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『剣も魔法も使えない【黒蝶少女】は、異世界に来ても無双する?』  作者: べるの
スミカの異世界プレゼント(Xmas番外編)
101/593

SS モテモテ!?のサンタちゃんと怒られるサンタちゃん

おかしいです。

当初は2話の予定でしたが、次に3話。

そして今は4話目の予定となっています。

飽きずに読んで頂けると嬉しいです。


このお話は、本編とはちょっとだけ繋がっていますが、

設定が少しだけ先の話になっています。


※本編の先のお話なので、ネタバレが含んであります。

※本編にはあり得ない内容もあります。

※性的な表現が少しだけあります。


 いずれも知りたくない方、苦手な方はご遠慮ください。


(3/4)






前回のあらすじ


一緒に来たユーアを含む女性陣は、その可愛さから冒険者たちに囲まれて盛り上がっている。

一人寂しくそれを眺めていた澄香に、一人の冒険者が声を掛けてくる。





「おうっ、スミカの嬢ちゃん、ここにいたかっ!」


「うん?」


 そう言って、声を掛けてきたのは、この冒険者を纏める

冒険者のギョウソだった。


 相変わらず、後ろにぞろぞろと年齢バラバラな、冒険者たちを引き連れている。



「何?ギョウソどうしたの。あ、そうだっ!まだ女性陣から、もらってないなら、これあげるよっ」



 私は、未だ囲まれているユーアたちを見て、そう声を返す。

あの状況だったら、みんなも全員には配り切れてないだろうと思って。



「ああ、それは大丈夫だっ!ラブナの嬢ちゃんから貰ったから。それよりも、この騒ぎの張本人は、スミカの嬢ちゃんなんだってなっ!ユーア達から聞いたぜっ!」


「えっ、う、うん、そうだけど…………」


 私は若干、しどろもどろに答える。



 …………この流れって、もしかして怒られる?

私たちが来たことで、色々騒がしくなっちゃったから?



「おーーーーいっ!お前らっ!やっぱりこれを配ってくれたのは、スミカの嬢ちゃんの差し金だったぜっ!!」


 私の返事を聞いたギョウソは、ギルド内に響き渡る声で叫んだ。



 さ、差し金って、やっぱ、まずかったって事だよね?

私はそれを聞いて、そう確信する。



「ス、スミカの姉さんっ!こんないいものをありがとなっ!」


『えっ!?』


「蝶の姉さん、俺たちの為に、こんないいものをありがとうっ!」


『はっ?いいもの?』

 

「いやーー、こんな効果の高い、回復薬は初めてだよっ!」


『回復薬っ??』


「すんごい太っ腹だなっ!こんな高級なものをホイっとくれるなんて」


『高級?それ、ただのログインアイテムだよっ?』



 私は、ギュウソのその一言で、冒険者たちに囲まれてしまう。



 そんなに注目されることに慣れてない私は、知らず知らずか、頬が赤くなっていることに気付く。これじゃ、ユーア達の事を言ってられないっ。今の私はきっと、茹でダコのようになっているだろう。


 さすがに湯気は出てはいないけど。



「ちょ、ちょっと、いい加減にしてよっ、もうっ!!」



 私は耐えられなくなって、顔の火照りを隠すように俯く。



「オッ!珍しく、スミカの嬢ちゃんが、顔赤くなってんぞッ!」


 そんな、あたふたしている私を見付けてルーギルは、更に煽るように大声で叫ぶ。そんなルーギルに、私は、



「ちょっと、ルーギルっ!本当っとアンタはねえっ!!」



 そんなルーギルに文句を言う為に、私は、まだ赤い顔を上げる。



『~~~~~~~~~ポッ』

『~~~~~~~~~ぽっ』

『~~~~~~~~~あっ』

『~~~~~~~~~!!』

『~~~~~~~~~~~』



 途端に、凍り付いたように、この場所に静寂が訪れる。

冒険者の男たちは、ルーギルも含めて、私から視線を逸らす。


 私が大声で嫌がったから、きっとびっくりしてしまったんだろうか?

白けてしまったんだろうか?


 でも心なしか、みんなの顔が赤いような怒ってーーーーーー



「ちょっとゴメンっ、みんなっ!思わず大きな声で言っちゃったけど、別にそこまで嫌がってた訳じゃなくて、そ、そのぉ、驚いたっていうかっ、なんて言うかっーーーー」



 私は凍り付いた場を和ませようと、今度は、



 に、にこぉっ!



 と、無理やり笑顔を作る。


 これで元の空気に戻ってくれればいいと。

せっかくの、クリスマスなんだから。


 でもなぜか、更に、



『~~~~~~~!!!!』

『っっっっっっっ!!!!』

『-------!!!!』

『ッッッッッッッ!!!!』

『―――――――!!!!』


 その場は凍り付くのであった。



 ちょっ、いったいどうしたらいいのよっ!!



「スミカお姉ちゃん、みんなは嬉しいんだよっ!」


「えっ!そうなのユーア」


 ユーアの予想外の答えに、私は更に驚いてしまう。

そ、そうは見えないけどーーーー



「そうですわよっスミカお姉さまっ。みんな喜んでいるのだと思いますよっ!」

「そうだぜっスミカ姉っ!こんな良いもの貰ったんだっ!大人しくもなるって!」


「そうなの。スミカお姉さん。きっとみんな喜んでるのっ!」


「そ、そうよっ!アタシも配ったんだから、そうに決まってるじゃないのっ!」


 私に注目が集まったせいで、大勢の冒険者から解放された、ユーアを含む女性陣が、困惑する私に向けてそう答えてくれる。


「ほ、本当にそうなのっ?」



「ああ、本当だぜッ!スミカ嬢ッ。ユーアたちの言う通りだっ!」

「そうですよっ、スミカさん皆さんの言う通りですっ!」


 これは、ルーギルとクレハンのギルド長コンビ。


「おうっ!ユーアや、ルーギルさんたちの言う通りだぜっ!なあ、おまえたちっ、そうだろうっ!感謝してるよなっ!」



『『うおォォォォォッッッッッ!!!!!!』』



 最後は冒険者を纏めるギョウソと、その仲間たち。

ギルド内に響き渡る、ってかそれを通り越して、外にも漏れそうな程の絶叫で答えてくれた。通りすがる人たちは、絶対に驚いている事だろう。



「えっ、そうだったの?」



「そうだよっ、スミカお姉ちゃんっ!みんな喜んでるよっ!」


 最後にまた、ユーアのお墨付きをもらった私は、



「だったらっーーーーーー



 私は持っているカゴの中からじゃなく、



 ------みんな好きなだけ持っていきなよっ!!」



 アイテムボックスより直接「クリスマス風お菓子」を

みんなに向かってばら撒く。


 大盤振る舞いだっ!祭りだっ!クリスマスだっ!!



 私が空中に撒いたカラフルなお菓子は、そう色とりどりの雪のように、

このギルド内に舞うーーーーーー


 て言うのは無理がある。


 ボトボトと冒険者たちの頭や、床を散らかしただけだった。

舞うことなく、落下していっただけだった。



『……………………』




「ええっ!スミカお姉ちゃん!それはやり過ぎだよぉ!!」

「ちょっと、スミ姉っ!それはやり過ぎだってっ!」

「スミカお姉さん!ちょっと待ってなのっ!やり過ぎなのっ!」


「ス、スミカお姉さまっ!なんて懐が大きい方なのでしょう!!」

「さ、さすがだぜっスミカ姉っ!ワタシたちじゃ絶対に真似できないよっ!」



『------!!!!』

『-----!!!!』

『----!!!!』

『---!!!!』

『ーー!!!』

『ーー!!』

『   』


 


◆   ◆   ◆   ◆




「スミカ嬢、いくら何でもやり過ぎだぜッ」


「そうですよっスミカさん、あれは簡単にホイホイ配れる

 代物じゃないんですよっ」


「うん、わかった。私が悪かったよ。だって知らなかったんだもん」



 私はなぜか、ルーギルとクレハンからお説教を受けていた。


 

 私がみんなに配った「クリスマス風お菓子」は効果の高い

回復薬だったらしい。


 それでアイテムボックスから、ばら撒いた分は回収されて、

私のアイテムボックスに戻ってきている。一人1袋の上限で。



 それでもみんなからは感謝された。

今も床で正座している私を囲んで、ニコニコと笑顔を見せてくれている。


 クレハンの話だと、このアイテムをばら撒くことによって、この街の商品が売れなくなってしまう事。私の渡した回復薬よりも、効果の高いものは販売していない事から、そのせいでその関連のお店にも迷惑をかけてしまうとの事。言われてみればそうだった。



 それと、この回復薬が、外に出てしまうと、

私の立場にも影響があることも懸念された。



 誰がこんなもの作ったんだって、誰がこれを持っていたんだって、

この国の、国王や、下手したら大陸絡みでの問題にも発展しうるだろうとの事だった。その効果が高過ぎるが故に。



 そんなこんなで、私は絶賛反省中だった。



「ルーギルさん、もうスミカお姉ちゃんを許して下さいっ!!」


「そうですよっルーギル、いつまでスミカお姉さまを地べたに座らせておくんですかっ!?いい加減にしないと、あなたが地べたを這いずり回ることになりますよっ!!」


「そうだぜっ、ルーギルっ!ワタシたち姉妹は本気だぜっ!それ以上するならばっ!地べたじゃなく、地面の中をっ!!」


「そうなの、ルーギルさんっ!許して欲しいのっ!」


「ルーギル。はぁ、アンタって肝っ玉だけじゃなく、器も小さいのね。もうアンタには愛想が尽きたわ。もうこのギルドも終わりね。ギルド長が、こんなんじゃね」



 それを見て、ユーアもナゴナタ姉妹も、メルウちゃんも新顔のラブナちゃんも、私を庇ってくれるように、ルーギルに物申してくれた。


 ナゴナタ姉妹と、ラブナちゃんの言うことは、正直危ないけど。

ってか、地面の中って何?ゴナタ。それってお墓?



「ってッ!なんで俺が悪者になってんだッ!!

 俺はスミカ嬢を心配してだなッ!!」


「そ、そうですよっ、ギルド長はスミカさんの事を心配して」



 チラッ



「あ、そう、なら私はもう解放されても大丈夫だよね」


 私は「スクッ」っと立ち上がる。



 私を心配してのことだったら、

これから私が気を付ければ済むだろうと思って。



「ちょッ、スミカ嬢ッまだ話は終わってーーーー」


 ルーギルはまだ言い足りないのか、そう言って、また話を続けようとするが、



「まぁまぁ、いいじゃないですか、ルーギルさん。スミカの嬢ちゃんも、何となくわかっているみたいだし、それぐらいで許してあげても。それに元々は、俺たち冒険者の為に行ってくれたことですしね」


 ギョウソが途中で口を挟み、私にフォローを入れてくれる。


「ぐ、ぐううッ、ま、まあいいかッ、確かにギョウソの言う通りだッ。やり過ぎたのはヤバいが、スミカ嬢は、俺たちの為にしてくれたんだよな。ならこれで終いにするかァ」


 そう言ってルーギルは矛を収める。



『うーーん、私のせいで、みんなのテンションが下がっちゃったよね』



 私はみんなの表情を見て、そう思う。

私が調子に乗り過ぎて、場の空気が悪くなった気がする。



「あ、そうだっ!」



 私はある事を思い立って、この場の雰囲気を変える為に、

ある作戦を思い浮かべるのであった。




次回できちんと終わります。

登場人物少なくても、色々話が膨らんで面白いです。

時々登場人物の名前を忘れちゃいますけどね。


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― 新着の感想 ―
[一言] ふぉー! もう入手出来ないログインアイテム(残りの数は未数値)を飴の様に配るなんて… スミカさん太っ腹ー!(さりげなくばらまかれたのを一つ食べながら) ('〇')/□モグモグ (☆.☆)おや…
2019/12/25 09:45 おめでとう!謎のスライムはロリ好きスライムへと進化した
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