7〜相棒との出会い
次の日私はリクと街で買い物をすることにした。
一人暮らしと言っても、ギルドには寮があり必要なものはほとんど揃っている。
その為今日は小物と、冒険者として必要な武器を買いに来た。
「姉さんの適性武器は双剣と弓だっけ?どっちにするの⁇」
「双剣かな。弓もいいけど、後々のコストがかかりそうだしね。」
研修中も仕事で稼ぐ事は出来るが、研修の間は森に入るのも最低2人以上のパーティで行かなければならない為、基本的に稼いだ額は半分ずつになる。
だから今から少しずつでも節約しなければ。
「双剣かぁ、しっくりくるのがあるといいね。」
「まぁお金が貯まったら、弓もやってみたいけどね。」
武器屋に着き、中に入ると見知った顔の男がいた。
「あれっ、奇遇だね。リナも武器を買いに来たんだ?ってことは冒険者ジョブだったんだ。
ちなみに俺もだよ。俺はレイピア使いだったけど、リナは⁇」
この馴れ馴れしく話しかけてきた男は私達2人の幼なじみで、私と同い年のカイルだ。
「カイルもなんだ…冒険者ってことは同じギルドだよね。私は双剣と弓だったよ。」
ちなみに私は昔からカイルが苦手だった。小さい頃から何故かイタズラばっかりされている。
「カイル…今度姉さんにイタズラしたら許さないよ?」
シスコン気味のリクは私にちょっかいを出すカイルが嫌いだ。
「おぉー怖っ‼︎心配すんなって、俺だってもう成人だしな。これからは冒険者通し助け合って行こうぜ。」
…まぁカイルはイタズラはするけど、何故かいつも悪気はないみたいなんだよね。
「イタズラしないなら…これからよろしくね。」
私の返事に満足げに笑ったカイルは、レイピアを購入して出て行った。
「なんか邪魔が入ったけど…これなんか姉さんに合うんじゃないかな?」
リクが私に合いそうな双剣をいくつか選んだ。
「んー…」
私はそれを一つ一つ手に持ち、どれがしっくりくるかを考えた。
何個目かの時、持った瞬間剣が光った。
まるで私を待っていたかのようなそれはとても手に馴染んだ。
周りにいた客や店員、リクまでもその光に驚いていたが私は気にならなかった。
「これにする‼︎」
私は迷わずその光った双剣を購入し、まだ呆けているリクを連れて店を出た。
「姉さんって…実はなんかすごい人なんじゃないのかな。」
リクが真面目な顔して呟いた。
「あはは…」
まぁ聖女だしね…と思ったが説明出来ないので適当に笑って誤魔化した。