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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第3章 セレストメディエル聖教国編
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第95話 決着

 体の自由が戻り、難なくピエナスが放った炎から脱出した僕は、ピエナスの後を追おうとして、止めました。

 闘いを始める前に、先にやっておきたいことを片付けることにしました。

 やっておきたいこと、それは、この街全体に強力な防御結界を張る。

 これは生き物以外を保護する物で、要はこの後、僕とピエナスが戦った時に、街に被害が出ないようにする為の結界です。

 そんなこと出来るなら、初めからやっておけよ!

 と、ツッコまれてしまうかもしれませんが、今思いついたので、ご勘弁ください。

 なぜ生き物含めないのかと言いますと、大変だからです。

 1000人程度なら何とかなりますけど、それ以上となると、いくら僕でも難しいんですよ。

 だって生き物って、動きが不規則じゃないですか。

 空間を指定して、その範囲内にいる全てを、と言うのなら簡単なんですが、そうするとピエナスも含まれてしまうんですよね。

 だから、人に関する被害は僕が直接守るとして、殆ど動かない非生物に関しては、結界で保護しておきます。

 僕には、とっさの判断でやれることの引き出しが少ない。

 出来ることはいくらでもあるのに、それを有効活用できていないばかりか、後手に回ってしまい、思わぬ被害を受けてしまっている。

 今までは圧倒的なステータス頼りで戦っていた為、慢心していたのでしょうね。

 どんな状況であれ、慌てることなくゆっくり対処すれば自分は大丈夫だ、と。

 ずっと、ダストレア大樹海という超危険地帯の為に、周りに誰もいない場所で1人で旅をして来たが故の弊害、とでも言うのでしょうか?

 うん、今回の件を反省して、今後はもっと周りの人のことも気にして、精進しましょうか!

 とかやっていたら、下の方、つまりセシリアとピエナスの所で戦闘が始まっていた。

 どうやら近寄って来たピエナスに対し、セシリアが『聖光弾斉射(ホーリーテンペスト)』をぶっ放したみたいですね。

 あれは確かに強力な攻撃魔法ですが、ピエナス相手には大した効果は無いでしょうね。

 それにしても、防御結界を張っておいて良かったですよ。

 結構な数の流れ弾が、ピエナスを通り越して飛んで行っていますね。

 あの魔法、敵に当たりやすくする為に、多少着弾点がブレるようにしてあるんですよね。

 さすがに植物は生き物に分類されるので、木や草花が吹き飛んで行きますが、壁は無傷で済みましたよ。

 約1分間の斉射が終わった。

 あ、やっぱりピエナスには効いていなかったみたい。

 何事も無かったかのように、ピエナスがセシリアに近付いて行く。

 まあ、あんなことをされても、ピエナスがセシリアに危害を加えることは無いでしょう。

 現に今、普通に会話しているみたいですし、流石は幼女好きの変態野郎ですね。

 ・・・・・あれ?

 そう言えば僕、セシリアとピエナスが接触しないようにしていたんじゃなかったっけ?

 すっかり忘れていた・・・・

 ああっ!ピエナスがセシリアに結婚を迫っている!?

 よし、今すぐ助けに行こう!

 完全に僕のミスだけど、セシリアの危機を救いに行こう!

 さっき上空で戦っていた時に、アイツとの決着を付ければ良かっただけの話しだけど、都合の悪いことは忘れましょう。

 後でセシリアに怒られるかも知れないけど、そんな不確定な未来のことなんて無視しましょう。

 とか考えている内に、もうすぐ到着します。


「さあ、セシリア。私と一緒になりましょう」


 ピエナスが訳の分からない事をほざいている。


「嫌だ!私はアンタなんかと結ばれるために、この世界に生まれたんじゃない!」


 それに対し、セシリアが至極真っ当な事を言って返している。

 うんうん、そうだよね?お前はこんな変態野郎と、無理矢理結ばれたくないよね?

 よし、あの野郎を蹴っ飛ばしてやろう。

 それにしても、コイツと結ばれるためにこの世界に生まれたんじゃないって、


「そりゃそうだ」


 思っていたことを口にしたと同時に、目の前にいたピエナスを蹴っ飛ばしてやりましたよ。


「え?」

「があああああっ!?」


 僕に蹴っ飛ばされたピエナスは、城の中庭を囲っていた壁まで吹き飛び、防御結界により強化された壁に激突して、止まった。

 生きてるかな?ま、どうでもいいか?

 それよりも今は、


「ごめん、セシリア。遅くなった」


 セシリアに謝ることの方が先決だね。

 ここで誤ったのは、もちろん考えがあってのことです。

 この状況で謝っておけば、きっとセシリアに怒られないだろう、と。


「レオ、君?」

「うん?」

「怖かった・・・・気持ち悪かったよ~・・・」

「うおぉっ!?」


 よっぽど怖かった、と言うより気持ち悪かったのか、セシリアが泣きながら抱き着いて来た。

 意識をピエナスに集中していた為、予想外のセシリアの行動にビックリしてしまいましたよ。


「あ~、よしよし、もう大丈夫だからね~。だから泣かないでね~。あと離して~」

「ヒック・・・・うん・・・」


 僕に抱き着いて泣いていたセシリアが離れてくれたけど、今は周りからの視線が痛いです・・・

 特に、セシリアの家族からの視線が、何と言うか、まるで値踏みをしている商人の目に似ているので、ちょっと怖い・・・


「またか!またお前かーーーーっ!?」


 あ、ピエナスが復活した。

 いいタイミングですよ、変態野郎!

 今だけは感謝してあげます!

 これでこの視線から逃れられますよ。


「どうやってあそこから抜け出した!?お前は動けないはずだろう!?」

「どうって、自力でやったにに決まっているでしょう?」

「だから、どうやってだ!?」

「そんなのどうでもいいでしょう?さ、そろそろ決着を付けましょうよ。いい加減、貴方に付き合うのは疲れるんですよ」

「ふん、いいでしょう!また動きを封じ、今度こそ殺してあげますよ!」

「あ、それ無理ですよ?もう効きませんから」

「そんなハッタリには騙されませんよ!」

「あ~はいはい。じゃ、始まますよ?」

「ええ、かかって来なさぷぎゃっ!?」


 一瞬で距離を詰め、顔面をぶん殴ってやりましたよ。

 そしてまた吹っ飛ぶピエナス。

 が、今回は壁に激突する前に体勢を立て直し、足から着地した。


「相変わらず、卑怯な攻撃をする!」

「隙だらけでしたから、つい」

「ふん、それでは私の全力をお見せしますよ!覚悟はいいですか?」

「御託はいいから、いつでもどうぞ?」

「調子に乗るなあっ!」


 ピエナスは再び剣を取り出し、斬りかかって来た。

 それに対し、僕は居合抜きを放ち、ピエナスの腕を切り落とす。

 さっきもこれ、やらなかったっけ?

 と、思っていたら、ピエナスは腕を斬られながらもそのまま前に進み、僕の横を通り過ぎて行った。

 あ、しまった・・・


「ふふふ、油断しましたね?さあ、彼らの命が惜しければ、その剣を捨てなさい!」


 僕を素通りしたピエナスは、あろうことか人質を取った。

 人質にされたのは、比較的僕の近くにいた人だ。

 たぶん、なりふり構わず、適当な人選だったのだと思う。

 僕の近くにいた人、それはさっきまで僕に抱き着いていたセシリアと、そのセシリアを心配して近付いていた家族一同。

 つまりピエナスは、ストラテラ家の皆さんを人質にしてしまったのですよ!

 ついさっき、もう油断はしない、と決めたばかりなのに・・・・


「さあ、早く捨てなければ、1人殺しますよ!?」

「なあ、あんた。誰を人質にしているか、分かってる?」

「は?何を言って・・・・お義父さん!?」

「誰がお義父さんだ、女神の敵め!」


 今ピエナスが殺すと脅している人質は、女神教の最高位にいる教皇、フォルセシウス=ライバッハ=ストラテラだったりする。

 その横には、怯えまくっているセシリアも。

 あ、きっとアレ、心に傷を負っている。

 何と言うか、ごめんなさい・・・


「まあ、どうでもいいですね?さあ、お義父さんを殺されたくなければ、剣を捨てなさい!」

「はぁ~、やれやれ。これで良いですか?」


 しょうがないので、刀を鞘にしまい、ピエナスの方に投げる。

 刀はうまい具合にピエナスの足元に落ちました。


「素直でよろしい!後は、そうですねぇ。その見慣れない服も脱ぎなさい。その服も、キミの強さの秘密なんでしょう?」

「まあ、そうですね。分かりましたよ、ちょっと待っていてください」


 うん、嘘は言っていないですよ?

 僕は羽織を脱ぎ、袴を脱ぎ、着物を脱いだ。

 残ったのは半袖半ズボンのみ。

 ついでとばかりに、アクセサリーの類も全て外してある。


「ふふふ、いいですねぇ?これで、キミはさっきまでの強さは出せないでしょう?」

「そうですね。さっきとはステータスが比べ物にならないくらい変わっていますね。だから?」

「今のキミは、この攻撃に耐えることが出来ないのですよ!」


 そう言ったピエナスの周りに、火、水、風、土、光、闇の全6属性の魔法が現れる。

 それに込められた力とは、どれほどの物なのか?


「さあ、死になさい!」

「な、待て!?」


 とっさにフォルセシウス教皇猊下が止めようとしたけど、間に合わず、全ての魔法が僕に向けて放たれた。

 その後、またしても同じ魔法が現れ、放たれる。

 これを何度も何度も繰り返し、僕の周りには破壊の渦が巻き起こっている。


「ふふはははははっ!どうだ、レオナルド君!?私とセシリアの邪魔をするからこうなるのですよ!あーはっはっはっはっ!」


 魔法が止まり、徐々に破壊の渦が消えていく。

 そしてそこには、無傷のレオナルドが立っていた。


「・・・・・・・え?」

「いや、え?じゃなくて、僕にそんな攻撃が効く訳無いでしょう?」

「バカな・・・?」

「どうでもいいけど・・・」


 僕は一瞬で、それこそ瞬間移動の如き速度で移動し、ピエナスと教皇猊下&セシリアの間に割って入った。

 今の僕のステータスは、全てのステータスを抑制する魔導具を外しているため、100%の状態だったりします。

 億単位のAGLを用いて本気で動けば、この程度造作もないですね。

 あ、今までの反省を活かして、『空間支配』を使い、僕が移動しても被害が出ないようにしてあります。


「その人を開放してくれないかな?」

「な、いつの間に!?」


 う~ん、気のせいかな?距離が短い成果もしれないけど、以前ミコトさんと一緒に全力で移動した時より、早くなかったかな?

 まあ、いいや。


「く、ならば、これでどうです!?」


 ピエナスは僕が足元に放った刀を拾い、斬りかかって来た。

 うん、素人同然の斬り方ですね?

 僕も、実際に刀を振るうまで分からなかったのでけど、『剣術』では刀を振るえないみたいです。

 刀を振るうには、『刀術』というスキルが必要みたいです。

 僕は、この刀が出来てからちょっと練習をしただけで、『刀術』のスキルをゲット!

 今では『刀術(極)』へと、当然のようになっています。

 流石はチートスキル『成長補正(極)』ですね!

 で、ピエナスが放ったしょっぼい斬撃は、見事僕を捉えました。

 正確には、僕が動かなかったんですけどね?


「ふはははははっ!自分の剣で斬られる感想はどうですか!?」

「別に?痛くも何ともないですが?」

「何っ!?」


 ピエナスにはもちろん説明していませんが、この刀、自分のSTRが1/10~1/10000にする効果があるんですよね。

 で、今は無調整の状態だから、STRが1/10000になっている訳です。

 つまりピエナスは、STR約1000で、VIT約8億の僕に攻撃した訳です。

 ダメージ?もちろんありませんよ?


「な、なぜだ!?どうして斬れない!?」

「さあ、どうしてでしょうね?今から倒される貴方には、どうでもいいことでしょう?」

「ひっ!?く、来るな!」


 先程の事を思い出したのでしょうね。

 ピエナスが僕の動きを封じようと、さっきと同じことをしてくる。

 けど、もう対策済みなんですよね?

 もう僕には、『無属性魔法』は効きませんよ。


「なぜだ!?なぜ動ける!?さっきは・・・」

「実は僕も『無属性魔法』を使えるんですよ。もう、僕にはあなたの『無属性魔法』は効きません」


 本当は『空間支配』という、『無属性魔法』の上位互換なんですけど、説明が面倒なのでそう言いました。


「何だと!?・・・・・・ならば、アレをここに落とすまでだ!」


 アレとは、僕に向けて放たれ、今は上空に浮かんだままになっていた巨大火炎球のことですね。

 あんなのがここに落ちれば、僕はともかく、他の人達が全員死んでしまうでしょうね。

 おそらく、セシリアも。

 ま、そんなことさせませんけど。


「それは無理ですよ?」


 そう言って僕は、地上に向かって落ちてきている火炎球に向かって手を伸ばし、光魔法を放つ。

 使用したのは一般的な光魔法である『光線(フォトンレイ)』だけど、ステータス全開の僕が撃つとどうなるかと言うと・・・・

 僕の手から放たれたのは、このセレスハートの直径の半分もの大きさの、極太ビームだった。

 その巨大な光は、一瞬にしてピエナスの火炎球を消し去り、そのまま天を貫く。

 その光は1本の光りの柱となり、セレストメディエル聖教国全土はもちろん、近隣諸国からも見られた。

 あ、街に被害は無いですよ?

 事前に張っておいた防御結界のおかげで、どこかが壊れると言ったことは無かったです。

 光の柱が消えた後、そこには戦意を喪失したピエナスが立っていた。


「ば、バカな・・・・桁が、違い過ぎる・・・・」


 この光景を見たピエナスは、愕然としていた。

 そして悟ってしまった。

 自分では、この少年には決して敵わない、と。


「じゃあ、もういいですね?では、行きますよ!」


 そんなピエナスに向けて、僕は拳を振り上げる。

 全てのステータスを開放し、ついでに殺気を全開にして放った拳は、しかしピエナスに当たる前に止めた。

 余りにも桁違いな殺気を受け、死を悟ったピエナスは、その恐怖に耐え切れずに失神していました。

 ここに、女神の使徒を騙り、9歳のセシリアに求婚した32歳のピエナスは、倒れた。

 そしてピエナスを倒した僕は、なぜか金色の光りに包まれていて、さらになぜか、それを見た周りにいた人達が跪いていました。

 ・・・・・何で?

誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです。

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