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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第3章 セレストメディエル聖教国編
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第97話 ご両親とお話し

「それで?セレス様は何しにここに来たんですか?」


 セレス様が降臨できた理由は分かったけど、肝心の目的が分からないままでした。

 口には出さないけど、この女神、ただ来ただけ、何てことはないよな?


「それは、この件の後始末ですよ。彼のような者を、そのまま野放しには出来ないでしょう?」


 彼とはそこで地面に転がっている、ピエナスの事でしょうね。

 確かに、このままコイツを放置していては、また何かやらかすこと間違いなしですからね。

 でも、それって態々セレス様がやる必要あるのかな?

 一番手っ取り早い方法は、このまま殺してしまうことだね。

 今ここにいる人達の中で、ピエナスを庇おうとする人はいないでしょうし、相当な恨みを買っているはずなので、下手に生かすよりも後腐れのない解決法だと思いますよ。

 他には、僕の『空間支配』を使って、ピエナスの『無属性魔法』を封じるとかかな?

 スキルを封じるのは結構大変っぽいけど、できなくはないですよ。

 うん、やっぱりセレス様が態々やらなくても、僕で何とでも出来るよね?

 きっと、僕がそんなことをか考えていたのを察したのでしょうね。


《レオナルド?たぶん言いたいことがあると思うんだけどさ、ちょ~っと黙っててもらえるかな?キミにいつもの調子で話されると、私の威厳がさ?分かるでしょ?》


 セレス様から念話が来ましたよ。

 仕方ないなあ。


《分かりましたよ。じゃあ、僕は話しを振られるまで黙っていますから、後はお願いしますね?》

《おお、ありがとうレオナルド!愛してる~!》

《そう言うのはいらないんで、ちゃっちゃと進めてください》

《・・・・・・はい》


 ひどく落ち込んだ様子の念話が返ってきましたが、そこにいるセレス様の表情には変化なし。

 って、この女神様、僕と念話で話しながら、普通にフォルセシウス教皇と話しているよ。

 器用ですね~。


「それでは、女神セレス様自らが、このピエナスを処罰されるのですか?」

「ええ、そうです。この者は非常に高いステータスに加え、『無属性魔法』まで習得しています。もしこの者が、そこのレオナルドのように野心が一切なければ、そのまま開放しても良いと思っていたのです。ですが、見て分かったと思いますが、この者は邪心だらけなのです。なら、普通の人の手に余るこの危険人物は、私が預かった方が安全でしょう?」

「ええ、おっしゃる通りです。ですが、このような些事に、女神セレス様のお手を煩わせるなど・・・」

「構いません。今回の件は、事前に察知できなかった私にも責任があります。もっと早く気付けていれば、動けなかった私に代わり、このレオナルドを派遣して解決できたのです。なので、この者に関しては、私が責任を持って預からせてもらいます」

「女神セレス様に、責任を押し付けてしまうようで心苦しいですが、確かに私達では、このピエナスを捕らえておくのは無理そうですね。それでは、申し訳ありませんが、お願いしてしまっても宜しいでしょうか?」

「ええ、任せてください」


 などと、ピエナスの処遇に関して話していたみたいで、結局、ピエナスの身柄はセレス様が預かることになったようです。

 きっと女神教としては、女神の使徒を騙り、セレスハートを乗っ取り、国民や聖騎士に多大な被害をもたらしたピエナスを、今の内に殺したかったに違いない。

 恩赦を与えた所で、コイツがまた同じことをしないとは限らないし、今の所、僕以外にコイツを止められる者がいないからね。

 けど、女神教が崇拝する神である、女神セレス様がそう言ったのなら、彼らに逆らうことは出来ない。

 いや、女神セレス様がそう言うなら、と、あっさり了承してしまっているから、逆らう必要もないのかな?

 きっと、神である女神セレス様のすることは絶対だ、的な考えなのかもしれないですね。

 けど、僕だけはまだ油断が出来ない。

 なぜなら、きっとこの後、セレス様に頼まれるからだ。

 ピエナスをどうにかしておいて、と。

 ほぼ確実にそうなるだろうから、今の内に対策を考えておきますか。



 その後、セレス様はこの場に集まった人々、というか、女神教の信徒1人1人と挨拶を交わし、いくつか話しをし終え、女神城の中に通されていた。

 もちろん、僕も一緒です。

 今はあの場は解散となり、街の復興とか、被害状況の確認とか、ピエナスに従っていた連中の逮捕とか、その他にもやることが色々ある為、各自が成すべきことを成しに行動をしてくれています。

 あ、捕らわれていた聖騎士達は、実は昨晩の内に全員治療したおいたので、全員元気です。

 今は、街中にいるレジスタンスの皆と合流して、なんちゃって騎士の捕縛や、魔物の死骸の片付けをしていますよ。

 ついでにピエナスは、目を覚まされても面倒なので、セレス様の提案により時間を止めて放置してあります。

 ピエナスの時間を止めてしまえば、解除するまでそのまま眠り続けてくれますからね。

 今僕らがいるのは、この女神城の中でも、一番いい応接室です。

 ここは、各国の王達が来た時のみ使われる部屋で、内装がとても豪華です。

 僕の故郷である、アステリア王国の王城にあるどの応接室よりも豪華ですね。

 以前、空調設備を取り付けた時に、王城内にある全ての応接室に入って見ているので、間違いないですね。

 今この場にいるのは、僕とセレス様、それとストラテラ家の皆さんのみです。

 何の話をするのかな?と思っていたら、


「女神セレス様、お疲れ様でした。ここには私達だけしかおりませんので、楽にして頂いても大丈夫ですよ」


 え?どういう事?


「あ、そう?じゃあ、フォルセシウスの言葉に甘えるね?いや~あんな話し方したのは久しぶりだから、疲れちゃったよ」


 セレス様がいつもの口調に戻っている!?

 しかも、セレス様の口調がこうだという事を、フォルセシウス教皇はすでに知っていたみたいですよ。

 どうなってるの?


「ああ、レオナルド。キミが驚いている理由は分かっているよ。なに、簡単な話しさ。私は神託を、聖女であるセシリアにしているよね?その時もこんな口調でね。いつだったかな、セシリアが私の話しの仕方を家族に話してもいいかと聞かれ、了承したんだよ。だから、教皇の家族は、私の本来の話し方を良く知っているんだよ.」


 なるほどね、そう言う訳ですか。

 この事を知っているのは、この場にいるストラテラ家の人と、一部の使用人だけみたいです。

 あと、その使用人も、普通ならメイドや執事の所が、ここ女神教の総本山ではシスターとブラザーがやっているみたいです。

 正確には、メイドと執事として技能を持ったシスターとブラザーですね。

 どちらも修道服を着ていますよ。

 見た目が違うだけで、やっていることは同じです。


「それでは女神セレス様、何かしたいことは御座いますか?」

「美味しい物を食べたい!」

「かしこまりました。丁度昼時でもありますからね。すぐに用意させましょう」


 セレス様のズッコケそうな発言に対し、フォルセシウス教皇は微塵も動じず、食事の準備をするようにブラザーに声をかける。

 う~ん、ブラザーってどうもしっくり来ないから、執事と呼ぼう。

 そこからは、食事が出来るまでの間、セレス様を中心に会話が弾み、食事が出来たらそのまま食事会が始まりましたよ。

 うん、セレス様?もう少し丁寧に食べましょうね?

 口の周りは汚れているし、皿の周りには零れ落ちた食事が散乱している。

 すっごく注意したかったのですが、僕以外誰もそんな事を思っていなかったので、諦めました。

 女神教の信徒だからって、ここまでセレス様に寛容、と言うか、やること成すこと何でもOK、みたいな空気は止めませんか?

 この食事の間、セレス様と話せてご満悦のストラテラ家の皆さんと、美味しい物をたくさん食べられて満足のセレス様が盛り上がっている中、僕は1人、空気と化していました・・・

 なんでしょう、この感覚は?

 一言で言うならば、寂しいです。



 食事も終わり、お腹いっぱいになったセレス様が眠たそうにしていた為、セレス様が別室に案内されることになりました。

 けどその前に、僕にはどうしても聞いておきたいことがあるんですよ。


「セレス様、ちょっといいですか?」

「う~ん・・・後でもいい?」

「良くないので、今お願いします」


 この女神、このまま眠りそうな勢いだけど、そうはいきませんよ!

 僕が聞きたいこと、それは、ピエナスの今後の扱いと、僕のステータスについてです。

 あ、ピエナスはあのまま中庭に放置しても邪魔なので、今はここから10km上空に転移で運び、そのまま固定してあります。

 このままだと、ピエナスは僕に丸投げされそうだし、セレス様が降臨するのに使った20億の僕のステータスが、未だに返って来ていないので、そのことについて聞きたいんですよ。


「え~、眠いから後にしようよ~」

「ダメです!」

「まあまあ、レオナルド君」


 僕とセレス様の間に、フォルセシウス教皇が割って入り、次いでマリアンヌ大司教が僕の後ろに立った。

 え、何これ?


「女神セレス様はお疲れのようだから、また明日でもいいでしょう?」

「いや、疲れたって、ただの食べ過ぎだと思いますけど?」

「まあまあ、ここは私に免じて、ね?」


 何言ってんだこのオッサン?とも思ったけど、仕方ない。

 他ならぬ教皇猊下の頼みだから、今は引き下がりましょう。


「分かりました。ではセレス様、後で時間を取ってもらいますからね?」

「うん・・・分かった・・・」


 本当に大丈夫か、この女神?目が覚めたら忘れてました、ってならないよね?

 もしくは、言ったっけ、そんなこと?とか。

 まあ、しっかり覚えていてくれることを期待しますか。


「では、マリアンヌ。女神セレス様を寝室にご案内してきてください」

「はい、アナタ。アナタの方こそ、しっかりお願いしますね?私もすぐに戻りますから」

「ああ、任せなさい」


 うん?この後、何かあるのかな?

 僕は、マリアンヌ大司教に連れられて食堂を出て行ったセレス様を見送ると、取りあえず街に行ってレジスタンスの皆と合流しようと思い、食堂を出ようとした。

 けど、


「まあまあ、待ちなさい、レオナルド君」

「はい?」


 振り返ると、そこには満面の笑顔を浮かべたフォルセシウス教皇がいた。

 なんだろう、この笑顔?すっごい不安になるんですけど?


「ああ、カシオスとキリウス、それにセシリアは部屋で休んでいなさい。色々とあって疲れただろう?明日からはガンガン働いてもらうから、今は休みなさい」

「え、しかし父上・・・」

「休みなさい、いいですね?」

「「はい・・・」」

「お父様、私はレオ君とお話がしたいんだけど・・・」

「それは夕食の後でも良いでしょう?今は休みなさい」

「・・・・はい」


 フォルセシウス教皇の、と言うか、父親としての有無を言わさぬ圧力に抗えず、3人が、次いで使用人も全員出て行ってしまった。

 つまり、今ここには、僕とフォルセシウス教皇の2人しかいない。


「え~っと、教皇猊下、これは?」

「ああ、すまないね。もうじきマリアンヌも来るから、少しだけ待っていてね?」

「はあ・・・」


 何があるんだろう?

 僕とフォルセシウス教皇猊下、それとこの後戻って来るマリアンヌ大司教の3人だけで、何かをするのかな?

 もしかして、今回の件でのお礼でも言われるのかな?

 そんなの別に良いのに。

 まあ、今はマリアンヌ大司教が戻るまで待ちましょうか。

 そして5分後、食堂に戻って来たマリアンヌ大司教とフォルセシウス教皇猊下の2人と、僕は今、向かい合って座っています。


「改めて自己紹介しよう。私がセシリアの父、フォルセシウス=ライバッハ=ストラテラです。このセレストメディエル聖教国の代表で、女神教の教皇を務めています」

「私はセシリアの母で、マリアンヌ=ストラテラと申します。女神教の大司教を務めております」


 初めにセシリアの、を強調して来たのが気になったけど、きっと子供の僕には、役職名から入るよりも、親だと名乗った方が通じやすいとの配慮だよね、きっと。

 では僕も、


「これはご丁寧にありがとうございます。僕はレオナルド=シオン=スティード。大陸北部の国、アステリア王国伯爵、グレン=シオン=スティードの次男で、女神セレス様に女神の使徒を任ぜられています」

「おお、やはりアステリア王国のスティード伯爵家でしかた。かの家の武名は、遠く離れたこの国にまで届いていますよ」

「え!?そうなんですか!?」


 これには正直驚きましたよ。

 だって、僕はこの国で何度か名乗っていますけど、誰も知らないみたいでしたからね。

 いや、政治に関わっている人にとっては、有名なのかもしれませんね。


「それはともかく・・・」


 あ、フォルセシウス教皇が話題を変えてきましたよ?

 きっと、ピエナスの件でのお礼を言われるんでしょうね。


「レオナルド君。ウチの1人娘とはどんな関係なんだい?」

「・・・・え?」

「やっぱり親としては、娘が好きな人の事は、気になってしまうのよ。もしあの子の片思いだったらどうしようかと・・・」

「キミはセシリアをどう思っているんだい?好きなのか?それとも嫌いなのか?ハッキリさせてもらえないだろうか?」

「あら?もしかしてだけど、レオナルド君は、ずっとセシリアと一緒にいたのかしら?そうだとすると・・・・どこまで行ったの?」

「マリアンヌ?どういう意味かな?」

「どういうも何も、若い男女がずっと寝食を共にしていたんでしょう?もしかしたら、もう色々とやることはやってしまったのでは、と思いまして」

「何!?それはまだ早すぎるぞ、レオナルド君!キミ達はまだ子供なんだから、もっと大きくなるまで待ちなさい!」


 え~っと・・・・

 状況を整理すると、今ここにいるのは女神教の教皇と大司教ではなく、セシリアの両親として、僕と話しをしているってことだよね?

 で、マリアンヌ大司教の言葉で、フォルセシウス教皇がヒートアップしている、と。


「落ち着いてください、教皇猊下。そんなことはしていませんよ」

「何!?それはつまり、私達の娘には、キミが手を出すほどの魅力がないと言いたいのか!?」

「アンタ今自分で言ったよね!?僕達はまだ子供ですよ!セシリアのことは好きだけど、手を出すとはする訳無いでしょう!?」

「あ、やっぱりセシリアの事は好きなのね?良かったわ」


 こんな会話から始まり、これから実に3時間という時間をかけ、僕がセシリアをどう思っているのか?逃走中のセシリアと合流してから今まで、どんな事をしていたのか?などを説明しましたよ。

 更にその後の3時間は、フォルセシウスさんとマリアンヌさんから、セシリアの過去の話しを聞いたり、僕の昔の話しをしたりで、盛り上がっていました。

 つまり、僕はこの2人に、セシリアの恋人として認められたようです。

 と、言うか、気に入られたみたいです。

 さすがにお義父さん、お義母さんと呼んでも良いんだよ?と言われた時は断り、さん付で呼ぶことで妥協してもらいました。

 その後夕食をまた皆で食べ、今度こそ起きて来たセレス様に聞こうと思っていたら、妙に嬉しそうなセシリアに手を引かれてセシリアの部屋へ行き、そのままこの部屋で寝ることになっていました・・・

 そして今、朝食を食べに集まった食堂にて、セレス様を見つけたので、今度こそ問い詰めてやろうと思っています!

誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです。

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