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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第3章 セレストメディエル聖教国編
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第96話 降臨

「ふあぁ~・・・・」


 僕は目を覚まし、大きなあくびをした。

 ここは、女神教の総本山であるセレストメディエル聖教国の首都、セレスハートの中心にそびえる城の中の一室です。

 ピエナスとの戦いから一夜明け、気持ちのいい朝を迎えられましたよ。

 昨日知ったんだけど、この城は女神城と呼ばれているそうです。

 どんんだけ女神推しなんですか、この国!?

 国はもちろん、街の名前にまで女神セレスの名を使い、城にまで女神と付けるなんて、やり過ぎじゃないですか!?

 この名を付けたのは過去の人なので、今更ツッコんだところでどうしようもないんですけどね。

 さて、と。

 僕が今いるのは、来客用に用意された部屋、ではありません。


「すぅ・・・すぅ・・・」


 昨日の戦いの後、フォルセシウス教皇とマリアンヌ大司教、つまり、セシリアの両親とたっぷり時間を使ったお話しをした結果、僕は2人に気に入られたみたいです。


「すぅ・・・すぅ・・・んっ」


 2人に気に入られた僕は、女神の使徒だという事もあってか、客室なんかに泊まらせるわけにはいかないと言われてしまい、この部屋に案内されたわけです。

 ではこの部屋はどこなのかと言いますと・・・


「んんっ・・・・ふぁぁ・・・あ、おはようレオ君」

「あ、ああ・・・おはよう、セシリア」


 セシリアの部屋です!

 今の状況を説明すると、僕とセシリアは同じベッドで寝ていました。

 僕が目を覚まし、あくびをしたのと体を起こしたことで、声と振動が伝わったのか、横で寝ていたセシリアも目を覚ました。

 こんな感じですね。

 別に朝チュンではないですからね?

 僕もセシリアも、まだ9歳の子供です。

 ただ同じベッドに入り、手を握って寝ただけですからね?

 その際、セシリアが期待を込めた目でこっちを見ていたのは、きっと気のせいだと思っています。

 普段は必ず扉の前で、不審者からセシリアを守るために寝ずの番をしている聖騎士がいなかったのは、きっと牢から解放されたばかりで疲れていたのだと信じています。


「いや~、こうして一緒に寝たのっていつ以来だったっけ?確か小学校5年生の頃、私が神楽家に泊まりに行った時以来じゃない?」

「あ~、そうだね。確かあの時以来だね」

「一緒にお風呂に入ったのも、あの時が最後だよね?」

「ブホッ!?」


 何を言い出すかな、コイツは!?

 ビックリしすぎて、吹き出してしまいましたよ!

 もし今が食事中だったら間違いなく、盛大に口に含んでいた物が吹っ飛んで行きましたよ。


「おま、何言ってんの!?」

「え?前世の思い出話し?」

「はぁ~・・・もういいや。目が完全に覚めちゃったから、起きるか?」

「うん、そうだね」


 この後、セシリアが僕の前で服を脱ごうとしたから慌てたり、着替えを持ってきたメイドさんならず、シスターにとても暖かい目で見られたりと、ただ起きて着替えただけなのに、疲れましたよ・・・



「さ~て、今日の朝ご飯は、な~にかな~♪」


 上機嫌のセシリアに連れられて、僕は食堂に向かっています。

 着替え終わった後、しばらく2人で話しをしていたら、朝食の用意が出来たと言われたので、セシリアに案内してもらっている最中です。

 まあ、昨日この女神城の中は一通り走り回って把握したので、食堂の場所は分かっているんですよね。

 ただ、セシリアが嬉しそうに案内してくれているので、大人しく付いて行っています。

 暫く歩き、食堂の扉の前に到着。

 横に控えていた執事っぽい人が扉を開けてくれて、僕らは中に入る。


「やあ、おはようセシリア、レオナルド君。よく眠れたかな?」


 中にはセシリアの父親であるフォルセシウス教皇と、母親であるマリアンヌさん、それと2人の兄、長男のカシオスさんと、次男のキリウスさんがいた。

 それともう1人、というかもう1柱とでも言うのかな?


「やあ、セシリアと我が使徒レオナルド!おはよう!もぐもぐ」


 女神セレス様がいた。

 セレス様、せめて話す時は、口の中の物を全て飲み込んでからにしましょうね?

 きっとこの女神様は、食べるか話すかどっちかにしろ、と言えば、間違いなく食べるを選ぶだろうけど。

 この女神様には、目上の者と言うのがいない為、誰に遠慮する必要がないからね。


「おはようございます、女神セレス様。それとお父様、お母様、お兄様も」

「フォルセシウス教皇猊下、マリアンヌ様、カシオス様、キリウス様、おはようございます」

「あ、レオナルド!もぐもぐ、私には挨拶してくれないの?もぐもぐ」

「食べるか話すか、どっちかにしてれませんか?お行儀が悪いですよ、セレス様」

「分かった。もぐもぐもぐ・・・」


 やっぱりだった・・・・

 さすがにこのやり取りは呆れられるだろう、と思って周りを見ると、


「はっはっはっ、どうやら女神セレス様は、我が家の朝食を大層気に入られたようですね?料理長にお伝えますよ。きっと、末代までの誇りになるでしょう!」

「女神セレス様。まだまだありますからね?好きなだけお食べ下さいな」

「もぐもぐもぐもぐ、ごっくん。うむ、ありがとう」

「おお、なんと勿体なきお言葉・・・」

「ええ、感謝をするのは私達の方ですよ、女神セレス様?私達は、貴女様の忠実な僕でございますれば」


 感動していますよ・・・・

 大丈夫か、この宗教?

 さて、どうして女神の間から出られないはずのセレス様がここにいるのかと言うと、それは昨日、ピエナスを倒した、と言うか、気絶させた所まで遡ります。



 ピエナスを倒した直後、僕は金色の光りに包まれた。

 え?何これ?もしかして、コイツが最後に何かしたとか?

 慌てて周りを見て、そして気付いた。

 この場にいた全員が、跪いて祈りのポーズを取っていることに。

 もしかして、僕が女神の使徒だから?でも、それならもっと早くやっていただろうに。

 あ、金色の光りに包まれているからかな?

 女神の使徒は、女神像に祈ると体が金色の光りに包まれるからね。 

 でもね、皆さん?恥ずかしいから止めてもらえませんかね?


「おお、女神セレス様・・・・!」

「まさか、生きてお会いできるとは・・・」

「嗚呼、今日はなんていう日だろうか?真の女神の使徒様が、このセレスハートを開放されただけでなく、本物の女神セレス様が降臨なされるとは!」


 ・・・・はい?

 女神セレス様が降臨した?何言ってんの、この人達?

 いや、さっきから僕の背後に何かがいるってことは、分かっているんですよ。

 背後から感じる、人ならざる存在の気配。

 この気配に、僕は覚えがあるんですよね。

 最初は5歳の頃で、最近だと今日の朝。

 正直に言って、後ろを振り返らずに、この場から全ステータスを総動員してでも逃げ出したいんですけど、それはやっちゃダメですよね?

 仕方なく、本当に仕方なく後ろを振り向くと、そこには予想通りの存在がいた。

 深い緑色をした、ふんわりウェーブのかかった長髪。

 服装はゆったりした白いローブ。

 違いは、いつも浮かべている人懐っこい笑顔ではなく、柔らかく微笑んでいる。

 そう、まるで女神像のように。

 え、誰コイツ?セレス様の偽物?


「人間達よ、我が子達よ。顔を上げてください」


 うん、声はセレス様と同じだから、やっぱり本物かなぁ?

 とか考えていたら、セレス様?の語りかけによって、多くの人が涙を流し始めましたよ!?

 え、何?どうしたんですか、皆さん!?

 あ、教皇様も泣いている。


「おお、まさか女神セレス様にお声をかけて頂けるとは・・・」

「もうこの世界に悔いはないわ・・・・私、もう死んでもいい・・・」

「女神セレス様の声・・・素敵だ・・・・」


 え、もしかしてこの人達、感動しているの?

 何で!?

 この女神、結構ポンコツですよ!?


「女神セレス様、何故あなた様はここ降臨されたのですか?」


 教皇様が、僕の、いや、皆の疑問を代表して聞いてくれましたよ。

 いや、そもそもだけど、どうして皆はコレが女神セレス様だって分かったんでしょう?

 確かに女神像とそっくりだけど、ただのそっくりさんかもしれないじゃないですか?


「それは、ここにいる私の使徒、レオナルド=シオン=スティードのおかげなのです」

「おおっ!使徒様のお力でしたか!?」

「え?僕何かやりましたっけ?」


 何か、僕以外の全員が女神の降臨に感動している中、1人だけ冷静でいるのって、居心地が悪いですね?

 それにしても、僕、本当に何にもしていないんですけど?


「レオナルド?私が以前話した、私が女神の間から出る条件は覚えていますか?」

「え~っと、確か20億のステータスが必要なんですよね?」

「そうです。20億のステータスを持った貴方のおかげで、私はこの地に降臨することが出来たのです」

「いやいや、何言っているんですか?僕のステータスは約8億ですよ?20億なんてありませんよ」


 僕は気付いていませんでしたが、この時、僕とセレス様の会話を聞いていた全員が思ったそうです。

 この女神の使徒、レオナルド=シオン=スティードには決して逆らわない、と。

 億越えのステータスとか言われても、普通は信じられない。

 たった今、ピエナスとの戦いで、圧倒的な力を見せつけられたにも関わらず、あれが億のステータスだとは思っていなかった。

 だが、他ならぬ女神セレス様がそう言っているのだ。

 女神教の信徒として、その言葉を疑うことはあり得ない。

 つまり、この2人の会話はどんなに信じ難い内容であっても、事実なのだ、と悟っていた。


「貴方は、自分の今のステータスを見ていますか?最後に見たのはいつですか?」

「最後に見たのは・・・・確かミコトさんに会う前でしたから・・・500日は見ていないですね、そう言えば」

「ならば、今確認してみなさい」

「え、まさか・・・」


 セレス様の言葉で、嫌な予感がした僕は、慌ててステータスを表示した。

 さあ、約500日ぶりのステータスは、コチラ!


名前:レオナルド=シオン=スティード

年齢:9歳

種族:人間

職業:スティード伯爵家次男

レベル:904

HP:1,458,731,296/1,458,731,296

MP:1,903,733,751/1,903,733,751

STR:1,392,957,035

ⅤIT:1,378,674,742

INT:1,466,993,585

MND:1,414,317,823

AGL:1,315,691,004

DEX:1,428,745,952


スキル

 空間支配ユニーク

 成長補正(極)(ユニーク)

 魔導具作成(極)(ユニーク)


称号

 女神の使徒


 え~っと、何、コレ?


「確認しましたね?それが、今の貴方のステータスです」

「いやいや、おかしいでしょコレ!?何ですか、14億って!?MPに至っては19億って、おかしすぎでしょう!?」


 何でこんなにレベルが、ステータスが上がってるの!?

 身に覚えがないんですけど!?

 混乱している僕に気付いたのか、セレス様が答えを教えてくれましたよ。


「レオナルド、貴方は龍王と会った後の1年以上、何をしていましたか?」

「ミコトさんと会った後?え~っと、ダストレア大樹海で遊び周っていましたね」

「その内容は?」

「そうですねぇ、ドライブして魔物を狩って、海で泳いで魔物を狩って、美味しい食材を求めて魔物を狩って・・・・あ」

「気付いたようですね?」


 そうだった。

 ミコトさんと遊びながら、相当な数の魔物、それも超級や厄災級を含めて、狩りまくっていたんだった。

 しかもミコトさんとどちらが多く、とか、どちらが大物を見つけるか、とかの勝負をしていたから、軽く万は魔物を狩っていたかも・・・・

 そして僕には『成長補正(極)』という、レベルアップに関してはチートオブチートと呼べるスキルがあります。

 だからか・・・・

 あれ、でもおかしくないか?


「けど、僕のステータスは20億には届いていませんよ?」


 そう、何度見ても、僕のステータスは20億を下回っている。

 なのに、セレス様が降臨している。

 どうして?


「レオナルド?貴方は自分の持っている称号を忘れてはいませんか?」

「称号って、それはセレス様が消しちゃったじゃないですか?」


 以前、レベルが300を超えた頃、僕のスキルと称号の獲得数多すぎて、面倒だからと言う理由で消されてしまったんですよね。


「あれは消したのではなく、見えなくしただけです」

「え、という事は?」

「ステータス補正がかかる称号は、しっかり機能しているのですよ。覚えていますか?貴方が一番最初に得た称号、『守リシ者』を」

「確か、心から何かを守りたいと願った時のみ、全てのステータスに2倍の補正がかかる、でしたっけ?あ、そういう事ですか」

「そうです。つまり、今貴方のステータスは2倍になっているのです」


 なるほど、納得しましたよ。

 しましたけど・・・・


「ちょっと強引すぎませんか?」

「気にしてはいけませんよ」


 強引すぎる自覚はあるみたいですね。

 それにしても、いつもと雰囲気と話し方が違うから、違和感しか感じないんですよね、この女神様。

 違和感と言うか、ちょっとキモいです。

 そんな僕とセレス様がやり取りをしている横で、完全に置いてけぼりになっている皆さんと、ずっと気絶したままのピエナスは、ただの景色と化していました。

誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです。

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