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太陽を追いかけて

 スター錦野旦さんの名曲、「空に太陽がある限り」をご存知の方は多いと思います。

 先日なぜかこの曲を脳内リピートしていて、これ、太陽が出てない時は愛してないってことでは!?と気がついてしまいました。


 一日の約半分は夜で空に太陽が出ていないので、つまりは一年の半分は愛してないということに。

 しかも、夜に愛してないってことは…ゲフンゲフン。

 まあ、そっちは合意があれば昼でも良いという事にしておいて(何)、極力愛している時間を延ばす手段を考えてみました。

 条件として、お金に糸目は付けないこと、2019年現在の技術で可能な範囲であること、とします。


 それでは、斜め上に向けて出発!


【宇宙へ…】

 夜とは、地球の影に太陽が隠れること、ですよね。

 であれば、出来るだけ地球から離れることで、夜の時間を少なくできそうです。


 色々資料を探してみたところ、静止軌道上での食(太陽が地球に隠される)の時間のグラフが見つかりました。

 ちなみに、食の発生する期間は春分、秋分前後の約21日ずつ、1回の継続時間は最大70分程度だそうです。

 グラフからざっくり計算したところ、年間では合計80時間ぐらいになるようです。


 宇宙ステーションの軌道での食の継続時間も知りたかったのですが、探し方が悪いのか、食事の事ばっかり出てきました。

 真面目に計算するのはかなり難易度が高いので、ここは静止軌道で勘弁してください。

 静止衛星の軌道は宇宙ステーションの軌道と比べてだいぶ高い(遠い)ところにあるため、補給にはお金がかかりそうですが、愛のためです。頑張れ。


 もしかしたら、食の期間に地球との位置をずらして常に太陽が見えるようにすることも可能かもしれませんが、どういう軌道を取るかの計画やエンジンの噴射時間の計算が大変なことになりそうですし、これは現在の技術の範疇をやや超えていると考えました。

 JAXAの人とか、実は現在でも計算可能です、という事であれば是非教えてください。


 さて、宇宙に飛び出すことで、愛し率は約50%から約99%に急上昇しました。

 しかし長期間宇宙に滞在すると、筋力の低下や骨密度の低下が発生します。

 これを解決してくれそうなスペースコロニーは、さすがに現在の技術だとちょっと手が届かないようですので、愛し率の低下を忍んで、時々は地球に戻ってリハビリする方が良いかもしれません。


【年二回の大移動】

 地球上でも、一日中太陽が見えている地域&時期が存在します。高緯度地方の「白夜」です。

 もちろん、一年中白夜である地域など存在しません。白夜となる地域は春分、秋分の日に南北で交代しますので、常に空に太陽を見たいのであれば、半年毎に地球を半周分移動する必要があります。


 地球上で白夜の期間が一番長いのは南北の極点で、ほぼ半年となります。

 極点に家を建てて、半年ごとに移動すれば愛し率100%達成!と喜んでみましたが、Wikipediaで南極点の日照時間を見てふと気が付きました。年合計2,938時間って半年分に足りない!

 そういえば、地球には曇りという現象がありましたね。曇りの日の日中は、「空に太陽がある」と見なしていいんでしょうか?


 その他にも問題点が。

・北極点は流氷の上なので、ここに建てた建物は少しずつ極点からずれていきます。

 極点からずれると太陽が見える期間が減るので、時々家を移動させるか建て直すかが必要です。

・半年ごとの移動の時に天候が悪い場合、数日間足止めされる可能性があります。

・移動も太陽が空にある間でなければ、愛し率が低下します。


 曇り空の時は空に太陽が無いと判断するとし、北極点の日照時間が(見つからなかったので)仮に南極点と同じであり、移動中はどうにかして太陽の見える状態を維持した場合、愛し率は約67%。頑張った割には意外と少ない値となりました。


【太陽を追いかけて】

 地球上で曇りを気にせず、太陽を常に見ようとするなら、飛行機で西に向かって常に移動し続けるぐらいしかなさそうです。

 地球の赤道の円周は大体40,000km、24時間で一周なので時速1,670kmぐらいです。

 今は亡きコンコルドの巡航速度が大体時速2,150kmなので、成層圏(雲がないところ)を常に巡航速度で飛び続ければ太陽を見続けることが計算上は可能です。


 もちろん、燃料とか食事とかパイロット交代とか機体整備とかの問題があるので、時々着陸する必要があります。

 速度に多少の余裕があるので、1フライトごとにある程度太陽を追い抜き、稼いだ時間を利用すれば良さそうです。

 着陸している時間を短縮するためには、着陸予定の空港に次の機を準備しておき、主役の方は空港に着陸して即乗り換え、離陸するぐらいの根性が欲しいところですね。


 コンコルドの航続距離は約7,000kmなので、安全マージンを見込んで1機1回あたりの飛行距離を5,000kmとし、5,000kmを飛ぶ1チームごとに稼働機1機、整備時の予備機1機、代替着陸用の空港に1機の3機を準備すれば、ほぼ100%の稼働が可能になると思われます。

 この場合の必要機数は24機。製造機数は20機なので、超過してます。追加生産するしか。


 クルーは1機あたり、機長、副機長、機関士の3人+スチュワーデス2人ぐらいの5人は必要でしょう。予備機を除いた16機分で、計80人を常時雇うことになります。

 離着陸分を考えて、平均時速2,000kmで飛行するとした場合、飛行時間は1回あたり2.5時間。

 クルーは、フライト前後の時間を考えても1日4~5時間勤務で、しかも勤務時間は常に日中ですので、その点では楽…と思いましたが、これだと休みが無いですね。

 週休2日を維持するなら、120人(24チーム)ぐらい準備した方がよさそうです。


 なお、乗り換えには30分しか猶予がありません。主役の方は休みも取れないし、毎日8回飛行機を乗り換える必要があるし、睡眠時間も一度に2時間程度しか取れなさそうだし、大変です。

 万一病気にでもなったら、愛するのをあきらめるか医者を同乗させるかの究極?の二択になります。

 個人的には、ひとまず降りて休め、と言いたいところですが。


 何はともあれ、これで理論上は愛し率100%達成です!

 お金が余っている方、ぜひチャレンジしてみてください。

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