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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第3章 セレストメディエル聖教国編
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第72話 まずは模擬戦から

 まず2人には、新しい装備によって上昇したステータスに慣れるまで、体を動かし続けてもらいます。

 急激なステータスの上昇は、感覚が大幅に狂ってしまう為、いきなり戦闘訓練をするのは難しいからです。

 お父様とお祖父様の時はいきなり戦闘していた?

 あの2人は例外なので、気にしないでください!

 チェスカさんは、セシリアがステータスの調整に手間取っている間に訓練してもらっていたので、今は僕と模擬戦をしていて、セシリアは装備に慣れようと頑張って動いています。


「ほら、そうやってすぐにスピードに頼ろうとするから隙だらけになるんですよ。もっと相手の動きを見て、次の行動を予測して動くんです。ほら、また。それじゃあ、すぐに敵にやられてしまいますよ」

「そんな、ことを、言われましても、はあ、はあ、私は、ずっと、このスタイルで、戦って、来たのですから、はあ、はあ」


 チェスカさんは、スピードで相手を翻弄し、隙を突く戦法を得意としているのですが、どうもスピードに頼り過ぎ、防御が下手になっている。

 これでは自分よりも早い敵と相対した場合、なす術なく負けてしまうだろう。

 確かに剣を操る技術、体の動かし方についてはそれなりに上手いけど、まだまだ改善の余地がありますね。

 最初は防御を上達させようとしたんですけど、攻撃を受けるよりも避けることが得意だったため、今はその技術を向上させようとしています。

 今やっているのは、相手の動きを見てから行動するのではなく、相手をよく見て次の動きを予測し、先に動く、先の先を取ることを出来るようにする為の訓練です。

 この訓練で、スキル『行動予測』を取得することが可能です。

 このスキルを取得できれば、戦闘が大幅に有利になりますからね。

 でもこの訓練って、すっごい疲れるんですよ。

 チェスカさんだけが。

 だって、常に僕の動きに注意しつつ、どう動くかを予測し、さらに自分がどう動いて攻撃するかまで考えなくてはならないのですよ?

 とてつもない集中力を要求されてしまう訳ですよ。

 まだこの訓練を初めて30分程度ですが、チェスカさんは疲れ果ててしまっています。

 でも、止めてあげません。

 意地悪をしているのではないですよ?

 疲れていても、集中力を切らさなければ、体が勝手に無駄な動きを取らなくなり、効率の良い動きを選択しやすくなるからです。

 その結果、技術が向上し、ステータスがアップ!

 さらにスキルもゲットできるかも?

 ただし集中力が切れた場合、それは何の訓練にもならない、ただただ疲れるだけの苦行に成り下がってしまうので、要注意です!

 更に10分後、遂にチェスカさんの集中力が切れ、地面にへたり込んでしまった。


「はあ、はあ、はあ、すみません。もう、立てない、です・・・」


 そう言って、疲労のあまり気絶してしまった。

 そんな時は休むのが一番!ってことで、チェスカさんを小屋まで運び、疲労回復効果のある布団に寝かせました。

 これで目覚めたら、疲労がスッキリ取れて、また元気に訓練が出来ますね!



 チェスカさんをベッドに運び、セシリアはどうかな?と外に出てみると、そこには+20万されたステータスで超高速移動をしている聖女様がいらっしゃいました。

 あれ?もう慣れてるよ、この聖女様。


「あ、レオく~ん!コレ慣れるとすっごいね~!見て見て~!こんなに早く動けるよ~!」

「ああ、うん。そうだね~」


 ちょっと驚いたけど、予定が早まっただけで何もデメリットが無いから、これはこれで良し、という事で。

 それにしても、本当に凄いなコイツ。

 普通はこれだけ急激にステータスが上昇すると、力加減が難しいはずなのに、見た限りだと、もう完璧にコントロールできているよ。

 どうやら僕がチェスカさんと修行をしている間に、装備のステータス調整を利用しつつ、最大の+20万で動けるようになったみたいだね。

 器用だな~。

 他人のことを言えないけどね。

 よし、それならば、


「ねえ、セシリア。その状態で僕と模擬戦してみない?」

「模擬戦?いいよ!やろう、やろう!」


 と言う訳で、いきなり模擬戦をすることになりました。

 セシリアは+20万されたステータスに対し、僕は例のステータスが1/10000になる魔導具を使っているので、だいたい8万くらい。

 普通に考えると僕が負けてしまうけど、僕には豊富な戦闘経験があるからね。

 いい勝負が出来そうな予感がしますよ。



 10mの距離を開けて、僕とセシリアは向かい合っています。


「ルールはどうするの?」

「ルール?そうだね。それじゃあ、僕は防御に徹するから、セシリアは全力で攻撃してきていいよ。制限時間は10分で、セシリアが僕に攻撃を当てられたらセリアの勝ち。僕が攻撃を受けなければ僕の勝ちでどう?」

「ええっ!?それってすっごく私が有利じゃない!?」

「そう?僕には戦闘経験があるけど、セシリアには殆ど無いでしょ?丁度いいハンデだと思うんだけどな?あ、それと、僕のステータスは大幅に下げてあるから、ステータスだけだとセシリアよりも低いからね。きっといい勝負になると思うよ?」

「それってただの舐めプだよね!?いいわよ、それで!絶対に一発、いえ、10発くらい入れてやるんだから!」


 これでセシリアは遠慮なく、僕に全力でぶつかって来てくれるだろう。

 僕も戦闘に関しては自信があるから、負けるつもりはないけど、もし負けたら立つ瀬が無くなってしまうので頑張らないとね。

 それと、アイツは絶対に本気で10発入れる気でいるから、気を付けないと。


「さ、それじゃあいつでもどうぞ」

「行くわよ!」


 セシリアが最大スピードで、何のフェイントも無く正面から突っ込んで来た。

 うん、速いだけで隙だらけだ。

 カウンターで簡単に一撃を入れられるよ、これ。

 けど、今は僕は防御に専念している状態だからね。

 セシリアの最速にして最大の威力を込めた斬撃を、僕は剣を使って受け流す。

 僕に向かって振り下ろされた剣の横腹に、僕の剣をそっと当てて軌道を横にずらす。

 それを、超高速で行いました。

 その結果、セシリアからすると、振り下ろした剣が勝手に横にずれたように錯覚したはずです。

 そしてセシリアはと言うと、


「え?きゃあああぁぁぁぁぁ・・・・・!?」


 僕に突っ込んで来た勢いそのままに、僕の横を通り過ぎて、そのまま後ろに行ってしまった。

 うん、止まることを一切考えていなかったようだね。

 この周辺は、訓練のために半径200mほどを更地にしておいたんだけど、軽くその範囲を超えて行き、木を何本もなぎ倒して行ってしまった。

 あの装備がある以上、この程度ではケガはしないと思うけど、ちょっと心配なのでセシリアの所に急いで向かった。


「お~いセシリア~?大丈夫~?」

「大丈夫だよ~・・・・でもびっくりした~」


 結局セシリアは、僕と立ち会った場所から500m以上離れた場所で止まれたみたいだ。

 その通った跡は木々がなぎ倒され、地面には途中から1本の直線が引かれている。

 勢いを止める為、足を踏ん張ってブレーキをかけた跡みたいだね。

 そして予想通り、ケガは一切ない。


「すっごいねコレ!あれだけ勢いよく木にぶつかったのに、全然痛くないよ!」

「これはセシリアがケガをしないように作ったからね。そうなってくれなかったら、こっちが困るよ」

「で、今レオ君は何をしたの?私、剣で思いっきり斬りかかったのに、気付いたらレオ君の横を通り過ぎていたんだけど?」

「それは受け流しって技術でね、相手の攻撃を受け止めるんじゃなくて、横にずらす技なんだ。さすがに今のセシリアのステータスだと、剣で防いでも吹き飛ばされそうだったからね」

「ふ~ん、力任せに攻撃しても意味ないんだね。じゃあ、やり方を変えないといけないね?」


 おっと、この聖女様は学習しているよ。

 チェスカさんよりも柔軟だね。

 きっと、今まで戦闘訓練をしていなかったから自分の型が無く、だからこそ固定概念に捕らわれずに、どうすればいいのか考えることが出来るんだろうね。


「よし、続きをやろうか?」

「うん、そうだね!今度はさっきみたいにいかないからね!」


 僕達は元の位置に戻り、模擬戦を再開した。

 結果、僕が攻撃を全て捌ききり、勝負には勝ちました。

 途中から光魔法を併用して来た時は流石に苦戦したけど、すぐに動きに慣れて、常に優位を保てましたよ。

 今は休憩中です。


「あ~、惜しかったー!もう少しで一撃入れられそうだったのに~!」

「いやいや、驚いたよ?この僅か10分の間で、セシリアは結構強くなったよ?魔導装備なしでも、もしかしたらチェスカさんよりも強いかもしれないね?」

「それはいくら何でも、持ち上げすぎだよ~」


 と、言いつつも、満更ではない顔をしている我が幼馴染。

 これは本心ではとても喜んでいるね。


「そう言えば、レオ君はどんなチートスキルを持ってるの?」

「ああ、言っていなかったね。僕が貰ったスキルは3つあってね」

「え?3つも!?それじゃあ、余り良いスキルじゃないんだね?」

「え、何で?」

「だって、私のポイントは50あったんだけど、これってすごく多いって言われたんだよ?それでも取ったのは2つだけなんだから」

「ああ、そういう事か」


 そう言えば、僕のポイントは無駄に多かったのを忘れていたよ。

 確か平均が30ポイントだったけ?


「実は僕のポイントは150あってね。だから凄いのを3つ選んだんだよ」

「150!?私の3倍じゃん!?何それ、ずるい!」

「まあまあ。それで選んだのは全てユニークスキルでね。『空間支配』『魔導具作成(極)』『成長補正(極)』の3つにしたんだ」

「全部ユニークスキルって、贅沢ね~」

「まあね。この3つのスキルのおかげで、僕は色んなことが出来るんだよ。その装備は『魔導具作成(極)』のおかげで作れたし、僕の異常なステータスは『成長補正(極)』のおかげだね」

「あ、言い忘れていたけど、私も『成長補正』のユニークスキル持ってるよ?」

「・・・・は?」

「レオ君と違って、ランクは中だけどね」


 『成長補正』持ってるの?

 なのにこんなにレベルが低い?

 どういうことだろう?

 あ、もしかして・・・・


「ねえ、セシリア?ちょっと聞いてもいいかな?」

「何?」

「この世界に転生してから今までで、真剣に修行とか勉強したこと、ある?」

「えっ?・・・・・・ある、よ」


 目がすっごい泳いでいる。

 これはウソだね。


「はぁ、やっぱり」

「やっぱりって何よ!?」

「あのね、セシリア?その成長補正のスキルはね、あらゆるステータスの成長に補正がかかるんだよ。ちょっとの努力するだけで、大抵の事は何でも上手くなったり、レベルも上がり易いし、それに伴うステータスの上昇値も高くなるんだよ。それを持っているのに、ステータスやレベルが低いってことは・・・」

「うぅ~・・・そうだよ。必要なことはすぐに出来るようになったから、ずっと上手くサボっていただけだよ・・・」


 まあ、別に責めたいわけではないんだけどね?

 でも、せっかく手に入れたユニークスキルを使っていないなんて、勿体ないなと思っただけだよ。

 だって、ユニークスキルって超レアだからね。

 とは言え、このスキルの存在はデカいね。


「じゃあ、折角そんな有用なスキルを持っているんだから、今から有効活用しようか?そのスキルがあれば、すぐにレベルもステータスも上がるからね」

「どれだけ強くなれるかな?」

「それはセシリア次第だね。努力を怠らなければ、あっという間にチェスカさんを抜くことが出来るし、きっと、聖騎士長さんよりも強くなれると思うよ?」

「本当!?じゃあ、頑張ってみるよ!」


 聖騎士長さんに会ったことは無いけど、きっとお父様やお祖父様レベルだろう。

 そのくらいなら、きっとすぐに抜けるはずだからね。

 そして、セシリアの本格的な修行が始まった。

誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです

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