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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第1章 アステリア王国 幼少期編
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第7話 犯人はおまえだ!成長補正(極)!

 翌日のスティード家は、朝から盛り上がっていた。執事とメイド達は、街に買い出しと、邸内の飾り付け。料理人達は、腕によりをかけて料理を作るための下拵え。

 お父様もお母様達も、ニコニコしながら一緒に準備をしている。メイド達が全員出払ってしまっているので、僕は部屋で1人、ではなかった。異母兄のメルトが部屋に遊びに来ていた。

「きょうはレオのために、みんながんばっているからね。」

「そうみたいですね」

「ぼくも、なにかしたかったんだけど、おとうさまと、おかあさまに、レオとあそんであげなさい、っていわれたから、レオのところにきたんだよ」

「メルト兄様、ありがとうございます」

 いくら兄といっても、メルト兄様はまだ4歳。まだ舌足らずな話し方は当然だろう。そう考えると、僕の話し方はやはり異常のようだ。お父様がステータスを気にしたのも頷ける。


 メルト兄様は、今まで見てきたもの、聞いたことを一生懸命話してくれたが、疲れたのか、いつの間にか眠ってしまっていた。メルト兄様をベットに寝かせ、僕は考え事をする。あっ、例の柵で囲まれた赤ちゃん用のベットは、今日の朝には撤去されて、代わりに普通サイズのベットが置かれています。歩けるようになったのだから、もう大丈夫だろう、とのことだ。

 さてそれではステータスを見てみよう


名前:レオナルド=シオン=スティード

年齢:1歳

種族:人間

職業:スティード伯爵家次男

レベル:17

HP:2364/2364

MP:2762/2763

STR:2496

ⅤIT:2255

INT:3218

MND:2575

AGL:1144

DEX:1283


スキル

言語理解

空間支配ユニーク

魔導具作成(極)(ユニーク)

成長補正(極)(ユニーク)


称号

守リシ者

空間ヲ支配スル者


 うん。やっぱり見間違いじゃない。あのまま意識が飛んでしまったから、もしかしたら見間違いかなぁ、という僅かな希望を抱いていたんだけど、見事に粉砕されました。


 まず、先日はずっと空間支配のスキルを使い続けていた。このスキルは、干渉をするごとにMPを消費するらしく、あれだけ長時間使っていたため、ギリギリまで減ってしまっていたようだ。更に、このステータスを見る行為だけでMPを消費するようだ。大体、2分で1ずつ減っている。先日は、あまりのステータスの変化に思考が止まってしまい、ずっとステータスを開き続けた結果、残り4しかなったMPが切れてしまったようだ。つまり、僕を診てくれたお医者様の診察結果は正しかったというわけだね。

 もし、もう少しでも長く空間支配を続けていたら、僕は床で倒れてしまい、もっと大騒ぎになっていただろう。気を付けよう。

 だって、柵で囲まれたベットから、まだ歩けない(と思われていた)子供が抜け出して、床に転がっていたら、どう思うだろうか?しかも、いつまで経っても目が覚めないと来たら。それはもう、賊が侵入したか、執事かメイドの仕業ってことになってしまっていたかもしれない。危なかった・・・


 で、この異常な成長率の原因だけど、やっぱり一番怪しいのは、ユニークスキルの成長補正(極)!

 その内容は

 あらゆるステータスの成長に関しての補正が、超上昇する。

 ※成長に関することが、ローコスト&ハイリターンとなるのじゃ。レベルもステータスもガンガン上がるし、スキルも簡単に手に入るのじゃ!

 うん。間違いない!犯人はお前だ!神様の注釈にも、レベルもステータスもガンガン上がる、と書かれている。

 いや、確かにね、このスキルを選んだのは自分ですよ?でもまさか、ここまでブッ飛んだ性能を発揮するとは思いもしませんでした。


 何で、こんな自身を超強化するスキルを選んでしまったんだろう?ここは1度、初心に帰って考えよう。

 ポイントが無駄にたくさんあったから?いや、違う。ただ単に、選択の幅が広がっただけだ。

 じゃあ、レア物に弱い日本人だったから?いやいや、確かにレア物は欲しいよ?でも、それだけが選考基準なら、もっとレアっぽいスキルもあったし。

 強くなりたかったから?そう、これだ。何があっても乗り越えられる強さを、僕は求めたんだ。では、それは何故?それは、それは・・・

 前世で守れなかった人を、この転生した異世界で、今度こそ守るためだ!この世界で、僕は必要とされないかもしれない。もしかしたら、あいつの幸せの邪魔になってしまうかもしれない。それでも、もし、危機に瀕していたら、もし、助けを求められたら、どんな状況であっても必ず守れる力が欲しかった!そのためには、世界最強の力が必要だと言われれば、僕は世界最強になろう。そう誓ったんだ!


 なんだ!あっさり解決したじゃないか!僕は世界最強になろう!そのために、このスキルを最大限活用しよう!

 もし、この力を誰かに利用されそうになったら、逃げればいい。内容によっては、条件を付けて協力してもいい。

 よし、そうしよう!まあ、バレないに越したことはないから、何かできないか、方法は考え続けるけどね。

 スッキリしたところで、メルト兄様が目に入る。そういえば、メルト兄様のステータスって、どのくらいなんだろう?そう思って支配圏を広げて見ていると、


名前:メルティウム=シオン=スティード

年齢:4歳

種族:人間

職業:貴族

レベル:3

HP:34/34

MP:32/32

STR:28

ⅤIT:25

INT:32

MND:25

AGL:26

DEX:28


 ん?あれ?メルト兄様のステータスが見れるぞ?何で?

 混乱しながらも、1つの可能性の思い当たった。

 恐る恐る自分のステータスを確認する。そこには

スキル

言語理解

空間支配ユニーク

 鑑定

魔導具作成(極)(ユニーク)

成長補正(極)(ユニーク)


 はい、増えてました。間違いなく鑑定のスキルを習得しています。

 確かに成長補正(極)に、スキルも簡単に手に入る、って書かれていたけど、いくら何でも簡単すぎません?まあ、あって困るものでもないので、ありがたく頂戴しますけど。

 しかし、本当にこの成長補正(極)は凄いな。この調子でスキルをどんどん増やしていこうかな。


 そうそう、大事なことが1つ判明しています。それは、スキルの言語理解。てっきり言葉だけかと思っていたら、何と!文字まで理解できていました!こいつはラッキー!

 おかげで、日本語を読み書きする感覚で、こちらの世界の言語を操ることが出来る。先ほど、試しに日本語で紙にレオナルド=シオン=スティードと書いてみたら、メルト兄様にはバッチリ読めたみたいです。つまり、脳が自動で日本語とこちらの世界の言語を置換してくれているみたいです。恐らく、日本語で僕が知らない言葉は、こちらでも分からなくなると思われる。

 今使っている言語以外はどうなんだろうか?と思ったけど、どうやらこの世界には1つの言語しかないようです。人族はなら人種を問わず、同じ言語を使用しているので、実験ができません。さすがに、動物や魔物の言語はわからないようですが。


 習得するスキルについて考えていると、支配圏にヒルデと、もう一人メイドが入ってきた。どうやら、この部屋に向かっているらしい。とりあえず支配圏を解除して、ベットに横になって寝たふりをする。態々そうしたのは、まず、子供はよく寝るものです。そして兄が寝ていて、弟だけ起きている、よりも、兄弟揃って寝ていた方が自然かな?と思ったから、程度の理由です。

 コンコンッ

「メルティウム様、レオナルド様。そろそろお祝いパーティーの準備が整います。起きていらっしゃいますかぁ?」

 そう言いながら、ヒルデが入ってくる。

 ヒルデと一緒に入ってきたのは、メルト兄様の専属メイドで、名前はスクルド。年齢は20。眼鏡をかけ、紫の髪をシニヨンにまとめた知的な美人メイド。背は高く170㎝近くあり、背筋がピンと伸びていて、ちょっと威圧感がある。なんとなく女教師っぽいイメージがする。っつーかこの家、美男美女率高すぎだろ?お父様か、まだ見ぬお爺様の趣味か?それとも貴族だからか?比較的年配の多い執事達も、なかなかのナイスミドルが揃っていることを見ると、やっぱ後者かな?


 僕はまるで、今、起きたかのように演技して、本当に寝ているメルト兄様を起こすために揺すってみる。が、起きない。それを見たヒルデとスクルドが苦笑しながら、メルト兄様を起こそうと声を掛けてくれている。

 そうだ、せっかくだからヒルデのステータスも見てみよう。ヒルデの方をじっと見る。何も起こらない。

 あれ?じゃあ今度は、鑑定、と念じてヒルダを見る。変化なし。

 ん?どうなっているんだ?ステータスを見ても、しっかり鑑定の文字はある。じゃあ何が原因だ?さっきと何か違いがあるのか?

 ふと、それらしい原因に辿り着いた。そう、メルト兄様を鑑定した時と、ヒルデを鑑定した時の違い、それは

 支配圏の起動、か~ら~の~鑑定!どうだ!?


名前:ヒルデ

年齢:17歳

種族:人間

職業:スティード伯爵家メイド

レベル:17

HP:97/97

MP:142/185

STR:101

ⅤIT:84

INT:145

MND:124

AGL:112

DEX:185


 できた!ってことは、あれ?もしかしてだけど、僕のスキルって、支配圏を展開しないと使えないってこと?

 これはちょっと、いろいろ実験して調べてみる必要がありそうだね。幸い、まだ子供だから、時間はいくらでも余っているからね。お祝いパーティーが終わったら、早速取り掛かるとしようか!


誤字、脱字など、お気づきの点が御座いましたら、ご指摘をお願いいたします。

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