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錆びたナイフを掘り当てろ!

 石原裕次郎さんの「錆びたナイフ」という歌、ご存知でしょうか。

 両親が好きで、家族でドライブ中によくかけてたものだから覚えてしまいましたが、私もリアルタイムで知っていたわけではありません。

 調べてみたら、この曲を主題歌とした映画の公開が1958年。リアルタイムでないのも当然でした。


 さて、海水浴でお父さんとか彼氏とか彼女とかを埋めようとして砂を掘ってたらナイフ発見!なんて事件に遭遇した人、多分いないと思います。空き缶ぐらいなら見つかるかもしれませんが。

 今回は、砂山を掘って錆びたジャックナイフを掘り当てる可能性ってどのぐらいあるのかを検討してみます。


 それでは、斜め上に向けて出発!


【誰が埋めた?】

 裕次郎さんも疑問に思ったようですが、このナイフ、誰が埋めたんでしょうか。

 私が思いつく可能性は以下二つです。

・ナイフで事件(殺人とか傷害とか)を起こして、証拠隠滅で埋めた。

・亡くなった人の思い出として、遺族か関係者が埋めた。


 ジャックナイフで事件を起こすような人たちの候補と言えば、いわゆるチンピラさん達でしょう。ゴボウは入りません。(違


 思い出として埋めた場合でも、その亡くなった方ってのはやはりチンピラさんだと思われます。

 こういう時は、偲ぶ相手を良く表すようなものを埋めるものだと思いますが、ジャックナイフが象徴になると言えば、そういう類の人ではないかと。

 しかも普通ならお墓にでも埋めるところが、その辺の砂山に埋めてますから、あんまり表沙汰に出来ない事件で亡くなった等の背景がありそうです。


 いずれにしろ、ナイフで事件を起こすような人達に絡んで埋められたと考えるのが妥当そうですね。


【5万本のナイフ】

 チンピラさん絡みの事件がナイフを埋めた原因だとして、世の中、どのぐらいの本数のナイフが埋められているか考えてみます。


 1958年の暴力団の構成人数は、約9万人だそうです。

 1人が管理できる人数は10人程度だそうですので、大体1割が幹部、9割が下っ端とすると、チンピラ相当と考えられる下っ端は8万人ぐらい。

 これらの人が刃傷沙汰を起こす確率は難しいところですが、下っ端1人が10年に1回ぐらいそういう事件を起こす、としてみましょう。

 大盤振る舞いで、事件が起きたら必ずナイフが埋められるものとします。

 すると、毎年8千本のナイフがどこかに埋められることになります。


 埋める場所は、おおざっぱに海か山かではないかと思いますので、ここは半々として、毎年、海に4千本、山に4千本埋められていると考えます。登山の人も気を付けて!


 埋められた期間は、次のように考えて12年間とします。

・日本でジャックナイフが主に使われだしたのはきっと第二次大戦後なので、1946年以降とします。

 その前はドスが埋められていたに違いないのです。

・ナイフが真っ赤に錆びていたので、錆びる期間として1年を見込み、映画公開1年前の1957年までとします。


 以上から、海沿いに埋められていたナイフは 4千 × 12 で約5万本となります。


【真面目に掘るべし】

 ナイフを掘り当てた場所は、歌詞では「小島の磯」となっていますが、磯(岩が多い海岸)だと砂山が近くにあるのは矛盾していそうです。

 ここでは、砂山から掘り出した点を重視して、現場は砂浜であると考えます。


 とある資料によると、日本の砂浜の面積は約19,000haあるそうです。

 波打ち際にナイフを埋めてしまうと波で掘り起こされてしまう可能性があるので、波の影響を受けにくい陸の側に埋めるものと考え、ナイフが埋まっている範囲は約半分の1万haとします。


 海沿いに埋まっているナイフの数は5万本ですが、砂浜でない海岸に埋められたものもありそうです。

 ただ、掘りやすさの点から砂浜に埋められた数が圧倒的に多いものと考えられるため、ここでは全て砂浜に埋められたとします。


 以上から、砂浜1haあたりのナイフの数は5本。

 大きめの校庭の面積が1haぐらいと言えば、広さの感覚が判るでしょうか。そこに5本のナイフ。多いんだか少ないんだか。


 さて。

 この歌では、ナイフを真面目に掘り起こそうとした様子が有りません。

 七曲署にタレコミがあって証拠物件の捜索に来た、というような真面目な状況ではなく、ふらっと海岸に来て、なんとなく砂山を掘ってみたら、あら見つけちゃった、という感じです。

 となると掘ったと言っても、手でちょっと砂を引っ掻いてみた、位ではないでしょうか。


 手の幅を大体5cm、引っ掻く長さは体を動かさずに無理なく届く範囲として大体20㎝とすると、掘った範囲は100平方cm。

 1ha = 10,000平方m = 100,000,000平方cmなので、ナイフを掘り当てる確率は

 5本 × 100平方cm / 100,000,000平方cm = 20万分の1

 宝くじの一等を当てる(1000万分の1)よりはマシな確率ですが、なかなか出会えない状況ではあるようです。


 もし本当に掘り当てたいのであれば、スコップとか、警察犬とか、金属探知機とかを導入すべきですね。

 その時はきっと、タイトルが「太陽にほえろ!」になっている、筈。

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