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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第3章 セレストメディエル聖教国編
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第63話 聖女の勤め

 私が異世界に転生して、9年が経ちました。

 私の新しい名前は、セシリア=ストラテラ

 まず、私が生まれた家なんですど、何とビックリ、世界最大宗教の教皇の家系でした。

 私の国は、世界最大宗派である女神教の総本山で、名をセレストメディエル聖教国と言います。

 この女神教の歴史は古く、7500年前から続いているそうです。

 世界最大とは言いましたが、単純に女神教以外の宗教が殆どないのが現状です。

 そして宗教の力とは凄まじく、元は女神教の本部として生まれたこの街が、長い年月を経て、侵略戦争など一切せずに、世界でも最大規模の国土を持った国になったそうです。

 宗教国家ではありますが、当然強力な軍事力も持っていて、さらに世界に対しては強い発言力を持っています。

 私はそんな国のトップの娘として生まれました。

 お父様の名前は、フォルセシウス=ライバッハ=ストラテラで、女神教の教皇を務めています。

 教皇ってどうしてもお爺ちゃんが務めていそうなイメージだったんですけど、この世界のでは違うみたいです。

 だって私のお父様は、まだ32歳ですし。

 ただ、先代教皇だったお祖父様が、4年前に心臓の病で他界してしまったせいなんですけどね。

 お父様は穏やかでお人好しな所がありますが、立派に教皇を務めていらっしゃいます。

 お母様の名前はマリアンヌ=ストラテラで、もともと大司祭を務めていた女性でした。

 世界中に僅か50人しかいない大司祭の1人だけあり、治癒魔法が得意で、困っている人を見るとつい助けてしまう、慈愛に満ちた人です。

 こんな2人が両親ですが、私はそれはもう、厳しく育てられました。

 礼儀作法から話し方まで、徹底的にです。

 おかげで、こんな口調になっています。

 他人にはとことん優しい両親も、家族の前では親として厳しい姿を見せることがありました。

 ありましたが、一般的な家庭からすると、まだまだ甘すぎる方だとは思っています。

 その一般的な家庭の基準も、私の前世の記憶からですけどね。

 なので、私を厳しく教育しているのは、お世話係の皆さんです。

 厳しい教育は、私がこの聖教国のお姫さまだってこともあるんでしょうけど、それ以上に私が『聖女』だというのが原因だと思っています。



 5歳の頃、自分のステータスが見れることを教わり、早速見てみました。

 その時、一緒にいた両親にステータスを聞かれ、見えたことを全て正直に話しました。

 私のステータスは平均よりも少し高い程度でしたが、その下の称号の欄に『聖女』と書かれていたことを伝えたら、それはもう異常なほど大騒ぎになりました。

 おかげで、その下にあったスキルについては、何も話していません。

 後から知ったのですが、ユニークスキルは相当珍しい、超レアなスキルだそうで、国に1人いるかいないか、という割合だそうです。

 そして私はユニークスキルの成長補正(中)を持っています。

 もしこれも伝えていたら、これ以上の騒ぎになっていたことでしょう。

 なのでこのことは黙っておくことにします。

 少し落ち着いたお父様は、使用人に急いで何かを持ってくるように伝え、私はお母様から念入りに確認されていました。

 その後、さっきお父様に声をかけられていた使用人が何か細長い物を持って戻り、お父様に渡しました。

 そしてそれを受け取ったお父様が、そのまま私に近寄り、持っていた物、布に包まれていた剣を差し出してきました。


「セシリア?ちょっとこの剣を抜いてもらっても良いかい?」


 そうお父様は優しく声をかけ、剣の柄の方を私に向けました。

 え?何これ?どういう事?と言うか、まだ5歳の子供に大人用の剣を渡さないで貰いたいのですが?

 と、言いたかったのですが、周りにいる大人全員の目が真剣で、有無を言わさない迫力がありました。

 ちょっと怯えながらも、これは私が剣を抜かなければ終わらないであろう空気を感じ、思い切って柄に手をかけ、剣を抜いた。

 剣の良し悪しなんて分からないけど、刀身が薄く水色に光っていて、とても美しいと感じました。

 それと、見た目と違って全然重くありません。

 これなら5歳の私でも、余裕で振るえそうですね。

 周りが余りにも静かなことに気付き、視線を抜いた剣から周りに移すと、全員が固まっていまいた。


「あの、お父様?どうかされたのですか?お母様?」


 私の呼びかけにより、正気に戻ったお父様から、今の一連の流れの理由を聞きました。

 この剣は『エデン』と言う銘で、1000年前の聖女にして我がストラテラ家の先祖であるヴィヴィアンが愛用していた剣だそうです。

 この『エデン』は聖女にしか抜くことが出来ず、聖女ヴィヴィアン没後の1000年間、聖女が1人も現れなかった為、1度も鞘から抜かれることがなかった、とのことでした。

 そして私が『エデン』を抜いたことで、私が聖女だという事が証明された、ということですね。

 ちなみに聖女とは、女神教において教皇に次ぐ地位で、女神の使徒を除き、女神セレナ様の声を聞くことのできる唯一の称号だそうです。

 その為、私は信者の前に出ることが多くなり、教皇の娘として、聖女として、恥ずかしくない立ち振る舞いをしなければならず、厳しい教育を受けたと言う訳です。



 先代聖女でご先祖様のヴィヴィアン様が、後の教皇となった男性と結婚したため、私の結婚相手も教皇になることがほぼ確定しました。

 ハッキリ言って、迷惑この上ない話しです!

 私が聖女だと発表された後、無数の婚約の話しが世界中から上がって来ました。

 当時の私、まだ5歳ですよ?

 ちょっと気が早過ぎませんか?

 それに、婚約者希望の人達を何人も見ましたけど、まだ子供なら納得は出来ないですけど、理解はできますよ?

 でもね?明らかに20代とか30代とか、挙句に40代の男の人が来るのは、理解できないし、したくありませんでしたよ!?

 ちょっと歳の差考えてもらえませんか!?

 一応聖女の勤めの1つとして、一通りの婚約希望者とは会う羽目になりましたが、誰1人、私を見ている人はいませんでした。

 全員が見ていたのは、私が聖女という事と、私と結婚すれば次期教皇に成れる、ということだけでした。

 私にかけられる美辞麗句は薄っぺらく、どれも心がこもっていないのが丸分かりでしたよ。

 子供の婚約希望者も親に言われて来ただけのようで、きっと親からこう言えと言われていたのでしょう、他の大人達と言っていることは同じでした。

 私には好きな人がいて、もしかしたらその人もこの世界に転生しているかもしれないのです。

 私にはその人を見つけて、この世界で結ばれるという夢があるんです!

 と、声を大にして言いたい衝動を、必死の思いで押し殺し、この苦痛の日々を送っていました。

 そんなことが1年も続いた頃、1つの報告が来ました。

 それは、6000年ぶりに大陸北部で『女神の使徒』が生まれていた、という情報です。

 女神の使徒とは、この世界の神である女神セレス様に、自身の代行者として認められた者のことで、女神教においては教皇よりもさらに上、女神様と同等の地位にあたります。

 その女神の使徒様に関する情報は、どうやら本人の強い希望により伏せられていて、殆ど何も分かっていません。

 分かっているのは、性別は男性で、現在は女神セレス様の依頼を遂行中、ということだけです。

 詳細は不明でも、このニュースに世界は、とくにここ、セレストメディエル聖教国の首都、セレスハートは大いに盛り上がりました。

 1000年ぶりに生まれた聖女様に、6000年ぶりに現れた女神の使徒様。

 その2人がそれぞれ女と男なのだから、2人が結婚することを強く望む声が各地から上がったのは当然の結果ですね。

 この女神の使徒様の登場により、それまで毎日のように来ていた婚約希望者が殆ど来なくなったのには助かりました。

 中には未だに来る、空気の読めない人もいて困っていますが・・・

 そしてもう1つ、私はその頃から、女神セレス様の声を聞けるようになりました。

 会話が出来るのではなく、聞けるだけです。

 礼拝堂でお祈りをしていると、偶に私に話しかけてくださいます。

 ただの雑談の時もあれば、どこかで飢饉が起きている、疫病が流行っている、戦争が始まろうとしている、などなどの情報を下さることもあります。

 私はその神託を聞くと、必ず教皇であるお父様に報告し、セレストメディエル聖教国の力で対処してもらうようにしています。

 飢饉なら食料を運び、疫病なら治癒魔法が使える司祭や医者を派遣し、戦争が始まりそうなら国と国の間に入って仲裁をする、といったように、出来る限り被害が少なくなるようにしてもらっています。

 その中で1つ、私にとってとても重要な神託が下りました。

 それは、


「セシリア、キミの婚約者にさせられそうな女神の使徒だけどね、キミの探し人かもしれないよ?」


 神託にしては妙にフランクなのが気になりますが、いつもの事なので。

 それはともかく!

 女神の使徒が私の探し人かもしれない、つまり、転生した星夜君!?

 それからの私は、女神の使徒が来てくれるのを心待ちにしていた。

 だって、女神様が態々教えてくれたんですよ?

 期待しちゃうじゃないですか!

 そして、私の10歳の誕生日まで残りわずかとなった時、事件がおきました。

誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです。

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