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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第3章 セレストメディエル聖教国編
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第89話 ピエナスの歪み

「そして私は、セシリアを伴侶に迎えるためにここまで来た!なのに、なのにだ!私の嫁はすでに、この地から離れたというではないか!なぜだ!?」

「なぜって、女神セレス様から神託があったからでしょう?貴方が偽物だって。だから逃げたんですよ」


 聞きたくもないピエナスの過去話を聞かされ、正直疲れ果てていましたが、さすがにセシリアを嫁とかほざいたのには我慢できず、ついつい口を挟んでしまいましたよ。

 だってさあ?ピエナスに目的を聞いた時に、すでにコイツが子供にしか興味を持てない変態だと分かっていたんですよ?

 そんなヤツの過去話なんて、まともに聞きたいわけないでしょう?

 案の定コイツの話しの中では、随所に子供との思い出が語られ、その時の恍惚とした表情は、悪い意味で忘れられませんよ。

 セシリアを連れて来なくて、本当に良かった。

 グッジョブ、僕!よくやったね!



 時は少し戻り、セシリアの部屋でピエナスと初めて話しをした時の事、


「貴方の目的って何ですか?どうして女神の使徒を名乗っているんですか?」

「ええ、それはですね、私が長い年月をかけて探し求めて来た理想の女性を、私の妻に迎える為ですよ」

「えっと、どういう事ですか?」

「私はね、今までず~っと独身だったんですよ。その理由は、私に相応しい女性がいなかったからなんです。いないならば作ろうと思い、いろいろやっては見たのですが、結局徒労に終わってしまいました」

「はあ・・・」


 作ろうと思った?それって、自分にとっての理想の女性をってこと?

 え?どうやって?もしかして、人体改造とか?


「ですが遂に、私は見つけたのですよ!」


 あ、こっちが考えている間に、この人どんどん話しを進めているよ。

 いや、こっちから聞いておきながら、話の途中で考え事をする方が失礼でしたね。

 申し訳ありません。


「私にとって、理想の女性を!この世に舞い降りた天使、セシリア=ストラテラを!」

「あ゛?」


 今なんつった、このオッサン?

 セシリアって言ったか?

 待て待て、落ち着くんだ僕。

 今、このオッサンは何の話しをしていたっけ?

 確か、ここセレスハートには、自分の妻となる女性を迎えに来た。

 コイツは今まで、自分に相応しい女性が見つからず、見つからないなら作ろうとしたけど、成功しなかった。

 で、ここで見つけたっていう理想の女性が、セシリアだったと。

 30代前半のおっさんが、9歳の女の子を妻に迎えに来た、と?

 犯罪でしょ、ソレ!?

 いやいや、落ち着くんだ、僕。

 聞き間違いかも知れない。

 もしかしたら、フォルセシウス教皇の妻、つまりセシリアのお母さんである、マリアンヌ=ストラテラと言い間違えただけかもしれないですしね?

 人妻と結婚しようとするなど、それも決してよろしくない事ではあるが、セシリアよりは現実味があるよね?

 セシリアとチェスカさんから聞いた話だと、マリアンヌさんは慈愛に満ちた、聖母のような女性らしいからね。

 うん、きっとそうだ。

 全く、人妻に手を出そうとは、何たることでしょう。


「あの純真無垢な顔!抱きしめてあげたくなる小さな体!体から溢れだす神々しいまでのオーラ!もう、あの見た目は、私にとってのまさに理想の女性でしたよ!セシリアはまだ9歳です。あの天使が13歳を超えて、醜い老女になってしまう前に私達が出会えたのは、まさに僥倖!まさに奇跡!この時ばかりは、女神セレスに感謝したものです!」


 やっぱりセシリアだったー!?

 年齢も言っているし、体の大きさについても言っているから、もう間違いないでしょう。

 確かにコイツがセシリアに執着していたのは知っていますよ?

 態々多額の賞金をかけ、必ず生け捕りにしろ、何てお触れを出したくらいだからね。

 ああ・・・セレス様の当たってほしくない予想が当たってしまいましたよ・・・


「なので私は、手っ取り早くセシリアと結ばれるため、女神の使徒になったのですよ」


 手っ取り早いから女神の使徒になったって、何その発想?

 いや、セシリアの話しでは、聖女である自分は、6000年振りに現れた女神の使徒と結婚することを周りから望まれている、って言っていたような?

 それなら、セシリアと結婚する為に女神の使徒になるのは、合理的なのだろうね。

 偽物でなければ。


「しかし、どうして女性は成長を続けてしまうのだろうか?どうせなら、世界中から13歳以上の醜い年増はいなくなってしまえばいいのに。そう思いませんか?」

「いえ、微塵も思いません・・・」


 こいつ、ヤバい!

 真正のペドフィリアだ!

 しかも発想が危険すぎる。

 普通はそんな事、思っていても実行はしないでしょう。

 けどコイツは違う。

 すでに実行しているし、それを成すだけの力まである。

 さらに、13歳以上の女性がいなくなればいいって、どんだけですか!?


「そうですか?まあ、キミはまだ子供だから、この思いは分からないかな?でも安心しなさい。キミがもっと大きくなったら、必ず分かるからね!」


 んなわけあるか!と叫びたいところだったけど、この手合いとは話すだけ無駄なので、無視することにしました。

 それにしてもコイツ、ヤバすぎる。

 もしコイツが女神教の教皇になってしまったら、潜在的にコイツと同じ性的嗜好を持つ男が同調し、とんでもないことをやらかしてしまうかも知れない。

 もしかしたら本当に、13歳以上の女性を抹消したり、13歳以上に成長しないようにする研究とかを始めてしまうかも?

 白い雪のようなお姫様のお話しに出てくる王子のように、王族にそういうのがいる可能性もある。

 そんなのがコイツと手を組んでしまったら、この世界はどうなってしまうだろうか?

 と、言うのは考え過ぎだとは思うけど、世の為に人の為、コイツはここで絶対に倒す、と心に決めましたよ。

 場合によっては、この世から退場してもらうかもしれませんが、それは状況次第という事で。



 というやり取りをしたわけです。

 こんな変態が、自分を嫁にしようと狙っているとセシリアが知ったら、精神に傷を負ってしまうかもしれない。

 男の僕から見ても気持ち悪いんだから、その対象となる女性からしたら、その衝撃はどれ程の物だろうか?


「そう女神です!本当、余計な事をしてくれますよ!あれが余計な事をしなければ、私とセシリアはとっくに結ばれていたというのに!いや、もしかしてこれは女神の試練!?わざと私とセシリアを引き離し、2人の愛を試しているとか!?おお、女神よ・・・私はあなたを誤解していたのですね?」

.「そんな訳あるか!」


 ダメだ、このオッサン。

 ポジティブすぎるよ・・・


「さっきから聞いていると、セシリアがアンタと一緒になる事が決定されているようだけど、セシリアが拒むとは思わないの?」

「え?何故ですか?彼女は私が探し求めて来た、究極の女性なのですよ?私のこの熱い気持ちを、拒むわけないでしょう?それどころか、涙を流して喜ぶはずです!」


 ポジティブすぎる!

 いや、自分に都合の良い未来しか考えていないだけだろうけど、これは余りにも、ねえ?


「それにしてレオナルド君?キミはさっきから私に否定的だけど、何故だい?あ、もしかしてキミもセシリアを狙っているとか?それなら残念だけど、無駄だよ?なぜなら、私と君とでは、男としての魅力がまるで違うからね?そもそも、私以上に彼女を愛している者など、この世のどこにも存在しないのです!そんな私の愛に、キミが勝てるはずがないでしょう?」

「あのさ、ピエナス?一応言っておくけど、セシリアは僕の未来の奥さんだからね?」

「・・・・は?」


 前世での最期にセシリア、いや、雪乃と相思相愛だったことを知り、転生したこの世界で遂に出会えた。

 別に将来の約束はしていないけど、この流れだと僕らは結婚するだろうね。

 そんな僕の結婚相手を、こんな変態にくれてやる訳はないだろ?


「もしセシリアが欲しいなら、僕を倒さないといけないよ?」

「どういう、ことですか?」

「ああ、簡単な話しですよ。僕とセシリアは相思相愛で、そこに貴方如きが入り込む余地何か無い、ってことです。それに、僕は本物の女神の使徒ですからね。聖女と女神の使徒が結ばれることは、多くの人が望んでいるのでしょう?あ、もちろんお互いが大人に成長してから、の話しですけどね」


 ピエナスは、面白いくらいに表情が変化している。

 驚き、怒り、悲しみ、怒り、そして何かを思いつき、そして笑顔へ。


「ふふ、そうですか。私のやることに余計な手出しをしなければ、見逃してあげようと思っていたのですがね?」

「見逃す?貴方が僕を?なぜ?」

「さっきも言ったでしょう?私はかの伝説の魔法、『無属性魔法』が使える、と。キミに勝ち目はありませんよ、レオナルド君?」

「まだ戦ってすらいないのに、大した自信ですね?」

「自信?ははっ、キミはまだ子供だから、この魔法がどれだけ凄いのか分からないのですね?安心してください。キミが私の妻を狙う不届き者であると分かった以上、必ず殺して差し上げます。その時にこの魔法の力、お見せしますよ」

「妻って、まだ結婚もしていないでしょ?頭大丈夫ですか?変態さん?」

「その強がりも、ここまでです」


 城内を歩いていた僕らは城がら出て、今は聖騎士達の訓練場に出ていた。

 訓練場だけあって広く、戦うにはちょうどいい場所だとピエナスは判断したのでしょうね。

 その中央で僕とピエナスは向かい合っている。

 距離は約10mで、僕にとっては一瞬で間合いを詰められる距離ですね。


「さあ、お仕置きの時間です。覚悟してください!」


 さっきまでは柔らかい雰囲気を纏っていたピエナスから、殺気が膨れ上がった。

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