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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第3章 セレストメディエル聖教国編
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第79話 レジスタンスのアジトへ

 強面の串焼き屋のおっちゃんに案内されて、僕達3人はセレスユカティスの大通りを歩いている。

 おっちゃんは僕の隣を歩き、僕らの周りを10名の屈強そうな男達がさりげなく囲んで、一緒に移動しています。

 あの程度のやり取りだけでは、当然のことながら、味方だと信用されるはずがないですからね。

 それと、僕らを囲んでいる男達なんだけど、格好は普通の人なんだけどさ、その逞しい鍛え抜かれた筋肉と、溢れ出る物騒なオーラにより、違和感がハンパない。

 そのさりげない動きで、僕らを囲み続けているのは見事なんですが、存在感がありすぎて不自然すぎる!

 逆に目立ってますよ、貴方達!

 と、ツッコみたい衝動を必死に抑えています。


「テメェら、俺達のことをどこまで知ってる?いや、どこで知った?」


 しばらく歩いていると、おっちゃんから質問が来た。

 おそらく、ここでの返答を間違えた場合、別の所に連れていかれ、周りにいる男達によって襲撃されるのでしょう。

 それは非常によろしくないので、なんとしても避けねばなりません。

 おっちゃん達の安全の為にも。

 この程度の相手なら、僕らの中で最弱のチェスカさんでも、余裕で返り討ちに出来てしまいますからね。

 なので、返答は慎重にするべきでしょうか?

 まあ、おっちゃんみたいな人には、正直に話すのが一番ですかね。


「この街に来て、いろんな人達からセレスハートの話しを聞いていたら、自然と浮かび上がってきましたよ。この街には、女神の使徒に不信感を持ち、セレスハートを、教皇様を奪還しようとする人達が集まっている事が。そうなれば当然、その人達をまとめる組織が生まれるはずです。抵抗勢力、レジスタンスがね」

「ほう、ガキの割には、結構よく見えてるじゃねえか。で、そんなテメェはどこの誰なんだ?」

「大陸北部の国、アステリア王国伯爵家の次男坊です。今言えるのはそこまでですね。これ以上は、アジトに着いたらお教えしますよ」

「なるほど、北部の出身で、しかも貴族様か。道理でしっかりしているわけだ。ってことは、後ろの2人は護衛か?」

「違いますよ。2人の正体についても、アジトに着いたら、という事で」

「胡散くせぇガキだな?だがその度胸は気に入った。お望み通り、アジトに連れて行ってやるぜ?ただし、少しでも怪しいと思ったら、分かるよな?」

「ええ、もちろんです。僕としても、貴方達とは協力したいですからね。決して悪いようにはしませんよ。」

「目的が一緒だからか?まあいい。詳しいことはアジトで聞いてやるよ」

「ありがとうございます」


 そうして僕達は、おっちゃんの案内で大通りに面した1軒の宿屋に入った。

 その宿屋は、この街1番の高級宿で、実は僕らが宿泊をしようとした宿でした。

 ただ、今は部屋が満室で空きがないと言われたため、泊まるのを断念したのですが、まさかここにアジトが?


「いらっしゃいませ、ヴァンド様。そちらの方は?」

「こいつらは同志だ。安心しろ」

「それはそれは。おや?あなた方は先程いらした方では?」

「ええ、先程はどうも。故あって、またお邪魔させて頂きます」

「そうですか。先ほどは失礼いたしました。では改めて、ようこそ我が宿へ。ごゆっくりお寛ぎください」

「ありがとうございます」

「おう、こっちだ。着いて来い」


 今話していたのは、僕がこの宿に泊まろうとした時に対応してくれた受付の紳士です。

 僕の顔をしっかり覚えてくれていたようですね。

 どうやら、この宿は今、レジスタンス関係者しか泊まれなくなっているようですね。

 だから、僕らが泊まろうとした時、断られたのでしょう。

 僕らがおっちゃん改め、ヴァンドさんと一緒に来たことにより、僕らを受け入れてくれたようですね。

 受付の紳士に挨拶をして、そのままヴァンドさんに着いて行く。

 そして、地下へと向かう階段を下りると、正面には大広間と書かれた扉が1つだけあった。


「ここだ。入るぞ」


 ヴァンドさんが扉を開けると、そこは100名以上の様々な人達が集まっていた。

 屈強な体躯の男や、ひょろりとした男、女性も何名かいる。

 おそらく、全員が戦いを生業としている人達だろう。

 ここはこの宿の地下1階を全て使った大広間で、かなり広い。

 地下なのに明るいのは、魔導具である魔力灯をいくつも設置しているからでしょう。

 魔導具としては安い方だけど、それでも結構な値段がする魔力灯をこんなに設置しているとは、さすがはこの街1番の高級宿だね。

 それにしても、こんな所にレジスタンスのアジトがあったとは、驚きですよ。

 確かに、普通は人通りの少ない所、裏通りとかスラムとかにアジトがあるから、盲点を突いた場所ではあるね。

 僕達が中に入ると、全員がこちらを向く。


「お帰り、ヴァンドさん。その子達は誰ですか?」


 全員の疑問を、近くにいた見た目が魔術師風の男の人が代表して聞いて来た。


「新入りだ。大陸北部のアステリア王国の伯爵様のお子様だってよ。それ以上の詳しいことは知らねぇ。おい、坊主。ここが俺達のアジトだ。さあ、お前のことを教えろ」

「初めまして、レジスタンスの皆さん。僕はアステリア王国スティード伯爵家の次男、レオナルド=シオン=スティードです」


 そう言う約束だったからね。

 しっかり自己紹介をさせてもらいますよ。


「スティード伯爵家って確か、アステリア王国でも有数の武力を持った貴族ではなかったですか?」

「そうですよ。我が家をご存じなのですか?」


 何と我が家を知っている人がいましたよ。

 その人は見た目がゴツイので、きっと戦士系の人でしょうか?


「ええ。スティード伯爵家は有名ですからね。決して権力を求めず、ただひたすらにダストレア大樹海から溢れる魔物の脅威から、祖国を守り戦う一族と」

「さすがに詳しいな、ヘックス。それで、レオナルド?改めて聞くが、さっきの話は本当なのか?今セレスハートにいる女神の使徒様が偽物だってのは」

「「「「「何っ!?」」」」」


 ヴァンドのさんの問いかけを聞いた全員が、一斉に声を上げ、騒ぎ出す。


「そんなバカな!?」「いや、ヤツが偽物なら、今のセレスハートの状態も納得できるぜ?」「それは信用できる情報なの?」「俺は始めからそうじゃねえかと思ってたんだ!」


 ちょっと収拾がつかなくなりそうですよ。

 と、思ったら


「うるせぇぞテメーら!ちょっと黙ってろ!」

「「「「「・・・・・・」」」」」


 ヴァンドさんの一喝で静かになりました。

 この人、意外と統率力が高いのかな?

 もしかして、レジスタンスのリーダーだったりして。

 そんな都合良くはないか?


「で?何でテメェはその事を知っている?今セレスハートにいる女神の使徒様は、本物だって話だぞ?」

「その前に、なんで皆さんは、あれが本物だと言えるんですか?」

「証拠があるからだよ。お前も大陸北部の出身なら知ってんだろ?女神の使徒様が、お前の住んでいる大陸北部で誕生したって。で、その女神の使徒様が、女神セレス様の依頼を遂行し終え、このセレストメディエルに来たんだよ」

「ええ、そうですね。でも、それが何の証拠に?」

「その使徒様はな、女神像の前で祈ると、伝承の通り、体が金色の光りに包まれたそうだ。金色の光りなんざ、どんな魔法でも生み出すことが出来ねぇ。そしてその姿を、多くの女神教の信者が見てんだよ。それが女神の使徒様である、何よりの証拠だ」


 なるほどね。

 取りあえず金色に光れば、女神の使徒の証拠になる、と。

 確かに、僕も金色に光ったことで、女神の使徒だと即座にバレたわけだし。


「それで、お前がその使徒様を偽物だと断言する理由は何だ?」

「ああ、簡単ですよ。セレス様から直接聞きました。アイツは偽物だって。

女神様本人が言うのですから、間違いありませんよ」

「「「「「ハァっ!?」」」」」


 また全員が一斉に声を上げる。

 皆さん、とっても息が合っていますね?


「おい小僧!どういうことだ!?なんでテメェが女神様から、直接話しを聞けるんだよ!?」

「僕が本物の女神の使徒だからです」

「そんなバレバレのウソを吐くんじゃねぇよ!」


 即否定されてしまった。

 本当なんだけどなぁ・・・・


「ウソではありません」


 それまで黙っていたセシリアが、静かに、けど良く通る声で喋った。


「ああ!?小僧のお付きは黙ってろや!」

「いいえ、黙りません。彼が、レオナルド様が女神の使徒だという事は」


 セシリアは、それまで付けていた『認識阻害』を付与された眼鏡を外しながら


「この私、教皇フォルセシウス=ライバッハ=ストラテラの娘、セシリア=ストラテラが保証します」

「な、せ、聖女様ーーー!?」


 この瞬間、広間に大絶叫が響いた。

 もし僕が慌てて防音の結界を張らなければ、きっと1階どころか、この宿の外にまで声が届いていたことでしょう。

 それ程までに、この場にいた全員が発した声はでかかった。

 それはそうだろう。

 本物かどうかすら分からない、自称女神の使徒の登場よりも、顔も知っていて、自分達の保護対象でもある聖女セシリアの登場は、とてつもない衝撃だったのでしょう。

 セシリアが素顔を晒したことにより、一緒にチェスカさんも眼鏡を外す。


「聖女様、よくぞ御無事で!」


 ヴァンドさんを筆頭に、全員がその場で跪き、セシリアに頭を垂れる。

 え、何?聖女ってこんな扱いなの?

 教皇の娘だから、ある意味王女とも言える存在だし、これが普通なのかな?


「皆さん、頭を上げてください!私は、そんなにたいした人物ではありません!」


 あ、セシリアが慌てている。

 やっぱりこれは、過剰な対応だったようだね。


「しかし聖女様・・・」

「私が良いと言っているのですから、みなさん、どうか頭を上がてください」

「は、それでは・・・」


 やっと全員が頭を上げてくれたけど、まだ跪いたままですよ。


「それで聖女様。この小僧、いえ、このお方が女神の使徒様というのは本当ですか?」


 ヴァンドさんが、跪いたまま質問して来た。

 セシリアも面倒になって来たのか、もうスルーしていますね。


「ええ、間違いありません。女神セレス様からの神託もありましたし、私はこのレオナルド様と共に、かの女神の間に招待され、直接お話しをさせていただく栄誉も授かれました」

「おお、それでは、本当にこのお方は、女神の使徒様なのですね?」

「はい、聖女セシリア=ストラテラの名に懸けて、間違いなく」

「お、お、オオオオォォォォォッ!」


 ヴァンドさんが雄たけびを上げると、それに釣られて全員が雄たけびを上げる。

 その音量は、さっきの比ではないほどのデカさです。

誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです。

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