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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第3章 セレストメディエル聖教国編
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第74話 またやりすぎた

 日本刀の作成を始めてから一夜明け、今僕の目の前には3振りの刀が並んでいます。

 1つ目は最初に作った、付与を一切していない普通の刀

 2つ目は他の魔導剣と同じく、本体は柄の部分で、そこに複数の付与をした、僕が作った中では普通の魔導刀とでも呼ぶべき代物。

 今まで作ってきた剣とは違いこの魔導刀は、STRが1/10~1/10000まで自由に調整できる優れモノで、僕が普段使用することが前提に作られています。

 これに付与されているのはたった2つだけで、1つは先述のSTRを抑制する『STR抑制調整』。

 もう1つが対象を絶対に壊れないようにする、『不壊』。

 今まで作ってきた武器にも付与している『耐性強化』の、最上位互換です。

 なぜそんなのを付与したかと言うと、単純に僕のSTRに耐えられないからです。

 僕が全開のステータスで、いや、5000万以上のSTRで攻撃すると、大抵の武器は振るっただけで壊れます。

 STRが高すぎて武器が耐え切れず、攻撃が相手に当たる前に砕けてしまうのです。

 なので、僕の全力にも耐えられる武器にするために、この付与をしたというわけです。

 ちなみに、ミコトさんが勇者ドラグルとして活動していた頃に使っていた大剣と長剣は、セレス様に頼んで用意してもらった武器なので、ミコトさんのSTRにも耐えられたというとんでもない代物です。

 セレス様が作った武器なので、正真正銘の神器ですね。

 もちろんこの刀でも、抑えている分のステータスは『天岩戸』に送られるようにしてあります。

 最後の3つ目は、何と言いますか、一言で言い表すのなら、まさしく最高傑作です。

 まず、この刀には一切のステータス抑制効果がない。

 それどころか、ありとあらゆる強化を付与している。

 これは刀身から柄、鞘に至るまで、全てにこれでもかと付与を施してあります。

 オリハルコンとアダマンタイトを叩いて伸ばして折り重ねる度に、『空間支配』を使って魔方陣を刻み、それを何十、何百と繰り返す。

 そして出来上がった刀身にも、『空間支配』を使って魔方陣を刻みます。

 いや~毎回毎回感じますが、『空間支配』は本当に便利ですね~。

 最後に(なかご)に『不壊』魔方陣を刻みます。

 次に、柄に部分にもありったけの魔方陣を刻みます。

 鞘にも以下同文です。

 この、ありったけの付与をした、今僕が作れる最高の魔導装備が完成したのがたった今です。

 いや~徹夜しちゃいましたよ。

 では早速、使い心地を試してみましょうか!



 セシリアとチェスカさんはまだ寝ているようなので、僕はそっと空間転移で500kmほど離れた場所まで移動しました。

 丁度近くに魔神の眷属のドラゴンが居たので、試し切りの相手になってもらいましょうか。


《ほう、人間がこんな場所にいるとは珍しい》


 お、どうやらこのドラゴンは、言葉を発することが出来るようだね。

 念話だけど。

 つまり、理性を、自我を持っているという事で、それだけで長生きしていることが分かる。

 おそらくSSランクかSSSランクの、厄災級のドラゴンだろうね。

 鱗が灰色をしていて、体の所々に黒い靄がかかっている。

 魔神の眷属のドラゴンの中でも、上位に位置する壊死龍だ。

 以前にミコトさんに、魔神の眷属のドラゴンの話しを聞いていて、その時に教えてもらって特徴であるあの黒い靄は、それ自体が超強力な毒で、触れただけで大抵の生き物は体がボロボロに崩れ、死んでしまうそうです。

 

《人間風情が、このような場所まで来れたとはな?これは褒美をやらねばなるまい》


 あれ?意外と良いドラゴンだったりする?


「え?何かくれるんですか?」


 と、ついつい質問してしまいました。

 まさか、今から試し切りをしようとした相手に、こんなことを言われるとは思ってもみませんでしたからね。


《ああ、くれてやろう。貴様に死をな!》


 そう言うと同時に吠えて、僕に襲い掛かって来た。

 あ~良かった。

 本当に良いヤツだったらどうしようかと思ったけど、杞憂で済みましたよ。

 僕に向かって振り下ろされた前足を、軽く右腕1本で受け止め、そして押し返す。

 あ、今の僕は、一切ステータスを抑えていない素の状態です。

 ついでに、『状態異常完全無効』状態なので、毒の靄なんて効きません。

 なので、押し返された壊死龍は、予想以上に強すぎる力だったためか、そのまま後ろに300mほど飛んで行ってしまった。


《バカな、あり得ん!?なぜ人間風情がこれほど強いのだ!?》


 念話は、距離は関係ないのかな?これだけ離れていても、はっきり聞こえますね。

 さて、説明するのも面倒ですし、さっさと用件を済ませましょうかね。

 僕は風魔法を使って、壊死龍に言葉を届ける。


「僕を攻撃して来たってことは、僕の敵ですよね?じゃあ、遠慮なく攻撃しますね」

《いや、待て!待ってくれ!いえ、待ってくださ・・・》

「はっ!」


 壊死龍の多分命乞いであろう言葉を無視して、一瞬で目前まで移動し、そのままの勢いで斬撃を繰り出す。

 まずは鞘から抜刀した勢いで逆袈裟に切り上げ、次いで真上から真下に向かって刀を振り下ろす。

 その結果、壊死龍の体は4つに分かれました。

 その後ろの樹海ごと。


「・・・・・・・・・・・・あれ?」


 そう、この時僕は、すっかり忘れていたのです。

 以前、全開のステータスで思いっきり動いた時のことを。

 その時、このダストレア大樹海で、何が起きたのかを。

 さあ、そんなレオナルドが全力で動き、とんでも武器を振るった結果、何が起きたでしょうか?

 正解は、レオナルドが移動を開始した場所にはクレーターが出来、通った場所とその周辺は樹木が吹き飛び、斬撃を放った場所から20kmに渡り、樹木はキレイな切り口で切断され、大地にはキレイな直線が引かれていました。

 ついでに、斬撃の直線状にいた不幸な魔物達が、相当数巻き込まれて絶命しています。


「・・・・・・・・・・」


 それを支配圏を広げて確認したレオは、今度は空へと浮かぶ。

 そして天へと向かって刀を構え、


「はっ!」


 一閃させた。

 その結果、今度は遥か上空に浮かんでいる雲に、一本の線が刻まれた。


「よし、異空間収納に封印しよう」


 レオナルドは冷や汗をかきつつ、刀を異空間収納にしまった。

 そして、反省をした。

 調子に乗って、とんでもない物を作り出してしまった、と。

 もちろんこれは、レオナルドのデタラメなステータスも原因の1つではあるが、この刀にも原因がある。

 付与をしすぎたため、これ単体でもとんでもない力を秘めているのだ。

 普通の魔導具として使うだけでも、STRの補正値は軽く億越えで、そこに付与された能力をまとめて使った時の相乗効果は・・・・・

 欠点としては、燃費の悪さが挙げられる。

 この機能をフルに使うなら、最低でも1000万のMPが要求される為、普通の人には扱う事すらできない。

 けど、世の中には規格外の存在がいることを、レオナルドは知っている。

 だって自分がそうだから。

 これは、本当の意味での切り札として、自分で徹底して管理することにした。

 刀の試し切りを終え、空間転移を使って元の場所に戻り、そのままベッドに入って寝た。

 現実逃避とも言う。

 あ、初エンカウントした壊死龍の詳細を記録するの忘れてた。



 目を覚ますと、もうお昼になっていました。

 昨日のように、セシリアが起こしに来なかったことを不思議に思いつつ、工房を出て向かいの小屋へ行く。

 中では丁度、セシリアとチェスカさんが昼食を食べている所だった。


「あ!レオ君やっと起きた!」

「やっと?」

「そうだよ!朝になっても出てこないから起こしに行ったのに、入り口が開かないし、何度呼んでも返事がないし!もう、心配したんだからね!」

「入り口が開かない?・・・・あ、そうだった、日本刀を作っている間は危険だから、誰も入れないようにしていたんだった。あと、鍛冶の音がうるさいと思ったから、防音にしていたんだった。ごめん、忘れてたよ」


 すっかり忘れていた。

 これじゃあ、起こしに来てくれても中に入れないし、声をかけても何も聞こえないから気付けないよね。


「無事なら良いんだけどね。正直、レオ君だからそこまで心配してなかったし。それよりも!日本刀出来たの?」

「うん。ほら、これだよ」


 見せたのは2振りの日本刀。

 当然のことだけど、あの全力を込めた刀は出していませんよ。

 試作で作ったのと、これから僕が装備する魔導装備の刀。


「いいじゃない!やっぱり日本人なら、日本刀よね~」

「いや、今はお互いに日本人じゃないでしょ?」

「え?今は、ですか?あの、いったい何を・・・」

「チェスカ、気にしないでください。あなたには分からない話しなので」

「あ、はい。申し訳ありませんでした、セシリア様」


 チェスカさんの疑問はもっともだけど、地球の話しをしても理解してもらえないだろうからね。

 でも、セシリアのチェスカさんに対するあしらい方が、どんどん雑になってなって来ているような・・・

 チェスカさんも一昨日、余計なことをして僕を怒らせているせいか、そんな雑な扱いでもセシリアの言う事を聞いていますね。

 かる~く殺気を飛ばしただけだったけど、そんなに怖かったのかな?


「レオ君って、服も作れるんだよね?」

「そうだよ。セシリアのその服と言うか装備も、僕が作ったからね」

「それならさ、武士みたいに着物と袴も作ってみたら?」

「お、それはいいね!今度作ってみようかな」


 元日本男児として、武士の格好には憧れがあったりするわけでして。

 でもこの後は2人の修行をするので、作成はまた夜にでもしようかな。

誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです。

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