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守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第1章 アステリア王国 幼少期編
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第19話 家族と森へピクニック

 今、スティー家全員はダストレア大樹海の中にいる。何故かと言うと、魔導具の新装備を手に入れたお父様とお祖父様の2人が、庭に出て模擬戦をしようとした。だけどこの装備だと、下手すると家に被害が出そうだったので、どれだけ暴れても問題ないここに移動した。

 僕の空間支配を使えば、指定した空間内に魔物が入って来れないように結界を張るから安全だと説明すると、それならばと家族全員が一緒に行くことになってしまった。

 もちろんその中には、まだ幼い妹のシャルもいる。そういえば、シャルが産まれてから家族全員が一緒に外出したのは初めてだったな。これは森へ家族と一緒にピクニックに来たと言えるのではないだろうか?

 なんて考えていると、早速お父様とお祖父様が模擬戦を始めようとしていた。

 ここから50mは離れているとはいえ危険なので、僕が家族の前に立ち、何かあっても守れるようにしている。そんなことしなくても、空間支配を使えば透明で強力な結界も張れるけど、家族を安心させるために敢えてこうしています。みんな僕のステータスを知っているからね。


 お父様とお祖父様が5mくらい離れて対峙している。付与した効果はまだ説明していないんだけど、まず2人は何も知らない状態で試してみたい、とのことだった。

 呼吸を合わせて2人が同時に動く。が、急激に上がったスピードに驚き、2人ともお互いにすれ違い、30m近く離れた場所で止まる。


「「レオっ!」」


 2人同時に僕に向かって叫ぶ。


「「何だ今のは!?」」


 まあ、そりゃほとんどのステータスが上がっているから、いつもと同じに動こうとすると、そうなるよね。だから説明しようとしたのに、断るからそうなるんだよ。


「それは、AGLが上昇しているからですよ!」


 2人は少し考え込んで


「すまない。やっぱり装備に関して説明してくれ」

「そうだな。このままで力の加減が分からなくなってしまいそうだな」


 結局、説明をすることになった。


「まず、防具一式はそれぞれ体がVIT,腕がSTR,足がAGL、お父様の場合はヘルム、お祖父様の場合はアミュレットがMNDを上昇させています」

「それは、どのくらい上がっているんだ?」

「そうですね。だいたい1万くらいですね」

「「「1万!?」」」


 お父様とお祖父様だけでなく、話を聞いていたジェシー母様も驚愕する。あ、いっけね。自分のステータスを基準に考えていたから、1万程度の上昇なんてたいしたことない、と思っていたけど、普通に考えると規格外の上昇率だった。まあ、もう今更だからいいや。


「それと、全ての防具にMP回復も付与してあるので、どれだけ装備を使っていても、MP切れになることはありませんよ」

「待て!待て待て待て!レオ、ちょっと待ちなさい!」


 お父様が慌てて説明に割り込んできた。


「はい?何でしょう?」

「いくつも聞きたいことがある。まず、この装備は、全部2つの付与がされているのか?」

「はい。各ステータス上昇とMP回復が付いています」


 何気なく答えた。


「バカな・・・複数付与だと?」

「それがどうかしたんですか?」


 何をそんなに驚いているんだろう?


「いい?レオナルド。良く聞いて」


 絶句しているお父様に代わり、ジェシー母様が答えてくれた。


「複数付与された魔導具ってね、物凄く貴重な物なの。それこそ国宝級の価値があると言えるのよ」

「は?」


 まさかの国宝級の代物を作ってしまってた!?いや、でも1日で作れるような物ですよ?


「冗談ですよね?」


 わずかな期待を込めて聞いみる。


「冗談ではない。本当のことだ」


 お祖父様が答えてくれる


「ただでさえ魔導具は作るのが難しく、貴重な物だ。普通は1つの魔導具を作るのに、何人もの専門家が集まり、共同して作る。それでも1つ作るのに5日は最低でもかかっているのだ」


 それは知っている。魔導具に関する本が家にあったので、目は通してある。


「そして、魔導具の核となる魔方陣は複雑故、1つ作るだけでも大変な労力だ。そんな魔導具に2つの付与がされるなど、普通の技師では考えられん行為だ。確かに2つ以上の付与がされた魔導具もあるが、それは神の御業としか言えん。それらは神器とも呼ばれているのだ」


 マジッすか?どうしよう。剣の説明をしたくなくなってきた。だって、3つも付与してるんだもん。


「まあ、このようなものが目の前にある以上、信じるしかないな。で、他には何があるんだ?」


 なんとか立ち直ったお父様が続きを促す。


「防具に関しては以上です。続いて剣の方なんですが・・・」


 ちょっと口ごもってしまう。だってねえ・・・


「どうした?もう驚かないから、正直に言ってみなさい」

「分かりました」


 お父様に促されて、伝える決意をする。


「剣、と言いますか、本体は柄になります。この柄に付与したのは、STR上昇と斬撃強化と耐久上昇の3つです。それと、鞘の方にHP回復の付与をしてあります」

 説明が終わって顔を上げると、お祖父様とジェシー母様は唖然として口を開き、よく分かっていないメルト兄様とアンは大人達の反応に付いていけずキョロキョロして、シャルを抱えたお母様は相変わらずニコニコ笑顔で、驚かないと言ったお父様は、顔が引きつっていた。

「レオ、その、剣と鞘に付与された効果はどのくらいなのだ?」


 お父様が何とか声を絞り出して聞いてくる。


「STR上昇は、防具と同じく1万、斬撃強化は斬撃を放つ時限定ですが、こちらもSTRが1万上昇し、斬撃の切れ味が鋭くなります。耐久強化は、剣の耐久値が上がるので、そうそう壊れません。鞘のHP回復は、取りあえず即死でなければ命が助かる程度に回復します。」


 長い、とても長い沈黙が訪れた。どれだけの間沈黙していただろうか?そろそろ声をかけようかと思った時


「ふ、ふふふ、ふははははっ!」


 お父様が笑い出した。それに釣られたのか


「ははははっ、はぁーはっはっはっはっはっ!」


 お祖父様も笑い出した。


「素晴らしい!余りのことに動転してしまっていたが、何のことは無い。今までの数倍強くなれる。ただ、それだけのことではないか!」

「そうだなグレン!今まで聞いたこともない付与に驚いてしまったが、そんなことは些細な問題よ!より強くなれるのに、何を呆けていたのだろうな、私達は!」


 さすがは脳筋!細けぇことはいい!強けりゃいいんだ!という基本スタンスに戻ったらしい。事実、これらの装備はただでさえ強者の2人が、今まで以上に強くなれる、という代物だからね。

 スティード家の常識人、ジェシー母様だけはまだ固まってしまっているが、ここは放置しよう。


「それにしても、この装備を付けて剣を振るえば、STRが3万も上昇するとはな?」

「そうだな。これは模擬戦ではなく、魔物を相手に剣を振るった方がいいな」


 という訳で、模擬戦から魔物討伐へと変更されました。とはいえ、急激に上昇したステータスに慣れるために、しばらく体を動かしてから、となった。

 僕はその間に、この近くにいる魔物を支配圏を広げて探す。いつもは範囲を限定している支配圏を1㎞まで広げ、見つけた魔物を片っ端からこちらに誘導しておく。


 20分ほどして、上昇したステータスの動きに慣れたのか、お父様とお祖父様が魔物を狩りに行こうとするのに合わせて、こちらに誘導してきた魔物を呼び寄せる。当然、結界は解除済み。

 まずはオークの群れが30体やって来た。オークとは2足歩行した2mほどの大きさの豚というか猪のような顔をした魔物で、気性は荒く、集団で敵に襲い掛かる。その習性は、殺した獲物を食料とし、もし人型の女がいれば、繁殖用の苗床として連れ帰り、死ぬまで子を孕ませ続ける。

 そのことをしっているジェシー母様が少し怯え、アンをギュッと抱きしめる。万が一の時は、わが身を盾にして、娘を守るつもりなのだろう。まあ、そんなことは起こらないけどね?

 話しを戻して、オークの力は普通の人間を圧倒的に上回り、兵士でも1対1で戦って勝つには、それ相応のレベルが要求される。そんなオーク30体の内、5体は3.5m近くの身長を持つ上位種のハイオークで、1体がさらに巨大な上位種、5mのオークジェネラルだった。普通なら、100人以上で戦わなければならないほどの脅威なのだが、そこはアステリア王国が誇るスティード家の当主と前当主。微塵の躊躇もなく2人で30体のオークに斬りかかる。


 魔導具の装備に身を包んだ2人は、一瞬にしてオークの視界から消えた。先頭にいたオークは、気付いた時には視界が下にズレて、そこに剣を振りぬいた姿勢の騎士を見つけた。だが、見つけただけで体が動かない。なぜと考える前に、その意識は闇へと沈んだ。

 一瞬にしてオーク目の前まで移動したグレンは、剣を左下から右上に向かって切り上げた。その斬撃の威力は凄まじく、分厚いオークの体を斬ったのにも関わらず、一切の抵抗を感じなかったばかりか、後ろにいたもう一体のオークをも切断していた。鋭すぎる斬撃が、真空刃を発生させていた。斬られたオークは、自身に何が起きたのか理解する前に絶命したことだろう。

 少し離れた所では、ジルベストが上から下に向けた、いわゆる唐竹割でオークを真っ二つに両断し、こちらも同じく後ろにいたオークを、真空刃でまとめて斬っていた。

 一瞬驚きに動きが止まった2人だが、そこは歴戦の戦士。すぐに動き出し、次の獲物に斬りかかった。2人が剣を振るえば、必ずオークの命が絶たれる。その鋭い剣は、オークの持つ武器、長剣や槍、こん棒や斧などをまとめて切り捨てている。そう、防御が出来ないのだ。さらに性質が悪いことに、この2人が速すぎて、動きを捉えることが出来ない。


 僅か5秒程度の時間で、10体のオークが絶命した。目の前に転がる同胞の亡骸を見て、後ろにいたオークジェネラルが吠えた。オークジェネラルはハイオークを引き連れ、グレンに向かって突進していく。まずはグレンから倒そうとしたようだ。しかし、グレンが消えた。そう思った時には、5体いたハイオークが両断されていた。3体をグレンが、2体をジルベストが屠っていた。

 部下を殺されたことで怒り狂ったオークジェネラルが、手に持った巨大なこん棒をグレンに向けて振り下ろす。その時、あれだけのスピードで動いていたグレンが、一切動かなかった。オークジェネラルは勝利を確信し、渾身の力でこん棒を叩きつけた。

 ドカンッ!と爆発音が響き、こん棒の下の土が飛び散っていた。だが、いつもと違う。オークジェネラルは違和感に気付いた。

 いつもなら、こん棒で潰した相手の血や臓物、肉片が飛び散っているはずなのに、飛び散ったのは土だけ。いや、その前に、何か硬い物に当たらなかったか?あれは生き物を潰した時の感触ではなかった。

 そう思ってこん棒を上げると、そこには無傷のグレンが立っていた。


「ふむ。素晴らしい!これほどの攻撃を受け、無傷とはな。多少の痛みはあったが、もう引いている。なんという防御力だ!」


 オークジェネラルは戦慄した。こんなことは今まで無かった。腕試しに相対したオークキングですら、ダメージを与えられた一撃が、こんな小さな人間に通用しなどと・・・

 そこでオークジェネラルの意識は途絶えた。


「オークジェネラルさえも一撃で屠れるとは、なんという攻撃力だ」


 他のオークを殲滅したジルベストが、容赦なく斬りかかっていたのだ。オークジェネラルも、他のオークと同じく一撃での決着だった。


「お疲れ様でした、お父様、お祖父様。装備の使い心地はいかがだったでしょうか?」


 オークを殲滅したお父様とお祖父様に声をかける。


「素晴らしいの一言に尽きる。なんだこれは?あのオークが、何の抵抗もなく両断出来たぞ!」

「うむ。以前に1対1で相当苦労して倒したオークジェネラルが、一刀で切り捨てられたのは爽快だったぞ!」

「防御も素晴らしい!あのオークジェネラルの、渾身の一撃にすら無傷で耐えられるとは!大けがを覚悟して受けたのだが、あれには驚かされたぞ!」


 大好評でした。本来なら騎士団で討伐するようなランクの魔物の群れを、たった2人で、それも1分程度で殲滅できたのだ。それだけこの装備のバフが、どれだけ異常、ではなく、凄いか分かるというものでしょう。でもお父様?大ケガ覚悟でって、もし本当に大ケガしていたらどうすんですか?まあ、鞘にはHP回復(大)が付いているから、すぐに傷は癒えたでしょうけど。


 その後も2人は興奮して僕の魔導武器を褒めたたえ、お互いに気になった点を言い合い、少し体を動かしている。

 僕の後ろでは、ジェシー母様とメルト兄様が


「お母様。オークってあんなに簡単に倒せる相手なんですね!」

「違うわメルト!あの2人が異常なだけよ!あ、レオも入れて3人ね。いい?決してあの3人のマネをしてはいけません!メルトにはまだ早すぎるわ!」

「分かりました・・・。僕もいつか、お父様やお祖父様のように戦うことが出来るようになるのでしょうか?」

「それは大丈夫よ。あなたはその2人の血を引いているのだもの。もっともっと訓練すれば、きっとあの2人にも追い付けるようになるわ!」

「はいお母様!僕もいつか必ず強くなって、魔物を倒せるようになります!」


 と話し合っていた。何なら、メルト兄様の用の魔導具でも作ろうかな?と思っていたら、


「レオ!」

「何でしょうか、ジェシー母様?」

「もしメルトに、魔導武器を作ってほしいって言われても、絶対に作らないでね!いい!約束よ!?」


 先に釘を刺されてしまいました。


 お父様とお祖父様の振り返りが終わったようだ。きっと、今話し合った内容を実践で試したいと思っているのだろう。


「お父様、お祖父様、実はまだまだこの周りには魔物がいますが、どうしましょうか?まだ続けて戦ってみますか?」


 そう、この近くにはまだまだ魔物が200体以上いるのだ。装備の慣らしには持って来いだけど、2人はどうするのかな?


「「やる!」」


 さすが脳筋!当然ですよね!では次の魔物を誘導して、と


「では、今から魔物が60体ほど来ます。今度はゴブリンの群れです」


 そう伝えると同時に、ゴブリンの群れが現れた。


誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです。

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