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鳥の人への道

 空を飛びたいと思ったことは有りませんか?

 私は、結構あります。特に、寝坊した時とか。

 自宅前から離陸して職場に直接行けるような機体があれば、多少の寝坊も大丈夫♪ なんて思うのですが、まあ、そうなったら起きる時間がさらに遅くなるだけという気も。


 さて、そんな寝坊の味方として最強と思われるのが、「風の谷のナウシカ」のメーヴェです。

 婦女子が持ち上げられるレベルの小型軽量な機体、短距離離着陸性能、少年少女なら二人は載せられるペイロード。理想的です。

 今回は作中の記述を元に、このメーヴェに乗るという人類の夢(というか私の夢ですね)をかなえる方法を考えてみたいと思います。


 それでは、斜め上に向けて出発!


【回る、回る…】

 昔、メーヴェって飛ぶのか、という根本的な疑問を抱いたことがありました。

 ちょっとだけ航空力学を齧っているのですが、あの形状って縦安定が不足しているように思えたのです。

 ※安定性に関する用語は、Wikipediaの「飛行機の安定」を参照してください。


 そこで、紙飛行機を作成してみました。…見事に大失敗しました。

 ローリング、ヨーイングは抑えられるのですが、ピッチングが全然だめです。まるで、マット運動で前転・後転でもしているがごとく、くるくると回ってしまいます。


 そもそも、無尾翼機であること、主翼の後退角がほとんど無いこと、さらに搭乗者が主翼の上に居るため重心位置が高いこと、等、安定とは程遠い構造なのです。


 実用になった無尾翼機で有名なものとしてはMe163コメートがありますが、この機体は主翼に後退角が付いています。

 また、主翼にほとんど後退角がない機体としてはFauvel A.V.36というのがあるそうですが、この場合は翼の断面形状が特殊なのだそうです。

 いずれの特徴も、メーヴェの画像(漫画版で確認)には認められませんでした。

 翼端には多少の後退角が付いてるのですが、どうにも不足なのです。


 つまり、アニメや漫画のメーヴェは、たまたま上手く飛んだ時だけ描いているのです!そして、普段はくるくる回っているのです!!


【XXが無ければ】

 等という、夢も希望もなさそうな結論は宜しくないですし、そもそもそんな機体に乗っていてはナウシカさんの命がいくつあっても足りませんので、解決方法を考えてみます。


 実は現実世界にも、機体の安定性をわざと落としたものが存在します。目的は、機動性能の向上。

 一般には、機動性と安定性はトレードオフの関係にあるので、機動性のために安定性を犠牲にした設計とするのです。

 しかし、人間というのはわがままなもので、普段は安定して飛びたいし、必要な時は高い機動性を発揮したい、と考えます。

 では、そんな不安定な機体を安定して飛ばすのにどうするかというと、コンピューター制御なのです。コンピューターが機体の姿勢が崩れたことを検知して、自動的に姿勢を戻すような動作をするのです。


 しかし、ナウシカの時代、コンピューターが生き残っている可能性はかなり低いものと思われます。

 漫画では、比較的構造が単純なエンジンでさえ残りが少なく、新規の製造ができないという描写がありました。さらに複雑で簡単には直せないコンピューターは、ほぼ絶滅していると考えられます。


 となると、選択肢は限られてきます。

 コンピューターが無ければ、人力でやればいいじゃない♪ と、どこかの王妃様チックな発想でいってみましょう。


【公園で訓練】

 不安定な機体を安定させる操作は、いきなり出来るものではないでしょう。何らかの訓練課程がありそうです。

 例えミトさんとか父様とかがスパルタだったとしても、いきなり実機で訓練させるなんてことは無いと思われます。とっても危険ですし。

 アニメのエンディングで、風の谷の子供たちがハンググライダーぽい機体で飛ぶ訓練してるシーンがありましたが、あの手の機体は翼の下にぶら下がるため、重心が低く安定性は高いのです。これではメーヴェを安定させる訓練にはなりません。


 メーヴェには、操縦するための舵に当たるものがほとんど無いようです。フラップのような構造は確認できますので、この角度を左右で変えることで多少の操作は可能と思いますが。

 おそらくメーヴェは、主に体重移動で機体を制御しているのでしょう。

 そこで現代にあるもので、体重移動により不安定なものを安定させる訓練になるものを考えたところ、候補が二つ出てきました。

 シーソーと一輪車です。


 シーソーは、両端に二人で乗るという使い方ではなく、上に腹ばいになって乗ります。そして、端が地面につかないように、体重移動で安定させるのです。

 エンジンを稼働させたときの力を逃がす訓練も必要と思われるので、ミトさんあたりに協力依頼してシーソーを蹴り上げてもらう、などという場面もあったことでしょう。


 一輪車は言わずもがなですが、メーヴェを安定させる訓練の場合は、極力車輪を回転させず、上半身の捌きだけで姿勢を安定させるようにしなくてはなりません。


 これらの訓練は、現在の公園でも可能です。

 メーヴェに乗りたいと思うあなた、今すぐ公園へ!


【禁断の飛行】

 機体の安定性問題は訓練と努力でどうにか出来そう…出来なさそう…出来たとします。

 アスベルさんとの二人乗りは安定させるのがとっても大変だったのではないかと思われますが、きっと「毛筋ほども動くな!」と脅し…注意した上で乗せてたのでしょう。

 これで通常の運用は大丈夫だとしますが、非常にまずいシーンに二つ気が付いてしまいました。


 一つは、アニメのエンディングちょっと前のシーン。「無人の」メーヴェが空を舞っています。みんな、風が戻ってきたとか喜ぶんじゃなく、墜落を心配してくれ。

 ちょっとだけ、テト頑張れ、と思っちゃいましたが、ナウシカさんと一緒にメーヴェを降りてましたね。

 しょうがない、このシーンは、たまたま、非常に運良く、風がちょうどよかったものと思いましょう。


 しかし、もう一つはどうしようもありません。


 アニメの最初の方で、ユパ様と再会してから風の谷に戻るとき、ナウシカさんがメーヴェの下にぶら下がって離陸し、逆上がりの要領で機体の上に…って、それダメ、絶対!


 メーヴェは作中のいろんなシーンで結構あっさり持ち上げられているので、機体重量はせいぜい20kg程度と思われます。

 一方、ナウシカさんの体重は…女性の体重なので明言はしませんが、メーヴェよりは確実に重いでしょう。

 軽く、縦安定が不足している機体に、逆上がりの要領で上がろうとすると、どう考えても機体が裏返しになります。


 という訳で、結論。

 メーヴェは、公園で訓練の上、逆上がりなどの危険な動作を避けてご利用ください。

今回の投稿でネタ切れです。

何か思いついたら、また書くかもしれません。

ネタ提供も大歓迎です。

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