100万回生かしてみたねこ
100万回生きたねこって絵本があります。佐野洋子さん作。
もし読んだことのない方が居ましたら、ぜひ読んでみてください。とってもいいお話なんですよ。
それはともかく、つい気になったことがあります。100万回生きるのって可能なの?
もちろん、転生が可能かとか、猫の記憶力ってそんなに良いかとか、いろいろ問題は有りそうですが、転生小説てんこ盛り、猫好き多数のこの場で、転生の可否とか猫の能力に疑いを持つのは不味そうなので、今回気にするのは「時間」です。
それでは、斜め上に向かって出発!
【条件設定】
Wikipediaによると、飼い猫の確実な痕跡として約9000年前のものがあるそうです。
飼い猫がいても常に痕跡が残るとは限らないので、おそらく1万年前には飼い猫がいたでしょう。でも、2万年前は怪しいかな?
ここでは、1万年前に飼い猫が出現したと考えます。
また、猫の人生(以下、猫生)は、まともに生きた場合は5年と考えます。
今の飼い猫だと15年くらいは生きそうですが、昔はそんなに長くないだろうし。主人公の猫(以下『ねこ』)は不慮の死を遂げることが多い感じだし。
さて、条件設定の時点で既に暗雲が垂れ込めて大雨が降ってそうですが、考えを進めてみます。
【猫生一定期間説】
まずは、『ねこ』がほぼ同じ長さの猫生を100万回生きた、とする説。
この場合、1回の猫生の期間はこのように計算できます。
1万年 × 365日 ÷ 100万回 = 3.65日!
つまり、1回の猫生で3~4日しか生きていない訳です。目も開いてないんじゃないかな。
これでは、どの猫生でもまともな記憶があるか怪しいです。この説は却下します。
【複数『ねこ』説】
続いて、普通の猫生を送った『ねこ』が複数いて、その記憶を統合している、とする説。
この場合は、記憶を共有する『ねこ』が同時に、100万回 × 5年 ÷ 1万年 = 500匹 存在することになります。
このぐらい居ると、生きてる間に『ねこ』同士が出会っちゃうことがあるかもしれません。「よう、『ねこ』」「やあ、『ねこ』」みたいな会話をしてたのかも。
ただ、記憶の統合がリアルタイムなのか、死んだら纏めてなのか、によっては、お互い『ねこ』だと気づかずに「フシャー!」なんて威嚇してたかもしれませんね。
リアルタイムの記憶統合だと、「あれ?ご飯食べたっけ?」とか「今何やってた?」とかいろいろ混乱しそうなので、死んだら統合なんじゃないかな、という気もします。
しかし、私はこれも却下したいです。
というのは、この方式では同じ時期に、白猫さんと会っている『ねこ』以外に499匹の『ねこ』が別の猫生を送っているのです。
もしかしたら、あの感動的なお話の裏で、他の美猫とよろしくやってる『ねこ』が居たかもしれない訳です。
なんか許せないので、この説も却下!
【長短猫生混合説】
最後に、1匹の『ねこ』が普通の猫生と極端に短い猫生を取り交ぜて過ごした、とする説。
この場合、短い方を仮に1日とし、普通の猫生を送った回数をNとすると、以下の式が出来上がります。
N回 × 5年 × 365日 + (100万回 - N回)× 1日 = 1万年 × 365日
これを解くと、N = 1453回 。つまり、大体1500回ぐらいが普通の猫生、残りの99万8千500回が短い猫生となります。
短い猫生の方はロクに記憶がないと思われますので、『ねこ』は高々1500回の猫生(それでも大したものですが)の記憶に基づいて「100万回生きた」と威張ってたわけです。
もしかしたら白猫さん、このことに気が付いてたから『ねこ』をチヤホヤしなかったのかもしれませんね。白猫さんは偉大です。