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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第1章 アステリア王国 幼少期編
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第9話 これでお披露目会もバッチリさ!まだ3年も先だけどね

 僕は先日2歳になった。歩けることが分かってから、僕は屋敷の中を自由に歩いても良いと、お父様から許可が出た。さすがに屋敷内であっても、1人で行動することはまだ、許されておらず、基本的にはヒルデが、たまにコレットが一緒に付いてくる。


 この半年間は、とにかく知識を得ることに集中した。書庫に行き、最初は面白そうな本を選んでいたが、途中から選ぶのが面倒になり、本棚の端から順に読むようになった。

 INTが3000越えのせいか、どんどん知識を吸収していき、読むペースも早くなっていく。読み始めた頃は、知らない世界だったせいもあり、分からないことをヒルデに聞きながら読んでいた。なのっで、2日に1冊程度のペースだったのが、今では1日10冊以上のペースで読めている。

 紙が貴重なこの世界で、これだけたくさんの本があるのは、スティード家当主が代々、本を集めてきたからである。古いのは150年近く前のだったが、保存状態は良好だった。何でもこの書庫には、中にある物の品質を保持する効果のある魔導具を使っているらしく、経年劣化が殆どない。また、集めるだけ集めた割には、誰も読んでいないから、というのも理由らしい。一番利用しているのは、スティード家に嫁いできた夫人だそうだ。男は、本を読むより、鍛錬に時間を使っていたらしい。どんだけ脳筋なんだ、この一族!


 誤解がないように言っておくけど、スティード家は決してバカではない。現当主のお父様も、領地経営や他の貴族との付き合いに等に関しては、むしろ切れ者に分類されるほどだ。ただ、最終的には腕力でどうにかしてしまう、という暴挙に出てしまうらしい。それも先祖代々。その力任せに解決したことのアフターケアで、周りを納得させられるだけの頭脳を有しているのだ。

 なぜだろう?こう、説明してみると、スティード家って、かなり厄介じゃないか?

 よし、深く考えるのは止めよう!


 話しを戻して、本を集めているのは、手元に本があるだけで知識を得たつもりになれる、という、まさに本を読む気が全くない、というのが全力で伝わってくる理由だった。高いんでしょ?この世界の本ってさ!?


 まあ、脳筋一家のスティード家へのツッコみはこのくらいにして、収穫は大いにあった。まず、僕が先日習得した鑑定スキル。これ、持っているのがバレると、とんでもないことになる。

 他人のステータスを除く行為は、原則として禁止されている。公表されているのを知るのは問題ないが、勝手に見るのは、プライバシーの侵害にあたる。なので、鑑定スキルを持っていると、国に管理されることになってしまう。つまり、必要な時だけ呼ばれ、それ以外の時は、監視されて自由が無い生活を送らなければならない。と、いう訳で、僕はあれから誰のステータスも見ていません。バレないようにするのに、必死です。だって、バレたら面倒なことになりそうじゃないですか。


 ステータス隠すことについては、隠蔽、のスキルでどうにか出来るようだ。この隠蔽は、ステータスを隠すことが出来きる。例えば530の5を隠して、30にすることが出来き、鑑定されても30と表示される。隠すだけなので、実際にはステータスに変化はないが、鑑定スキルや鑑定石で見られたときに役に立つ。普通に考えて、自分のステータスを低くするために数値を隠す人はそうそういないだろうけど。


 そしてその上位互換と呼ばれているのが、改竄。これはステータスを自由に書き換えることが出来る。いくら書き換えたところで、元の数値に変化は無いのだが、実はこのスキルには特殊能力がある。

 それは、10分間限定で、本来のステータスの数値を5倍まで実際に改竄でき、反映させることが出来る。10分間限定で、自分のステータスを5倍にできる。おいしい話しに聞こえるが、当然リスクもある。それは、次に使用できるまでのクールタイムが1年もあることと、その1年間はステータスが1/10になる、ということだ。まあ、何の努力もせずに、それだけの力を得る代償としては妥当かもしれないけど、命の危機でもない限り、そんなのを使う人は普通いないだろう。そもそも使い手自体が希少らしいし。

 で、僕は支配圏を展開させながら、もしかしたら出来るかも?という淡い期待を込めてステータスを開き、数値をいじろうと試してみたところ、あっさり取得してしまいました。

 チョロすぎるでしょ!?こんな簡単に取得出来ていいの?


 と、いう訳で、お披露目会で見せるステータスに関しては、これで良し!スキルと称号はどうするかって?それこそ問題なし!なぜなら、鑑定石、鑑定スキルでは、スキルと称号までは見えないからだ!

 以前、鑑定スキルを取得した時に見た、メルト兄様とヒルデのステータスに、スキルと称号が無いのが気になっていた。称号は持っている人はごく僅かで、無くて当然だが、スキルは誰でも、最低1つは持っている物らしい。しかし、鑑定スキルに関する文章を読み、実際に自分で見たことで、納得できた。

 更にもう一つ紹介する。手加減、のスキルも習得しました。これは、自身のステータスを、数値~1まで、自由に下げることが出来るスキルである。ただし、これ単品だと、鑑定された場合、本来の数値が出てしまうので、僕にとっては意味がない。

 改竄と手加減。この2つのスキルを合わせることにより、僕は、ステータス上は普通の人として生活が出来るのである。

 はいそこ、問題だらけじゃないか、とか言わない。自覚はしてるんですよ。これでも。簡単にスキルを取得出来ている事とか、特に体を鍛えていないのにレベルが上がっていく事とか、どんなに控えめに言っても、異常ですよ。

 それでも、出来る限り普通に見せるように努力しているんです。本格的に体を鍛え、強くなるのは、5歳になり、お披露目が終わってからの予定なので、とにかく今は知識を詰め込めるだけ、詰め込んでいます。

 今のステータスがどうかと言うと


名前:レオナルド=シオン=スティード

年齢:2歳

種族:人間

職業:スティード伯爵家次男

レベル:22

HP:3042/3042

MP:3561/3561

STR:2856

ⅤIT:2559

INT:4125

MND:3227

AGL:1350

DEX:1742


スキル

言語理解

速読(中)

空間支配ユニーク

 鑑定 隠蔽 改竄 手加減

魔導具作成(極)(ユニーク)

成長補正(極)(ユニーク)


称号

守リシ者

空間ヲ支配スル者

知識ノ探究者


となっている。

 何となく分かってきたことは、速読(中)のように普通に努力して(したっけ?)手に入ったスキルは、スキル欄に表示され、空間支配を使用して、欲しいと思って習得(と呼んでいいのか?)したスキルは、空間支配の下、というか内部に表示されるらしい。そういうことならば、空間支配と同時発動させないとスキルが使えない事の説明ができる。


 予想以上に早く、お披露目でのステータスのごまかしの方法が完成した。ふぅ~。これでお披露目会もバッチリだね!まだ3年も時間はあるけども・・・

 そして僕が2歳ということは、メルト兄様が5歳になったということだ。

 そう、今年はメルト兄様のお披露目会がある。どんな感じなのか、下見ができるということですよ。次男で良かった!

 そのお披露目は、来月開催となっている。てっきり、メルト兄様が5歳になったと同時にお披露目するものだと思っていたら、決められた日に、周辺の貴族が集まって、お披露目会をするのが恒例とのことだった。ヒルデから聞いた話では、そんなことを言ってはいなかったんだけど、ヒルデと一緒にいる時にお披露目会の話しを聞いていたら、「え、そうなんですか?」とか言っていたので、単に知らなかっただけらしい。


 場所は、アイゼン侯爵が治めるフレテクスの街で行うらしい。何でも鑑定石は貴重で、このアステリア王国には10個しかなく、王家と侯爵以上の貴族で厳重に管理されているとのこと。なので、王都を除いた、東西南北で分割し、更にそこから半分に分けた8つの地域で、毎年まとめて行うことになっている。

 会場となるのは、その地域で一番爵位が高い貴族が治める領地と決まっている。これは、貴族のプライドというか、見栄を考慮してのことである。貴族というのは、諸々の理由により取り潰しになったり、陞爵したりで、序列が度々変動するため、毎年同じ領地で開催されるとは限らない。まあ、侯爵と公爵はよほどのことが起こらない限り、取り潰しになることなんてないそうだ。侯爵と同等の爵位である辺境伯は、その性質上他国や魔物と戦うことが多いため、偶に家が変わることがあるという。

 今回の会場となるアイゼン領は、スティード領から見て、北に2つ隣の領地であり、馬車による移動で、2日で着くらしい。スティード領とアイゼン領に挟まれているのが、クローク男爵が治める、クローク領である。実はお母様、クリスティーナの実家だったりする。なので、行きと帰りにお母様の実家があるクローク領のカルファの街にも滞在することになっている。


 ここで1つお知らせがあります。実は、僕に妹が出来ました!正確にはジェシー母様が生んだので異母妹だけど、もう可愛くて仕方がない!

 名前はアナスタシア。愛称はアン。3人目にして初めての、お父様と同じ金髪碧眼。生後2か月です。メルト兄様が、異母弟の僕を気に入ってくれていた理由が分かるってもんですよ。可愛いです。毎日会いにメルト兄様と一緒に部屋に行っては、ヒルデとスクルドにしょうがないな、というような表情で見られている。別に妹萌えとかではなく、純粋に赤ちゃんは可愛いのです!

 さてここで問題が。メルト兄様のお披露目会だから、当然ジェシー母様も一緒に行く。お母様も、実家に寄ることになっているから、当然一緒に行く。僕も、血の繋がった孫を祖父、祖母に見せるために当然行く。じゃあ、アンは?さすがに生後2か月の赤ちゃんを連れての長距離移動はよろしくない。どうするのだろう、と思っていたら、なんと!うちのメイドには乳母までいました!

 という訳で、アンにはお留守番してもらい、お父様、ジェシー母様、メルト兄様、お母様、僕の5人と護衛の騎士20人で行く事になりました。

 護衛の騎士はどこから来たかって?もちろんスティード領からです。家の中には騎士はいませんが、家を囲む壁の上や入り口、ノーティスの街の中には当然騎士たちがいます。

 この騎士たちが、以前父と一緒に、近隣に現れた魔物を討伐したりしています。スティード家が有数の騎士の家系の為か、その騎士たちもなかなかの実力者揃いだということです。残念ながら、今まで家から出たことがないので、1回も見たことが無いんですけどね。

 そう、実は、このお披露目会が記念すべき、わたくしレオナルド=シオン=スティードの、初めてのお出かけだったりするのです!

 家を囲む壁は、当然のことのように家よりも高く、壁の外を見ることが出来ず。家から壁まで、無駄に距離があり、支配圏の外。その距離なんと50メートル。外敵が侵入した場合、余裕を持って対応しやすいように距離をあえてとっているのだとか。MAPでは確認することができても、所詮MAPでは詳しいことが一切分からない。

 だから、このお出かけには、まだかまだかと、その日が来るのを楽しみにしています!

 そんなお披露目会出発まで残り5日となった時、ある男が家にやってきた。


誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたら、ご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで、面白い、と思って頂けたら幸いです。

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