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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第3章 セレストメディエル聖教国編
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第98話 パレードをやろう

 食堂にて女神セレス様を褒め讃えながらの朝食を終え、さあ、今からセレス様に問い詰めよう、とした時だった。


「猊下、失礼します!」


 突然、身なりのしっかりした初老の男性が入って来ました。

 教皇の家族と、今は女神セレス様と女神の使徒の僕までいるこの場所に、突然入って来るとは、よほど緊急の案件でもあったのかな?


「どうしましたか、ヘカステノ枢機卿?そんなに慌てて、何かありましたか?」


 何とこの男性、枢機卿の1人でしたよ。

 枢機卿とは、教皇を補佐する役職で、女神教における教皇の次に高い地位です。

 遥か過去に、教皇に次ぐ権力者である枢機卿が、その権力を使って盛大な汚職をしたことがあり、それからは1人だった枢機卿を5人に増やし、権限を分散しているそうです。

 このヘカステノ枢機卿は、その5人の内の1人、という事ですね。

 アステリア王国だと、カルナバル宰相みたいな役職だと、僕は解釈しています。

 いや、5人もいるから大臣かな?


「何かどころではありません。大変ですよ、猊下!街の外に・・・・」


 街の外?魔物でも現れたかな?

 ちょっと支配圏を広げて確認すると・・・・

 うわっ!?何だコレ!?


「大勢の人々が押しかけているのです!」

「それがどうかしたの?いつもの事じゃなですか?」

「それが、いつもの10倍以上の人数なのですよ!」

「10倍以上!?え、どうして!?」


 そう、支配圏を広げて確認したところ、街の外には大勢の人達が集まっていました。

 門番さん達が順次確認をして、問題なかった人から街に入れているんだけど、全く追い付いていないですね。

 さらに範囲を広げて確認してみると、ここセレスハートに向けて移動している人が、まだまだ沢山いますよ。

 彼らの話しを聞いていると、なるほど、原因が分かりましたよ。

 うん、僕のせいだ・・・


「それが、詳しいことはまだ分かっていないのです。先程私の所に、門番からの早馬が届きまして、とにかく大勢の人がいる、とのことです。しかも、東西南北全ての門に、同じくらいの人数が並んでいるようです。今、原因を調べていますので、もうしばらくお待ちください」

「まるで、聖誕祭の時のようだね?まさか、女神セレス様が御降臨されたことが広まったのかな?」


 フォルセシウス教皇とヘカステノ枢機卿が、ああかもこうかもと、それぞれの推論を述べている。

 どうしよう、教えるべきかな?


「2人共、落ち着きなさい。その原因に関しては、私の使徒であるレオナルドが調べ、分かったみたいですよ?」


 ヘカステノ枢機卿の前だからだろうか、女神モードの話し方に変わったセレス様が、僕に振って来た!?

 まあ、確かに特定は出来ているけど、どうして分かったんだろう?


「それは真でございますか、女神セレス様!?」

「ええ、本当です。レオナルドには『神眼』のスキルがあるので、遠く離れた場所を見聞きすることができるのですよ」


 さすがにユニークスキルである『空間支配』のことを言う訳にはいかず、代わりに遠くの場所を見ることが出来、さらにその場所の音まで聞くことが出来る『神眼』ということにしてくれたみたいですね。

 とは言っても、『神眼』もかなりのレアスキルなんですけどね?


「おお、あの伝説のスキルを習得されているとは、流石は女神の使徒様です。それではレオナルド聖下、お教え願えないでしょうか?」

「分かりました」


 女神様に振られてしまっては、答えるしかないでしょう。

 自分のやらかしたことが原因だから、言うのは気が重たいんですけどね?

 仕方ないか・・・


「多くの人がここ、セレスハートに集まっているのは、昨日の僕とピエナスの戦闘が原因です」

「え、どういうことですか、聖下?」


 くそっ、やっぱり詳しく聞いてきますか、ヘカステノ枢機卿!

 これだけで納得してくれるとは思ってはいませんでしたが、もしかしたら、なんて、淡い期待はありました・・・


「えっとですね?昨日、僕とピエナスがこのセレスハートの上空を飛び回りながら、魔法を撃ち合っていましたよね?」

「うん、なかなか激しい戦闘だったよね?」

「ええ、私を含め、この街にいた多くの人が、あの時はさすがに死を覚悟しましたよ」

「そうねぇ、いつあの攻撃魔法がこちらに飛んでくるか、内心怯えていましたからねぇ・・・生きた心地がしませんでしたよ・・・・」


 フォルセシウスさん、ヘカステノ枢機卿、マリアンヌさんが、その時の恐怖が蘇ったのか、少し体が震えている。

 あの時は、安全管理には相当気を遣っていたので、犠牲者は誰も出ていないはずだけど、そんな事を言っても今更なので、黙っておきますよ。


「その魔法の打ち合いなのですが、セレスハートの外から見ると、色取り取りの魔法が乱れ飛び、とても美しかったようで、きっと祭りでもやっているのだろうと思われたみたいです」

「なるほど・・・・ですが、それだけでここまでの人が集まるでしょうか?」


 ごもっともです、ヘカステノ枢機卿!

 もう1つ原因はあるんですよ。

 もちろんそれも、僕のせいですが・・・


「ええ、実はもう1つ原因があるのです。それは、ピエナスが空に浮いていた巨大火炎球を地上に落とそうとした時、それを吹き飛ばした僕の魔法です」

「それは、あの眩い光の柱の事かな?」

「そうです、フォルセシウス教皇。あの巨大な光線が、更に人々の好奇心を煽ってしまったみたいです」

「そうでしたか。確かにあの光は余りにも巨大で、まるで女神セレス様が降臨されたようでした・・・あ、いや、現に降臨されたことを考えると、あれは聖下が女神セレス様をお呼びになられた光りでしょうか?」

「いや、えっと、その・・・・凄く言い辛いのですが、あれはただの光魔法の『光線(フォトンレイ)』です・・・」


 僕にとっては、取りあえず火炎球を消せればいいや、程度の軽い気持ちで放った『光線(フォトンレイ)』が、セレス様召喚の魔法だと思われるのは、ちょっと恥ずかしいと言いますか、大げさすぎだろ、と言いますか・・・

 一応、訂正だけはさせてもらいましょう。


「あれが『光線(フォトンレイ)』ですと!?・・・流石は聖下。私達凡愚とはレベルが違いますね・・・」

「しかし、これで原因は分かったね。じゃあ、この後の対策だけど・・・・本当にお祭りやっちゃおうか?」


 フォルセシウスさんの提案に、最初は難色を示していたヘカステノ枢機卿だけど、理由を聞いて行く内に納得し、結局、お祭りをやることになってしまいましたよ。

 何でも、昨日はセレスハートがピエナスから解放され、それを成したのが本物の女神の使徒である僕で、さらに女神セレス様が降臨されたという、歴史的瞬間でもあったからだそうです。

 ピエナスはどうでもいいけど、女神セレス様と女神の使徒が同時にセレスハートを訪れた日であることから、昨日を記念日にしようと言う話まで出てきましたよ。

 それに元々、ピエナスが本物だと思っていた頃、セレスハートに到着した翌日には、街をあげての歓迎会をする予定だったとか。

 それを今日、今からやろう、という事で話がまとまりました。


「それでは私は準備に入ります。女神セレス様、レオナルド聖下、フォルセシウス教皇猊下、失礼いたします」


 そう言って、ヘカステノ枢機卿は食堂を出て行った。

 ああ、そうそう。

 どうしてヘカステノ枢機卿が僕の事を聖下と呼んでいるのかと言うと、それは僕が、と言うか、女神の使徒が、女神教においての最高位の人間だからです。

 普通なら聖下の敬称は、その宗教のトップである教皇に付けられるべきなんだけど、残念ながら、この宗教のトップは女神の使徒という事になっています。

 なので、本来なら枢機卿に付けられるはずの猊下を教皇に付け、枢機卿は閣下の敬称で呼ばれているそうです。


「では、私達も準備をしようか?」

「ええ、そうですね。内容は以前考えていた、女神の使徒様の歓迎会で良いのよね?」

「そうだよ。さあ、お前達も準備に取り掛かりなさい」

「「はい、父上」」

「はい、お父様」


 そう言って部屋を出ていくストラテラ家の皆さん。

 よし、じゃあ今の内にセレス様に聞きたいことを聞いておこうか?


「セレス様、聞きたいことが・・・」

「ほら、レオナルド君も行くよ?」

「・・・・え?」

「女神セレス様とキミには、パレードに出てもらうからね?何と言っても、本日の主役なのだから!」

「え、あの、僕はセレス様にお話しがあるんですが・・・」

「そんなの後後!さあ、忙しくなるよ~!」


 そう言われて僕は、食堂に入って来た執事ブラザーに連れられて、パレードの準備をさせられました・・・

 あ、そう言えばヴァンドさんとヘックスさん、他のレジスタンスの皆はどうしてるかな?

 後で時間が出来たら、手伝ってくれたことへのお礼を言いに行こう。

 ・・・・いつになるか分からないけどね?

 あ、セレス様はまだご飯を食べているよ。

 どんだけ食い意地はってんですか!?



 朝から急遽準備が始まった、この女神セレス様&女神の使徒歓迎会は、セレスハート全てを上げて行われることとなった。

 僕の存在は、一昨日の夜に偵察に来た時、各建物の扉に文を書いておいたため、すでに知れ渡っているようです。

 レジスタンスの皆さんが言い周ってくれた、と言うのもありますね。

 けど、セレス様の存在を知っているのは、あの時、城の中庭にいた限られた人だけ。

 なので、セレス様が降臨していることは、街にいるほぼ全員が知らない状態です。

 セレス様の存在は完全に隠した状態で、パレードに参加してもらうそうです。

 サプライズゲスト、みたいな感じですね。

 それにしても、皆セレス様を見て、本物のセレス様と分かるのかな?

 そう思ってフォルセシウスさんに聞いてみたら、


「女神セレス様からは、溢れんばかりの神々しいオーラが出ているからね。大丈夫、皆、目にした瞬間に悟るよ。あのお方が女神セレス様だ、とね。もうね、本能として理解できてしまうんだよ。私はそうだったよ?」


 とのことでした。

 遺伝子レベルでの刷り込みでもしてあるのかな?

 この後の予定なんですが、昼過ぎから僕とセレス様、それとストラテラ家全員が馬車に乗って街を周るそうです。

 で、その馬車なんだけど、セシリアとセレス様の強い希望により、僕が作った馬車に乗ることになりましたよ。

 セシリアは乗り心地が良かったから、セレス様は乗ってみたかったから、と言う理由であり、2人の熱弁を聞き、フォルセシウスさんとマリアンヌさんも乗りたいと言い出し、ならばとカシオスさんとキリウスさんも乗りたいと言い出したため、こうなりました。

 でもあの馬車、中からなら外は見えるんですけど、箱型だから外からは中が見えないんですよね。

 つまり、集まってくれた人たちに、顔を見せることが出来ないんですよ。

 と、説明したら、


「レオナルドなら、すぐに改造できるでしょ?やってよ」


 と、セレス様にサラッと言われてしまい、急いで改修する羽目になりましたよ。

 ちょっとイラッとしたんで、パレードの最中にピエナスの時間停止を解除して、ついでに起こして街に放ってやろうかと考えましたが、さすがにそれはダメだろうと理性が働いたので、我慢です。



 馬車の改造は、内部の空間をいじったりしていた関係で、無理と判断し、仕方ないので新しく作ることにしました。

 新しくとは言っても、以前、エドおじさんがアステリア国王に就任する時に贈ったオープンカーの試作として、馬車もいくつか作っていたので、それを流用しました。

 おかげで、何とか時間内に10人くらいが乗れる大きさの馬車が完成し、遂にパレードが始まりました。

 あ、もちろんこの馬車には、各種機能が取り付けられています。

 状態としては、エドおじさんに贈ったオープンカーの馬車版、とでも思ってください。

 御者はチェスカさんがしてくれます。

 この馬車、と言うか、僕の作った馬車の御者経験があるのが、この国ではチェスカさんしかいなかったからですね。

 チェスカさん、どうやら昨日は聖騎士の仲間に囲まれて、亡くなった仲間の分まで大いに騒いでいたみたいですね。

 余談ですが、後で聞いた話だと、騎士団長5人とそれぞれ1対1で戦い、その全てに勝利したとか。


「では、レオナルド聖下。出発の前に、女神セレス様への祈りをお願いします」

「はい?」


 さあ、パレードに出発だ!って時に、ヘカステノ枢機卿とは別の枢機卿、ムサカ枢機卿が声をかけてきました。

 で、その内容が、目の前に本物がいるのに、その女神様に祈ってくれって、何で?


「困惑されているようですね、聖下?これは、聖下が本物だと示すための儀式だと思ってください」

「ああ、そう言うことですか」


 つまり、僕が金色に光ることで、女神の使徒だと喧伝しろってことですね。

 僕は馬車の一番後ろ、他の責より1段高くなっている席に座っているセレス様に向かい、そして祈りを捧げた。

 その直後、またいつもの女神の間に、僕は立っていた。

誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです。

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