、組のガルホール・スターゲスは、11時30分から、試合が始まり、同じ高校で時間が重なる事も無かった。


 この事は、ジェミも知ってたようで、バルセリアの高校生パールバウゼが、皆の試合を見に来るのは、午後から、1年から3年まで、多くの生徒と先生達が、この会場に来ると教えてくれた、


 俺は、皆に、見に来る彼等の為に試合をする分けじゃ無い、何時もの気持ちで望め、と、言って、皆を激励した。



 試合が始まる、30分前に、俺は、『星隠し(ダークスター)』を張り、その中でジェミが、着替えの入った荷物を出して、各自が、その荷物を持って更衣室に行き、魔導防護服アウルプロセルに着替えた。


 その後、着替えた、彼等が、競技場に入った時、



 ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、



 会場は、一時、騒然となり、



 ん?



 なんだ?



「スグル、魔導防護服アウルプロセルよ、」


 と、ローシィ、



 俺と、ローシィ、メルティスト先生、にブライ、そして、今回の大会には選手として、出場しないリアは、競技場に入る事は出来ないので、


 観客席から、皆を見ていたのだが、我らが、チーム、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』が入場した時の、他の観客の反応に、俺は、驚き、


 ローシィが、皆を見て観客が騒いだ、その理由を、俺に、教えてくれた、


「皆が着ている、魔導防護服アウルプロセルは、先週、ロートス社から発売された、新製品で、一着、20万RG(リージェン)はする、高級品、其を、全員が着ていたら、皆、ビックリするわよ、」



 言われてみれば、殆どの選手は、あの、甲冑型の魔導防護服アウルプロセルを着ているし、ちゃんと、お鍋のような物、被ってる、


「発売当初から、人気で手に入れるのも難しいって聞いてるし、」


 ローシィは、ちょっと言葉を切って、


「私も、たぶん、スグルから聞いて無かったら、田舎の高校生パールバウゼが、高価な魔導防護服アウルプロセルを着ているのを見たら、ビックリすると思う、」


 ローシィが、ちょっと言葉を止めたのは、たぶん、貧乏な田舎って言おうとしたからか、


 まぁ、あれは、魔導皇の学長が、ロータス社に寄付してくれと頼んだから、貰えたと聞いている、


 そう、考えると、


 うちの、学長、スッーゲェ、と、余計そう思うようになった。



 そう言えば、対戦相手を見て見ると、男子3人、女子4人の構成で、6人が、旧型の黒い魔導防護服アウルプロセルを着けている、その特徴は、頭のヘルメットに、猫耳の飾りを着けていて、


 俺は、ローシィに、反則じゃないのか、と聞いたら、相手と区別する為、布で出来た飾りなら、ある程度許されている、と教えてくれて、


 そう言って、良く見て見ると、色付けしたり、絵柄を入れたり、飾りを付けたり、確かに、旧型の魔導防護服アウルプロセルを飾っている学生は、多かった。


 その飾りも、チームで統一しているから、一目で、何処のチームか、分かった、


 其れに、比べて、チーム、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』は、新型の魔導防護服アウルプロセルなのは、良いんだか、貰い物だから、色がバラバラで、見た目、チームって、感じはしなかった、


 まぁ、この大会は、予選だし、万が一、全国大会に出るようなら、お揃いの魔導防護服アウルプロセルを揃えれば、良いんじゃねぇの、って、俺は、考えていた。



 で、再び、対戦相手を見ると、一人の女子だけが、黒い新型の魔導防護服アウルプロセルを着て、頭に、猫の耳飾りをしている、



 ・・・



 徹底してる。



 俺は、『星の瞳(スタービュー)』で、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』を見た、勿論、彼等が何を話しているのかも、分かる、


 競技場に行く、彼等に、俺は、何もアドバイスはして無い、なんせ、俺は、魔導格闘技アウルトゥオゥロセの専門家じゃ無い、彼等にアドバイスしたくても、出来ない、


 だから、彼等は、自分達で、考えて、作戦を練る筈、其れで、俺は、彼等が、どんな作戦を立てるのか、興味が有り、『星の瞳(スタービュー)』で覗く事にした。



 ジェミが、相手チームの事を話していた、


「マルドリアのクラブチーム、『星に踊る猫』は、結構、有名なチームで、売りは、攻撃の素早さと、軽業のような動き、3人が攻撃者アタッカで、2人が守備者ディフェンダ、」


 ダンが、


「あの、新型の魔導防護服アウルプロセルを着ている、人は、」


 ジェミは、彼女を見ながら、


「あぁ、彼女は、ラーリア・テラスレード、通称、『電光のラーリ』、クラブのエースで、トップ、攻撃者アタッカ、」


 ダンが、考えながら、


「となると、此方は、ドーリが狙われて、点が取られないようにして、攻撃する必要が有るって事か、守備優先、にするべきか、」


 オルは、首を振った、


「たぶん、逆だと思う、攻撃優先に、見せかけて、キィオへの攻撃を誘った方が良い、たぶん、ハルなら、彼等の攻撃をわせる、」


 ダンは、ハルに聞いた、


「ハル、どう思う、オルの作戦、」


 ハルは、頷いて、


「良いと思うよ、前回の遺跡の攻略の後、結構、『星導術』を使えるようになったし、たぶん、わせる、と、思う、」


 ダンは、決まった、と言う表情で、


「じゃ、其れで行くとして、役割は、」


 オルが、


攻撃者アタッカは、右から、私、アンリ、ダン、狙撃手スナイパーは、私、守備者ディフェンダは、中央よりに配置、右から、ドーリ、ジェミ、エミ、が良いと思う、」


 ダンは、真面目だから、一応、皆に、意見を聞いて、


「皆、オルが、言った役割で、良いかい、」


 全員が、頷いたので、


「じゃ、其れで、行こう、」



 その時、審判が、試合、5分前を、告げて皆に魔導制限腕輪アウルプロバンルを渡し、腕輪を受け取りながら、全員が待機椅子より立ち上がり、ダンが、



「じゃ、皆、魔導制限腕輪アウルプロバンルを着けて、よし、行くぞ皆、ファイト、オゥ!!!」



 ダンが、掛け声を上げて、チーム、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』は、団体戦の戦場、迷宮戦場ダンフィービに向かい、



 一人、オロオロしている、ドーリを除いて、皆は、自信に満ち溢れた足取りで、迷宮戦場ダンフィービの中に、入って行った。

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