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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第3章 セレストメディエル聖教国編
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第87話 やっと対面

 ピエナスの居場所は、支配圏を展開しているので把握できています。

 そこは執務室でも、ましてや謁見の間でもない。

 ピエナスがいるのは、とある部屋の中。

 あ、どうして顔を知らないのに、アレがピエナスだと分かったかと言いますと、この部屋、外に5名の聖騎士だと思われる人がいるんですよ。

 この5名は、今まで出会ったなんちゃって聖騎士と違い、ビシッとしていますね。

 ピエナスの腹心でしょうか?

 そして、こいつ以外に護衛を何人も付けている人がいない為、消去法と、城中の会話を聞いて情報をまとめて、とかいろいろやったのを総合して、ピエナスだと断定しました。

 それで、そのピエナスがいる部屋なんだけど、中に置かれている家具や内装を考えると、子どもの部屋でしょう。

 それも女の子の。

 そして、この城の中を調べた限り、女の子の部屋と思われるのはここだけ。

 つまりピエナスは今、この城に住んでいる唯一の女の子である、セシリアの部屋にいる、という事になります。

 それが判明した時、僕が思ったのは、え、コイツそこで何やってんの?です。

 理由は分からないけど、ピエナスはセシリアの部屋で、ただ佇んでいます。

 何をするわけでもなく、立っているだけです。

 敵を倒そうと乗りこんだら、自分の部屋にいました、ってなったら、女の子としては気持ち悪いでしょう?

 セシリアの年齢はまだ9歳だけど、前世かも含めれば26歳になっているからね。

 きっと、いや絶対に嫌悪感を感じるに違いない。

 だからセシリアとは別行動をして、この光景を見せないようにしたわけです。

 ピエナスを排除したら、『空間支配』を使って部屋を綺麗にしてあげよう。

 この部屋にピエナスがいたという痕跡を、徹底的に排除しよう、と心に誓いました。

 城の中には、たくさんのなんちゃって聖騎士が詰めていて、中には外で戦った連中とは明らかに格が違うのもいましたが、僕には関係ないですね。

 全員平等に一瞬で行動不能にさせ、どんどん進みます。

 他にもたくさんの、この城で元々働いていたであろう人達にも会い、僕が聖騎士もどきを倒しているのを見て、味方だと判断してくれたのか、何人かが声をかけて来てくれました。

 僕はその人達に、これからピエナスと戦うのでこの城から避難することと、教皇様達を救出しにセシリアが戻って来ていることを伝えた。

 それを聞いた人達は、城を走り回って皆に声をかけ、教皇様達が幽閉されている尖塔に向かいましたよ。

 皆、セシリアの事が心配だったんですね。

 流石は聖女様、皆に愛されているようです。

 あ、僕はこの人達が無事に外に出られるように、片っ端から敵戦力を無力化しています。

 おかげで、ピエナスのいるセシリアの部屋には最後に行くことになりそうです。

 願わくば、その間にセシリアの部屋から移動していてもらえると有りがたい。

 お?

 そんな事をしている内に、上級街の入り口での戦いが、そろそろ終わりそうですね。

 それと、セシリアとチェスカさんが今、セシリアの家族が幽閉されている尖塔に到着し、護衛の聖騎士もどきと相対しましたね。

 セシリア達の後ろには、あの場にいた門番や司祭の他に、僕からセシリアが戻って来たことを聞いた人達が城から集まり、今は100名近くになっています。

 まだまだ増えそうですね。

 ほぼ全員が、手に何かしらの武器を持っているから、一緒に戦う気みたいですね。



 レオナルドと別れたレジスタンス達は、3人でチームを組んで、常に3対1になるようにして戦っていた。

 戦闘要員が約1000人いるので、3人組を100組作り、残りの約100名は状況に応じて加勢する、というスタイルで自称聖騎士と戦っていた。

 最初は100人程度しかいなかった敵は、時間と共に増援が来たため、その数は減っていない。

 が、増えてもいない。

 その理由は・・・・


「何だコイツ等!?3人で組んでかかって来たから雑魚だと思ったら、普通にツエェぞ!?」

「おい、早くフォローに入れ!このままじゃやられちまうぞ!?」

「うるせー!んなのテメェで何とかしろや!こっちもそれどころじゃねぇんだよ!」

「クソ共が!調子に乗ってんじゃぎゃああああっ!?」

「また1人やられたぞ!?どうなってんだコイツ等!?聖騎士共よりつえぇぞ!?」

「何故だ!俺達はピエナス様に選ばれた、いや、女神に選ばれた騎士だぞ!?どうしてこんな奴らに勝てねぇんだよ!?」


 レジスタンスの想定外の強さに、驚き、混乱している聖騎士のコスプレをしたチンピラども。

 それに対し、優位に戦闘を進めているレジスタンスは、


「オイオイ!?なんかいつもより俺、すっげぇ強いんだけど!?」

「俺、こんなこと出来たっけ!?」

「これ、もしかしなくても、1対1でも勝てんじぇね?」

「バカ野郎!油断すんなって言ってんだろ!?いいからそのまま、三人一組(スリーマンセル)を崩すんじゃねえぞ!?」

「まだまだ敵の増援が来ます!敵を倒したら一度下がり、傷の手当てを!絶対に全員生きて、またレオナルド様に会いますよ!」


 と、レジスタンスのリーダーであるヴァンドと、参謀であるヘックスが指揮を取り、1人も脱落しないようにしている。

 その結果、順調にチンピラどもを制圧し、余裕を持って敵増援を迎撃できている。

 なぜピエナスによって強化されていると言っていた騎士達に対し、レジスタンスがここまで余裕を持って戦えているのか?

 それは単に、レジスタンス全員にレオナルドがかけた、『女神の行進(マーチオブゴッデス)』の効果が高すぎるからだ。

 レオナルドにとっては、ステータスを少し上げた程度のバフであっても、それは億単位のステータスを持つレオナルドから見ての話し。

 この魔法は、ステータスをどの位上げるのかを細かく設定しているわけではなく、レオナルドの感覚で少し強くしよう、と、結構アバウトに強化されている。

 つまりレジスタンスは、レオナルドのアバウトな設定で強化されたため、ステータスが何と+4000になっていた。

 その結果、レジスタンスの全員が、そう、非戦闘要員を含めた全員が、並みの騎士団を遥かに上回るステータスを有している状態になっていた。

 そして、元々戦闘要員のレジスタンス達は、一国の騎士団長よりもステータスが高くなっていたりする。

 そんなのと3対1で戦っている聖騎士もどきには、この強化されたレジスタンス達に勝てるハズもなく、1人また1人と倒されてしまっている。

 そのことに焦った、未だに自分が聖騎士だと思い込んでいる可哀想なチンピラどもは、最低の行為に走ろうとした。


「くそっ!このままじゃ全滅だ!オイッ!そこら辺の家から適当に数人連れてこい!」

「おっ人質か?」

「そうだ!抵抗するなら、手足の1,2本程度斬っても構わねぇ!こいつ等への見せしめにしてやれ!」

「いいねえ、その方が俺達らしいな?うし、10人ばかし俺に付いて来い!適当に家を襲って、拉致ってくんぞ!」


 やっぱりこの連中、元々が盗賊や山賊と言った犯罪者のようだ。

 平気で、こんな卑怯な手を思いつき、嬉々として実行できる。

 そうして、10人ほどがこの場を離れ、手慣れた様子で民家に侵入しようとした。

 が、


「あっ!?どうなってやがる!?どの家も扉も窓も開かねえし、壁も壊れねぇ!?」

「どけっ!俺がやるっ!」


 筋骨隆々の大男が、手に持った大型の槌を振りかぶり、全身全霊を込めた一撃を家屋の壁に叩き込む。

 その結果、


「ぐわぁっ!?何でこれで壊れねぇんだよ!?てか、俺の武器の方が壊れちまったぞ!?」


 壁には傷1つ無く、大男が持ってきた槌の方が、その衝撃に耐えられずに折れてしまった。

 ついでに、この大男の腕は、その余りにも大きな衝撃によりしばらく使い物にならなくなっているのは、本人だけの秘密だ。


「クソがっ!何がどうなっていやがる!?」

「おいっ!奴らが来たぞ!」

「何!?クソ、もう勝ち目がねぇ!ズラかるぞ!」


 流石は元盗賊や山賊の出の者達だ。

 状況を理解し、逃げ時を弁えている。

 建物に隠れながら、レジスタンス達がいる場所を大きく迂回し、気付かれないように移動をする。

 だがこの後、彼らはミスを犯す。

 街の外まで逃げようとして中級街を走っていた時、セレスハートの住人を非難させているレジスタンス達を見つけてしまった。

 そのレジスタンス達は、手に武器は持っていても、明らかに非戦闘員であることが見て取れた。

 更には、先程人質に取ろうとして失敗した、セレスハートの住人までいる。

 ここでコイツ等を捕まえて人質にすれば、この不利な状況はひっくり返せる。

 そう判断したクズの集まりは、非戦闘員のレジスタンス達に襲い掛かった。

 もう一度説明しよう。

 レジスタンスの全員は、レオナルドの『女神の行進(マーチオブゴッデス)』により、ステータスが+4000になっている。

 つまり、この非戦闘員のレジスタンス達も、その恩恵を受けていた。

 だから、


「だから何で、コイツ等はこんなに強いんだよ!?」


 戦闘経験の差はあったが、クズ連中が10人に対して、レジスタンスは近くに100名はいた。

 そのレジスタンス達は、足元に落ちていた石を投げつて迎撃する。

 ステータスが+4000されている状態で。

 その結果、ただの投石がとんでもない威力なり、最低のゲス野郎どもに襲い掛かる。

 その圧倒的な数の優位が覆ることは無く、程なく全員倒せた。

 ただし、戦いに慣れていない人達が、身を守るために全力で投石をした結果、10名いた賊の内、7名が死亡、3名は重傷となったが、自業自得だろう。

 レジスタンスの被害は、戦いに慣れていなかったこともあり、敵の接近を許した数名がケガをしたが、いずれも軽傷。

 そして間もなく、全ての敵勢力を無力化したレジスタンスが勝利した。

 なぜ、建物の扉や窓が開かず、壁も壊れなかったのか?

 それは、昨晩セレスハートの偵察に出たレオナルドが、全ての建物に対し、中から出ることはできても、外から入ることが出来ないように結界を張ったからだ。

 もちろん、建物自体にも強力な防御結界を張ってある。

 ついでに、建物の入り口の扉には、


『明日早朝、本物の女神の使徒が聖女セシリアと仲間を引き連れて、この地にいる偽物の女神の使徒を倒しに現れる。この街は戦場になる為、本物の女神の使徒が連れて来るレジスタンスが声をかけるまで、決して外に出てはいけない。この街の建物には結界が張ってあり、出ることは出来ても、入る事は何人たりとて出来ない。不便をかけてすまないが、ここから出ないでいてもらいたい。女神の使徒より』


 と言う文字を、内側に書いてあります。

 もちろん、この全ては『空間支配』でやってあります。

 聖女セシリアの名前と、本物の女神の使徒と書いたせいか、何とか全員が従ってくれたようで何より。

 レオナルドは勢いでやっちゃったので、結構穴だらけのやり方だったけど、上手くいったようだ。

 教皇の救出に向かったセシリアとチェスカも、警備のなんちゃって聖騎士と、上空を飛んでいた魔物を2人で圧倒し、あっという間に制圧していた。

 今は、セシリアが家族との感動の再会をしている所だ。

 そして、それを見守っていた大勢の城に勤務している人達は、自分が目にした光景を信じられずにいた。

 なぜなら、聖女セシリアが、圧倒的な力で聖騎士もどきをなぎ倒し、空を飛ぶ魔物を撃ち落としていたのだから。

 全員、口を大きく開けて、固まっている。

 以上が、レオナルドが城内を周って敵を制圧していた間に起こっていたことだ。 



 城内を走り回り、遂に残す敵はピエナスとその護衛だけとなりました。

 護衛の騎士がこちらに気付く前に、一瞬で全員倒し、扉の前に立つ。

 さて、と。

 いよいよですよ。

 セレス様にこの国を救うように依頼され、偽物の女神の使徒がいる、と言う情報を得てからここまで来るのに、かなり時間が経ちました。

 本気を出せば、依頼されたその日に解決できたであろうこの件を、かなり寄り道をした結果、ここまで遅くなりました。

 結構反省しています。

 セシリアとチェスカさんを、調子に乗って修行なんかさせていたせいなんですよね・・・

 よし、過去を振り返っても戻ることはできないんだ!

 前を向いて、進もう!

 開き直っただけとも言えるけど、都合が悪いことは無視する主義です。

 さあ、扉を開けて、ピエナスをブチのめそう!

 気持ちを切り替え、扉を開ける。

 そこはやっぱり、女の子の部屋。

 そしてその中央に、30代前半くらいの、身なりのしっかりした清潔感のある男が立っている。


「おや?キミは誰かな?」

「初めまして。僕はレオナルド=シオン=スティードです。貴方がピエナスですか?」

「ええ、そうです。私が女神の使徒、ピエナスです。家名もあったのですが、女神の使徒になった時に捨てました。初めまして、レオナルド君。しかし、初対面の私をいきなり呼び捨てとは感心しませんね?相手には、ちゃんと敬意を払わなければいけませんよ?」


 そう言って、柔らかく微笑む。

 う~ん・・・・想像していたのとは違うなぁ?


「それで、レオナルド君は私に何か用ですか?それと、外に護衛がいたと思うのですが、どうやってここに入って来たのですか?」

「護衛は全員無力化しました。ついでに、城内にいた貴方の手下どももです。ここに来たのは、女神の使徒の偽物である貴方を排除する為です」

「ほう?何故私が偽物だと?」

「僕が本物だからですよ。セレス様から、人間の女神の使徒は僕だけだと聞いていますからね」


 さあ、ピエナスはどう出る?

 いきなり襲い掛かって来るか?

 それとも、自分が本物だと喚き出すか?


「おや、もうバレてしまいましたか?」


 と、思ったら、あっさり認めてしまいましたよ。

 あれ?


「ふぅ~、それでは仕方ありませんね。どうしましょうか?」


 どうしよう、予想と全然違うぞ?

 予想では、コイツはクソ野郎で、横暴の限りを尽くしていると思っていたのに、全然違う。

 クソ野郎ではなく、結構紳士的な対応だぞ?

 ん?家名があったってことは、貴族だったのかな?

 まあ、いいや。


「ちょっと聞きたいんですけど、いいですか?」

「はい、何でしょうか?」

「貴方の目的ってなんですか?どうして女神の使徒を名乗っているんですか?」

「ええ、それはですね・・・」


 ピエナスの話しを聞いた僕は、戦慄した。

 ヤバい!コイツはかなりヤバいぞ!?

 コイツをこのまま、このセレストメディエル聖教国のトップとして君臨させることは出来ない!

 この国が、いや、世界がコイツの考えに同調してしまったら、大変なことになる!

 コイツはここで、絶対に倒さなけれなならない!

誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです。

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