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第44話 ドラゴンすらも怯えさせる男

 「こいつらは俺の眷属のドラゴン達、その種族のまとめ役をしてくれている、俺の直属の部下だ。セレスにとっての神獣みたいなもんだな」


 なるほど!

 だから同じ色の、同じ種類のドラゴンがいないのか。


「おう、お前ら紹介するぜ!俺のダチで、同じく女神の使徒のレオナルドだ!」

「始めまして、レオナルド=シオン=スティードです」

「で、レオ。赤いのが火龍のロート、緑のが風龍のグリューン、黄色いのが光龍のゲルプ、茶色い地龍のブラオン、紫が雷龍のリラ、黒いのが闇龍のシュヴァルツだ。全て1000年以上を生きている古代龍(エンシェントドラゴン)だ」

「へぇ~~~~・・・・ん?ドイツ語?」

「気にすんな」

「はい」


 いや~、やっぱり僕はドラゴンが好きみたいですね!

 もう、何というか、とにかく興奮していますよ!

 前世の地球では、伝説やファンタジーのお話しの中にしか出てこないドラゴン!

 いや、まあこの世界が剣と魔法あって、魔物や魔獣がいるファンタジーの世界だとは理解していますけどね?

 それはともかく、そんな伝説の生き物が目の前にこんなにいるんですよ!

 え?魔獣や魔物はどうなの?あれも伝説やファンタジーの世界の生き物だって?

 あんなのとドラゴンを一緒にしないでください!

 格が違うんですよ、格が!

 理解されなくてもいいんです!

 とにかく僕は今、とても満ち足りているのですから!


「お~いレオ。感動している所悪いんだけどさ、コイツらがお前と闘いたいんだってよ?俺の言葉が信じられない訳じゃないんだけどな、どうしても人間が自分達よりも強いってのが信じられねぇのもいてよ?ワリィけど、闘ってやってくれねえか?」

『うむ、王の言葉を疑いたくはないのだがな、小さな人間が我らよりも強いというのは信じられなくてな』

『すみません、レオナルド。私達龍は強さこそを求められるので、強いという貴方とどうしても闘ってみたいのです』

『手間かけさせてワリィな!オレらも是非、お前の力を見てーんだよ!』

『王の話が本当なら、儂らでは歯が立たんじゃろう。すまぬが、6対1でも構わぬか?』

『はっはっはっはっ!さあ、人間の強者よ!存分にやろうではないか!』

『すまないね。みな、刺激が欲しくてね。悪いんだけど、私達の我が儘に付き合ってはもらえないだろうか?』


 順番に火龍ロート、風龍グリューン、光龍ゲルプ、地龍ブラオン、雷龍リラ、闇龍シュヴァルツが声?といういか念話で話しかけてきた。

 話し方から想像するに、この中では雷龍リラが一番好戦的で、光龍ゲルプがミコトさんに似た性格のようだ。

 予想外にも闇龍シュヴァルツが一番物腰が柔らかかった。

 いやだって、闇龍ですよ?鱗は真黒ですよ?

 ネーミングからして、魔神よりの、好戦的なドラゴンだと思っていましたよ。

 シュヴァルツさん、勝手な思い込みをしていて、失礼しました!

 彼らとやり合った所で、特に損は無いからね。

 正直、僕もドラゴンとは闘ってみたいと思っていたしね。

 え?ミコトさんと闘ったじゃないかって?

 ミコトさんは、最初は人間形態だったせいか、あまりドラゴンと闘った、っていう気にならないんですよね。

 だからノーカンでお願いします。

 それはさておき、僕の答えはもう決まっています。


「はい、やりましょう!こちらこそ、よろしくお願いします!」


 いや~、ファンタジーと言ったらコレですよ!

 ドラゴンとの戦闘!

 燃えますね!

 神龍との戦いは以下略で。



 早速外に出た僕は、6体の古代龍(エンシェントドラゴン)に囲まれる。

 あれ?普通は向かい合いませんか?


『では始めようか!』

「ちょっと待ったあ!」


 火龍のロートが戦いを始めようとするので、慌てて制止する。


『どうした?』

「いや、どうした?じゃなくて、何で僕はいきなり囲まれているのですか?」

『この方が我々に有利だからだが?』


 うわ、サラッと言いやがったよコイツ。

 決めた。

 一番最初にこいつを沈めよう。


『待たぬか、ロートよ。ちゃんと説明せねば、レオナルドには伝わらぬぞ?』

『そうだね。私達は挑戦させて貰う側なのだから、ちゃんと質問には答えてあげようか?』


 比較的温和そうな地龍ブラオンと闇龍シュヴァルツが、まともなことを言ってくれている。

 良かった。

 ドラゴン全てがロートみたいだったら、全員ボッコボコにして説教するところだった。


『なぜだ?あれ以上の説明が必要か?』

『そうだぜ!とっとと始めようぜ!』

『うむ!早く血沸き肉躍る戦いをしようではないか!』


 火龍ロートの言葉に、早く戦いたいのであろう光龍ゲルプと雷龍リラが続く。

 この3体は戦闘狂及び、脳筋担当なのだろう。

 要はスティード騎士団に近い種族だね。


『だから、待ちなさいと言っているでしょう!』

『もういい。儂らが説明するから、お主らは少し待っておれ!』

『重ね重ねすみません、レオナルド。ウチの血の気の多い連中が、とんだ失礼を致しました・・・』


 お構いなしに戦いを始めようとする3体に対し、暗龍シュヴァルツと地龍ブラオンが声を荒げ、風龍グリューンが申し訳なさそうに謝罪していくる。

 この3体は良識あるドラゴンのようです。

 手加減して、大ケガしないようにしてあげましょう。

 他の3体?

 死なない程度に痛めつけてやろうかな、と考えています。


『ふう、申し訳ない。今から説明するからの?』

「ええ、お願いします」


 やっと説明してもらえることとなった。

 僕の周りでは、暗龍シュヴァルツと風龍グリューンが、他の3体が余計なことをしないように見張っている。


『話は簡単での。儂らではお主の足元にも及ばんことぐらいは、王から聞いておるので分かっておるのじゃ。じゃがの、折角の王以外の強者と闘う機会じゃ。みな、少しでも長く戦いたくての。そこで、儂らにとって優位な状況から戦いを始めさせてもらいたいのじゃよ。まあそれでも、お主にたいしてどれだけの効果があるかは分からぬがの?』

「つまり、このままだと戦力差がありすぎるから、ハンデが欲しい、という事ですか?」

『まさしくその通りじゃ。どうじゃろうか?』


 そういう理由なら、僕には反対する理由はないですね。

 だって、ドラゴンとの戦闘ですよ?

 僕としても、少しでも長く楽しみたいですからね!


「ええ、そういう事なら構いませんよ?」

『おお、そうか!すまないのう』


 僕の了承を得たことで、6体のドラゴンが改めて僕を囲い始めた。


『何だよ、結局こうなるんじゃねえか。無駄な時間を使わせやがって』


 光龍ゲルプがブツブツ言っているのが聞こえた。

 よし、ゲルプからぶっ潰してやろう!


『では、戦いを始めようか!』

「ええ、先手は譲りますので、いつでもどうぞ?」

『そうか。では皆、準備は良いか?始めるぞ!』


 火龍ロートの号令で、開始と同時に一斉にブレスを放つ6体の古代龍(エンシェントドラゴン)

 その1発1発が普通の人間が、いや、超級の魔物が喰らっても一瞬で消滅させられそうな攻撃だった。

 そういえば、ミコトさんの最大の攻撃はブレスだったよね?

 もしかしてドラゴンにとって、ブレストは最大最強の攻撃なのかな?

 そんな攻撃が、6発まとめて僕に襲い掛かる。

 着弾点、つまり僕を中心に大爆発が起こり、周りの地面が余りの高熱でマグマ化して沸騰しているのが分かる。

 そんな攻撃に対し、僕はその場から動かず、そのまま喰らっていた。

 ブレス攻撃は1分ほど続き、破壊の嵐が巻き起こっていた。

 この嵐の余波だけで、周りの森にも大きな被害が出ているようです。

 あ、攻撃を放った古代龍(エンシェントドラゴン)でさえ、余りの威力の為か余波で被害が出ている模様で、無傷なドラゴンはいませんね。

 それほどの攻撃をまともに受けている僕はと言うと、受けたダメージは・・・・多少はあったけど、もう回復しました。

 攻撃が収まり、無傷の僕を見て、


『『『『『『ハァッ!?』』』』』』


 6体のドラゴン全てが、ブレスを放っていた時以上に、口を大きく開いてくれました。


『お主、アレを喰らっても無傷なのか!?』


 一番最初に立ち直った地龍ブラオンが、叫びながら言ってきた。


「まさか。多少はダメージを負いましたよ」

『じゃが、見た限りではどこにもダメージを受けた痕はなさそうだがの?』


 僕がダメージを受けたことを知り、ブラオンは少し冷静さを取り戻したようです。

 声が落ち着いてきましたね。


「ええ、たいしたダメージではなかったので、もう回復しました」

『かっ・・・・・!?』


 あ、今度は完全に絶句してしまいました。


『バカな・・・・あれは我々が出来る、最大威力の攻撃だぞ?なぜ、耐えられるのだ?』

『ヤベェ、コイツはマジでヤベェ・・・・』

『まさかこれほどとは・・・・』


 好戦的な3体のドラゴン達は、ずっとブツブツと言っている。

 ちょっと怖いな。

 まあ、いいや。


「じゃあ、今度はこっちの番ですね?」

『『『『『『え?』』』』』』

「じゃあ、行きますよ?」


 そして、人間によるドラゴン、それも厄災級の古代龍(エンシェントドラゴン)への一方的な攻撃が始まった。

 まずは火龍ロートから。

 顔の前まで移動し、デコピンををお見舞いする。


『ぐわああああぁぁぁぁ・・・・・・』


 あ、ステータスを抑制していないから、8億のSTRでやっちゃった。

 巨大なロートが、かなり遠くまで飛んで行ってしまった。

 あ、墜落した。

 う~ん、本来の計画では、抑えたステータスで以って、好戦的な3体のドラゴンを小突き回してやろうかと思っていたけど、残りの2体もすでに怯えているし、ここは同じくデコピンで勘弁してあげようかな?

 あ、良識派の3体のドラゴンも怯えている。

 こちらは攻撃しないであげよう。

 そうしよう。

 結論が出たので早速、雷龍リラと光龍ゲルプにデコピンをお見舞いする。


『ぎゃああああぁぁぁぁ・・・・・・』

『がああああぁぁぁぁ・・・・・・・』


 2人とも別々の方向に吹っ飛んでいきました。

 さて、残りの3体には、このまま続けるか確認だけしましょうか?


「さて、皆さんはどうします?まだやりますか?」


 彼方まで飛んで行った仲間を、口を半開きにしたまま見送っていた残りのドラゴン達が、一斉に首を横に振り出した。


『儂らの負けじゃ!降参する!』

『私達ではどうあがいてもあなたに勝てそうにありません!参りました!』

『身の程を弁えず、申し訳ありませんでした!』


 残りのドラゴン達が降参してくれたので、この戦いは終了となった。


 しばらくして、複数のドラゴンと共に吹っ飛んで行った3体も戻って来た。

 一緒にいるのは、同じ種族のドラゴン、つまり、彼らの仲間か家族なのだろう。

 彼らは僕の前まで来ると、古代龍(エンシェントドラゴン)を先頭に整列し、頭を地面に伏せて来た。


『レオナルド様、今までの数々の無礼なる振る舞い、まことに申し訳ございませんでした!』

『『申し訳ございませんでした!』』


 ロートが代表して謝罪してきた。

 急に態度が変わって、ハッキリ言って気持ち悪い。


「何なんですか急に?」

『我らドラゴンは、強き者には敬意を表するのです。そして貴方様は、我々よりも圧倒的に強い。ならば、龍王様の次に、我々は敬意を持って接させていただきます」

「え?う~ん、まあ、貴方たちがそれで良いなら構いませんよ」

『はっ、ありがとうございます。それと、1つお伺いしてもよろしいでしょうか?』

「何ですか?」

「レオナルド様のステータスは、どのくらいなのでしょうか?差し使いなければ、お教えいただけないでしょうか?」


 さっきまでのロートの話し方に慣れてしまっているので、今のコイツの話し方には違和感しか感じない。

 それは横に置いといて、僕のステータス?

 別にドラゴンになら知られても構わないから、教えてもいいか。


「平均値は8億以上ですよ」

『『『『『『8億!?』』』』』』


 6体の古代龍(エンシェントドラゴン)だけでなく、周りにいた他のドラゴンも絶句してしまった。


『なるほど、そうじゃったか。それでは、ステータスが500万程度の儂らでは、手も足も出ない訳じゃな』


 相変わらずブラオンが最初に復活した。

 この中で1番の年寄みたいだから、歳の功かな?

 そう言えば、ミコトさんを含め、ドラゴン達の簡易ステータス表示がされないぞ?

 レベルや年齢はおろか、名前さえも。

 何か秘密でもあるのかな?

 まあ、ここには1年近く滞在する予定なので、その間に調べてみよう。

 なんて考えていたら、ブラオンが皆をまとめて、話しをしていた。


『では皆の衆、各自で自分の部族の者たちに、レオナルド様には決して手を出さない。出してしまった場合は、命の保証は出来ない、という事を、必ず伝えるようにの』


 なんて言っていました。


 そんなことをやっていたら、ミコトさんがやって来た。


「よう、お前ら。どうだった?」

『ボス!無理っス!全力の攻撃は効かないわ、軽く弾かれただけでふっ飛ばされるわで、散々でした!』


 急に下っ端のような口調になったのは、話し方がミコトさんい似ていた、光龍ゲルプだ。


「そうかそうか。良く生きていたな、お前?」

『はい。自分もふっ飛ばされた瞬間は、死を覚悟したっス!でも、目が覚めると、盛大に落っこちたはずなのに、どこもケガしていなかったっス!』

「てことは、レオ、お前が治療したのか?」

「ええ、そうです。さすがはミコトさん。もうバレてしまいましたか」

「そんなことが出来るのは、お前しかいないからな。簡単に分かるよ」


 そう、デコピンを放った後、実はドラゴンの頭蓋骨を砕いてしまいました。

 このままでは死んでしまうと思い、吹っ飛んでる最中から墜落するまで、一切のケガを負わないように、支配圏を展開してフォローしていました。

 もしそのまま放置していたら、ロート、ゲルプ、リラの3体は、遠いお空へと旅立っていたことでしょう。

 危なかったー・・・


「でよ、お前ら」


 ミコトさんが、集まっていたのも含めた、全てのドラゴンに話しかけた。


「今さっき、邪神側のドラゴンが各地の住処から飛び出したみてぇだからよ。ちょいと狩ってきてくんねぇか?」


 その話を聞いた瞬間、ドラゴン達の目が光ったように見えた。


『よーし、雷龍達はこのまま西に向かうぞ!邪神のドラゴンなんぞにデカい顔をさせてたまるか!殲滅だあ!』

『よっしゃーカチコミだあ!行くぞ野郎ども!』

『王よ!1番手強いのはどの方角に?東か?では、我らは東の敵を平らげに行こうぞ!』


 そして、戦闘大好きドラゴンズがすぐに飛び出してしまった。


『では、儂らも行こうかの?』

『そうですね』

『では、邪神側のドラゴンを殲滅したら、またお会いしましょう』


 残されたブラオン、シュヴァルツ、グリューンも別々の方角に飛んで行った。

 ああ、ブラオンは地龍だけど、しっかり翼がありますからね?


「なんで彼らはあんなに活き活きとして、迎撃に向かったのですか?」

「単純に、魔神と女神が生んだドラゴンで、どっちが優れているのか証明したいんだよ。あいつらにとって、邪神側のドラゴンは目障り以外の何者でもないからな」

「ああ、そうなんですね・・・」


 1週間後、封印の間に籠って魔導具作成をしていた僕は、何体かは取り逃がしてしまったそうだけど、女神側のドラゴン達の圧勝だったという話を聞きました。 

誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです。

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