第4話
俺は事件解決にとても貢献したとして、警察所から金と何かよくわからない紙をもらった。なんか、これからも人類の進化のためよろしくお願いしますねとか言ってたな。この紙はどうでも良いとして、金が貰えたのはうれしい。金貨5枚だった。更に俺は事件を解決まで持っていったとして被害者の親族から金貨5枚もらった。金貨10枚は、そりゃもうとても高いらしい。
銭貨100枚で銅貨1枚、銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨100枚で、金貨1枚らしい。町の店を見て回っていたのだが、大体の日用品、食べ物が銭貨10枚や20枚で売っていた。高いやつは銭貨90枚~銅貨5枚ぐらいだった。大体銭貨1枚10円ぐらい、銅貨1枚1000円ぐらいっぽい。単純に計算すると金貨10枚は前世で1億かな。まあそんなことはないんだが。さて、金貨9枚はどこかの町に家を建てるとして、残り1枚は食料を調達するので使用するか。俺は金貨1枚を銀貨100枚、銀貨10枚を銅貨1000枚、銅貨50枚を銭貨5000枚に両替し、食料と水と鞄を買った。食料は長持ちする加工食品、鞄はなるべく持ちやすい物を。さて、また面倒なことになる前にこの町を出るか。警察所で魔法の使用許可は貰っているので俺は颯爽と「飛行」を使って出た。
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俺は町を出て数分ぐらい飛んでいた。しかし、ある疑問が思い浮かんだ。それはこの世界には俺たちの使っていた『科学』そのものがないのかと。俺達の世界にも昔、魔女がいたという歴史がある。おかしいんだ。科学というものがあるなら魔法は成立しない。しかも魔法は科学では説明できない。どこか矛盾する。それじゃあちょっと科学の実験をしてみるか。
色々実験してみた。してみたが全部成功した。なんでだ?まさか魔法と、科学とは全くの別物。魔法は科学で証明できるのか?そうやって仮説を立てていると、魔道書が白く光った。なんだ?俺は魔道書を開いてみると、ある魔法式が浮き出ていた。嘘だろ?こんな魔法ありかよ。俺の魔道書が最初に発現した魔法がこんな魔法かよ。俺の発現した魔法、それは―――――
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新しい魔法を実験しているとなんやかんやで髪がチリチリになっちまったよ。ふぅ、でもなんとか制御できるようになった。ったく威力強すぎるんだよ。でも実戦で使えるぐらいになったからいいや。がさごそ、と前方の草むらから聞こえる。するとその草むらから熊が襲いかかってきた。ちょうど良い、試す瞬間がきた。
天宮「くらえ、科学魔法 水素爆発」
すると熊が苦しみ出した。すかさず俺が指を鳴らす。すると熊のいるあたりが大爆発を起こした。あらら、やり過ぎちった。にしても強力すぎんか?一発目にこの魔法だぜ?俺もう魔王倒せる気がする。あー、熊の肉残せば良かったな。食料費ケチれるし。
?「こっちだ!急げ!」
やべ!派手にやり過ぎた。にっげろー。「飛行」!俺はさっさと逃げた。やっぱり後ろから、わっきゃわっきゃ聞こえる。嬉しいことに証拠無いし(全部消えたからね)。んじゃ次の町まで飛ばしますか!俺は「飛行」の速度を上げ、次の町まで飛んでいった。
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男「おい!ここだ!ここに魔力痕があるぞ!」
俺「な、なんなんだこの魔力痕は?!」
それは今までの魔法の系統に属さないものだった。これは国王に報告しないといけない!
男「ヤバイぞ、これが魔族のものだったら」
俺「その可能性も踏まえて国王に報告だ」
そう言って俺は連絡装置を起動させた。
受付「―はい、こちら国王連絡所です」
ンヤハ「国民No.54240のンヤハだ。翼濃の森で未確認の魔力痕を発見、魔力調査班を連れて来てくれ」
受付「?!了解致しました」
ふう、これで良い。後はここで待機しとけば良い。にしてもこれはなんなんだ?空間系でもなく、炎系でもない。本当になんなんだ?
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高度を上げて前方を見ると大都市といえる大きさの町があった。しかし、夕暮れなので入っても宿を使わないといけないので、今日の昼頃買った加工食品を食べ、俺は木の上で眠った。
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クエス「久しぶりじゃな」
天宮「ああ、そういやお前って何代目か忘れたけど賢者だろ?」
クエス「いかにも我は初代賢者じゃ。しかし、なぜわかった?」
天宮「ただ名前が一緒だったからだよ。後は勘さ」
クエス「お主は凄いな。こちらも一つ質問して良いか?」
天宮「ん?いいけど」
クエス「お主の魔法、一体何なんじゃ?」
天宮「構造は簡単だよ。つーか、これを語るとき、ある仮説をしなきゃいけないけどいいか?」
クエス「いいぞ」
天宮「俺は魔力を『何にでもなる物質』と考えた。それを変化させ、火にしたり水にしたり、はたまた原子になったりね。俺はその魔力を水素という物質に変えた。そして指を鳴らした時に起こる摩擦で火花が起こるように魔力を使った。水素は火に当たると爆発するんでな。その性質を利用した爆弾みたいなもんだ」
クエス「なるほど、それでもそれは凄いものだ。新しい魔法を作るとは」
天宮「そんなにすごいことじゃないさ」
クエス「いやいや、私ですら不可能だったことを簡単に成し遂げてるんだから十分すごいさ」
天宮「へぇーそうか、まあ良いや。とりあえず視界が歪んできたんでまた今度な」
そう言うと彼は消えた。にしてもハイスペック過ぎないか?あの賢者強すぎるんだよ。私の数倍、数十倍、下手したら数百倍強いぞ。まあ、彼が賢者になったのは良かった。あの魔道書を手に入れると、人類に貢献して人生が終わるように魔法がかかってるからな。さて、私も寝るか。おやすみだ、若き賢者よ。