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百万本のバラの花を あなたはあげられる?

 百万本のバラ。加藤登紀子さんの歌として有名ですね。

 ちょっとネットで探すと、歌詞のモデルとされる画家さんの描いた女優さんの絵も見つかります。

 ……探さない方が、夢が壊れなくていいかもしれません。


 さて。

 百万本のバラを広場に敷き詰めるなんて、実は一大プロジェクトだったのでは、と思います。

 ここでは、このプロジェクトについて色々と検証してみます。


 それでは、斜め上に向かって出発!


【お値段】

 現地の物価や貨幣価値が不明なので、現代日本に置き換えて考えます。


 ネットでのバラの販売価格は、ピンキリありますが、一番安い方で1本100円です。

 つまり、百万本だと1億円。お金持ちだったのですね、画家さん。

 小さい家とキャンバスを売ったお金だそうですが、小さい家は日本の感覚だと数千万円ってとこなので、きっとキャンバスの数がむやみやたらとあったのでしょう。


 内訳は不明ですが、小さい家=5,000万円、キャンバス=5,000万円だったとします。

 キャンバス1枚の値段は、質とか大きさでかなり変わりますが、高いのだと1枚1万円くらいするようです。

 つまり、キャンバスが5,000枚くらいは有ったことになります。

 広場をバラで埋め尽くす前は、家の中がキャンバスで埋め尽くされていたに違いないです。


【重さ】

 バラの重さについて検索してみたら、100本のバラの花束が2.4kgあった、という記事がありました。

 もちろん、花の大きさとか花束の付属品の重さにも左右されると思いますが、100本で2kgくらいは妥当な線ではないでしょうか。

 とすると、百万本のバラ=20,000kg=20トン。バラの重さとは思えない単位が出てきました。


 これだけの荷物を運ぶのは大変だったと思います。荷馬車かトラックを使ったのでしょうか。

 モデルとなった出来事は十九世紀の終わり頃の事だそうなので、一応トラックも実用化されている時期ですし。


 しかし、当時のトラックは音がうるさかった筈。広場には夜に運び込んで、朝に女優さんへサプライズプレゼントしようとした、と思われますので、騒音で女優さんが起きてしまったら不味いです。

 きっと、昼のうちに広場の近くまで運んで集積しておき、夜になってから人力でえっちらおっちら運んだのでしょう。


【購入】

 街中の花屋さんから買い込んだらしいのですが、今の日本の花屋さんでも、1軒にあるバラの数は多くても数百本ではないかと思います。

 もし1軒あたり500本あったとすると、この街には2,000軒の花屋さんがあることになります。


 関東地方の都市をいくつかピックアップして、花屋さんの数と人口の比率をざっと計算してみたら、花屋さん1軒につき大体10,000人になるみたいです。

 つまり、舞台となった街は2,000万人くらい住んでいた…って、東京都と神奈川県を合わせたぐらい!?でかい街ですね。


 人口密度が東京並み(6,300人/平方km)だったとすると、街の広さは3,000平方kmぐらい。花屋さんの数は2,000軒なので、1軒あたりの面積は1.5平方km=1.22km四方ぐらい。

 花屋さんが正方形の土地のほぼ中央にあり、土地がタイル状に並んでいるようにモデル化するなら、花屋さん間移動距離は平均1.22kmと考えられます。よって、総移動距離は2,400kmほどは有ったでしょう。


 バラの花も買って時間が経つと萎れてしまうので、広場に敷き詰める前の1日で購入したと仮定すると、使える時間は花屋さんの営業時間を考慮して10時間ぐらい。1人で移動したなら、平均時速240kmで爆走することになってしまいます。

 街での移動ということで、自動車を使い平均時速60kmが出せたとすると、画家さんの他に3人の協力者が居たことになります。

 この人数だと時間が結構ギリギリなので、もうちょっと人を増やして、くれぐれも安全運転でお願いします!


【広場への敷き詰め】

 バラの集積所から広場まで1人で1回20kg運んだとして、20トン運ぶと1,000往復です。

 仮に集積所と広場の間が100mあったとすると、200kmも歩いたことになります。さすがに、一晩のうちに1人で敷き詰めるのは難しそうです。


 時速5kmで歩いたとすると40時間。女優さんが寝付いてから起きるまで6時間と考えると、画家さんの他に少なくとも6人の協力者が居た計算になります。

 計7人で作業した場合、1人あたりの往復回数は150回近く、バラの輸送量は3トン弱です。

 女優さんへのサプライズのためだけに、一晩中休みなく歩いて3トンの荷物を運びこむ作業を了承してくれた人達。きっと画家さんの親友だったのでしょう。私も、こんな友人が欲しいです。



 総費用1億円超(トラック、倉庫のレンタル費用含む)の大プロジェクトを敢行した挙句、女優さんはおふざけだと思って去ってしまい、画家さんの恋は人知れず終わったのです。人の世は無常です。

 でも、画家さんには、かけがえのない友人が少なくとも6人は居ることが判りました。

 …ほんとかなぁ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 元歌はロシアだそうですよ
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