表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守るために無双します~お前はこの世界をどうしたいの?~  作者: 枯山水庭園
第1章 アステリア王国 幼少期編
16/142

第16話 女神の使徒と言う名前のパシリ

改稿:お金の種類を増やしました。さすがに同じ種類の硬貨100枚で次のランクの硬貨になるのでは、持ち運びが大変だろう、と思い、10枚単位で変わるようにしました。

 衝撃の空間転移初体験から、質問タイムはまだまだ続いた。

 質問が始まった時、ダストレア大樹海で修行していたことを否定されたけど、空間転移を見せたことで、全員納得してくれた。こんなことが出来るヤツが、普通なわけがない、という判断だったと思う。

 今はステータスの話しになっている


「ではレオ。お前のその、異常に高いステータスの秘密は何だ?」


 そう、お父様のレベルは58で、ステータスはだいたい5500。僕はレベル68で、ステータス平均が80万以上。レベル10の差で、これはおかしすぎる、ということです。


「これは僕が生まれつき持っているユニークスキルの1つ。成長補正(極)のせいだと思います」

「なに!?ユニークスキルだと!?」

「しかも、今の言い方だと、まだユニークスキルを持っているようだぞ!?」


 お父様とお祖父様が叫んだ。

 いちいち反応するのが面倒になって来た。取りあえず成長補正の説明をする。


「この成長補正(極)とは、言葉の通り、成長を大きく助る物です。これのおかげで、僕のレベルはすぐに上がり、ステータスも大幅に上昇しているのです」

「そ、そうか・・・それで、あのステータスなのだな。しかし、ユニークスキル持ちだったとはな。あれは一国に1人いるかいないかの割合でしかない、超レアスキルだぞ」

「うむ。私も今まで、2人しかユニークスキル持ちを見たことが無い。それでレオよ。他のユニークスキルは何があるんだ?」


 一国に1人いるかいないかって、ユニークスキルってどんだけレアなんだよ?大量のポイントを使ってゲットして良かった。神様、アドバイスありがとうございます。

 それはさておき


「残りは、空間支配ですね。このスキルによって、僕は空間転移が出来るんですよ」

「なるほど。ユニークスキルなら、空間転移できるのは納得だな」

「で、もう1つが・・・」

「「「まだあるの(か)!?」」」


 これには全員ビックリ!ユニークスキル1つでもレアなのに、それが3つもあるんだから当然か。あ、事態がよく分かっていないアンと、いつでもブレないお母様だけは例外です。


「はい、最後の1つは魔導具作成(極)です。これは、材料さえあれば、どんな魔導具でも作れるスキルです」

「魔導具、だと?」

「世界中でも作れるものが殆どいない、あの魔導具か?」

「ウチでは書庫に使っている、あの魔導具よね?」


 大人達が恐る恐る聞いてくる。


「はい、その魔導具です。作ったのがありますけど、見ますか?」


 そう言って、僕は異空間収納から小型の冷房装置を取り出した。


「ちょっと待て。レオ、今どこから出した?」


 あ、そういえば異空間収納のことを伝えていなかった。


「すみません。言い忘れてましたが、空間支配のおかげで、僕は異空間収納を持っているんですよ」

「「「・・・・・・」」」


 一同絶句。状況が分かっていないアンが


「おとうさま、おかあさま、どうしたの?」


 無邪気に訪ねてきます。

 沈黙を破ったのはお父様


「はあ、もう驚き疲れた。取りあえず、全てを受け入れるとしよう」


 その言葉に全員が頷いた。そりゃあ、さっきから驚きっぱなしですからね。


「それで?その魔導具は何なのだ?」

「これはですね、魔力を通すと冷たい風が出てくる、冷房装置です。こんな感じです」


 そう言って、魔力を少し流す。すると、大人達の興奮により熱気に満ちていた馬車に、涼しい風が流れ込んできた。


「何だこれは!?」


 全てを受け入れると言った皆さん。また驚愕しています。

 もう無視して、どんどん行きます。


「それでこちらが、ゴミを吸い取る掃除機です。そしてこちらが・・・」


 レオナルドの魔導具発表会は、家に着くまで続きました。


 本日のご注文の品

・屋敷と騎士の詰め所の全部屋に冷房・暖房設置

・洗濯機、乾燥機10台ずつ

・掃除機を執事とメイドとお母様全員分

・お父様、お祖父様専用のステータスUP装備一式

・騎士全員にステータスUPの装備一式

 期限は無いけど、出来るだけ早く!優先順位は上から順に!材料費は出すけど、報酬は無し!

 無茶言ってくれるよこの家族・・・

 装備が後回しなのは、現状の装備でも特に問題が無く、もし手に負えない魔物が出た場合は、僕が対処することになりました。はぁ~・・・


 お披露目会から戻って2日後、教会に行くことになりました。これも貴族の通例で、生まれた直後に1回、お披露目会が終わったらもう1回、教会にお祈りに行くことになっている。

 生まれた時は、この世界に生を受けたことを神に感謝するために。お披露目会の後は、5歳まで成長することが出来たことを神に報告するために。

 1回目はまだ自我が目覚めていなかったので、実質、僕にとって初めての教会となる。一緒に行くのはお父様とお母様のみ。これは、本人と両親だけが行う儀式らしい。


 この世界の神の名はセレス。女神であり、この世界の唯一神である。今から行く教会は、世界最大の宗教である女神教の教会である。世界最大の宗教と言うより、これ以外の大きな宗教がないのだ。

 と、言うのも、女神様は実在しており、過去に何度か地上に降臨したこともある、と史実に残っているらしい。さらに、女神の使徒、と呼ばれる女神様の代行者も存在していて、世界を導いてきたそうだ。

 ここまで存在が確かな女神様がいるのに、態々新しい神を奉る者は殆どいない。極稀に新しい宗教もできるらしいけど、胡散臭すぎて誰も近寄らないし、大抵、ろくでもないことを企てるので、何かをやらかすと同時に潰されているらしい。


 そんな女神教の教会に行き、入り口でシスターにお布施として硬貨を数枚渡して中に入る。あれ、金貨だよね?どんだけ太っ腹なんだ、我が家は?

 ついでだから、この世界のお金について説明しましょう。

一番下は銭貨で1枚1円くらいの価値。次が青銅貨で1枚10円くらい。次が銅貨で1枚100円くらい。次が大銅貨で1枚1000円くらい。その次が銀貨で1枚1万円くらい。その次が大銀貨で1枚10万円くらい。次が今お布施で渡した金貨で1枚100万円くらい。最後が白金貨で1枚1億円くらい。普通の人は、金貨以上の硬貨を持つことは無いけど、貴族になると結構使ったりする。

 ちなみに僕のお小遣いは、0です。まあ、5歳児だからね。欲しいものがあれば、お父様かお母様にお願いすれば何とかなる。

 最近買ってもらったのは一昨日で、その価格は何と、金貨1枚!その内容は、冷房、暖房を造るのに必要な材料。今、一番欲しかったのがこれって、それでいいのか五歳児?


 教会の祈りの間に着き、司祭様からお祈りの作法の説明を受ける。

 両親に挟まれて並び、祈りの間の奥に奉られている女神像の前まで行き、男性は片膝、女性は両膝をついて、両手を胸の高さで組み、頭を垂れ、目を瞑る。そこで、神への感謝の言葉を伝え、終わったら、ゆっくりと頭を上げて立ち上がる。よし、覚えた。

 早速両親と並んで女神像の前へ行き、祈りの姿勢を取り、目を瞑ったところで、僕の意識だけがどこかに飛んだ。


 目を開けると、そこは真っ白な空間だった。そう、この世界に転生する前に、神様と出会い、スキルを貰った、あの狭間の世界とそっくりだった。

 違いは、始めからテーブルと椅子があり、女性がイスの横で立って待っていることだろう。


「やあやあ待っていたよ、レオナルド=シオン=スティード君。それとも神楽(かぐら)(せい)()君の方が良かったかな?」


 人懐っこそうな笑顔を浮かべて、その女性は声をかけてきた。


「レオナルドでお願いします。神楽星夜はもう死んでいますので。ところであなたは、女神セレス様でしょうか?」

「うん。そうだよ。私はセレス。この世界の神をやっているよ。よろしくねレオナルド」


 やっぱり女神セレス様だった。

 セレス様は、ふんわりウェーブのかかった膝まで伸びた長髪で、髪の色は深い緑色。服装はゆったりした白いローブを羽織っている。教会にあった女神像と殆ど同じだ。違いは、その表情か。先述の通り人懐っこい笑顔を浮かべている。話し方も、女神様と言うよりかは、友達みたいにフランクだ。


「それで、女神様が僕に何の御用でしょうか?僕は今、教会で女神様にお祈りを捧げようとしていた所なのですが」

「うん。ちょっとね、君にお願いがあるんだよ。その為に、この世界に意識だけ招待したんだ。あ、安心してね。向こうの世界じゃ、まだ1秒も経ってないから。ここに10分いたとしても、向こうじゃ数秒しか経っていないはずだよ」


 どうやら、この世界では時間の流れが違うらしい。それにしてもお願い?女神様が僕に?何だろう?


「まあまあ、立ち話も何だしさ。ホラ、座って座って!」

「失礼します」


 女神様に促され、女神様の対面に座る。


「それで、お願いとは何でしょうか?」

「うん。簡単に言うとね、地上に行けない私の代わりに、地上での問題を解決してもらいたいんだ。普通の人間には無理でも、君のスキルとステータスなら問題なく出来るんだけどさ。どう?」

「どう、と言われましても。少し考えさせてください」


 ちょっと考えてみる。まあ、女神様が態々僕をこの空間に呼んでまでお願いしてきているから、聞いてもいいんだけど、僕にもこの世界でやりたいことがあるし、どうしよう?

 あ、そうだ!


「分かりました。お引き受けします。」

「本当!?ありがとう!」

「ただ、1つだけ僕のお願いを聞いてもらえないでしょうか?」

「別にいいけど、それってもしかして高原雪乃(たかはらゆきの)君に関することかな?」

「はい、そうです」


 そう、僕がこの世界に転生した目的は、雪乃を守るためだ。せっかく女神様と話すことが出来るんだから、今の内に聞いておこう、と思ったんだけど、女神様は予想していたようでした。


「うん。それなら大丈夫だよ。元々、このお願いの交換条件として提示するつもりだったから」

「本当ですか?それでしたら喜んでお引き受けします!」


 これで、僕が依頼を受ける立派な理由が出来た。


「それで早速なんですけど・・・」

「ああ、待って待って。まだ続きがあって、実は依頼はいくつもあってね。1つ依頼を達成したら、その報酬として何か1つお願いを聞いてあげようと思っているんだ。もちろん、不可能なこともあるけどね?この条件でどうかな?」

「はい、問題ありません」

「良かった。それとこれは警告だよ。相手の話しを聞き終わる前に、仕事の安請け合いはしない方がいい。その状態で報酬だけを先に貰うのも控えるべきだね。でないと、どんな無茶な要求を後でされるか分かったもんじゃないよ?報酬を貰った後だと、断ることも難しいからね」


 女神様から警告を頂いてしまった。雪乃の情報を貰えると知って、冷静さを欠いていたのは事実。これからは気を付けよう。ちゃんと話を聞き、理解したうえで依頼を受けるようにしよう。

 でも、これって、黙っていた方が女神様にとって有利だったのでは?思わず質問してみると


「だって、嵌められたっ!とか言わて、仕事を放棄されても嫌じゃない?お互に納得してからの方が、今後の仕事もやりやすいってもんでしょ?」


 とのことでした。


「それでね、今回はまず依頼を受けてくれるお礼に、特別に高原雪乃君について教えるよ」

「はい、お願いします」


 そう、雪乃の情報が欲しかった。今、どこにいるのか?そもそも、この世界にいるのか?


「まず、雪乃君はこの世界に転生しているよ」

「本当ですか!?」

「うん。年齢は君と同じ5歳で、今は何不自由なく生活できているよ。で、今どこにいるか、についてなんだけど、それは教えられない」


 え?


「どうしてですか?」

「ちょっと特殊な環境にいてね、今の君が会いに行ったところで、会うことすらできないんだよ。そのステータスなら強引に会えなくもないけど、そうすると君は犯罪者になってしまう恐れがある。だから、今は教えられない」

「そんな・・・それならいつになれば会えるんですか?」

「そうだね、早くて5年かな?8年以内には会えると思うよ?」


 あれ?会いに行けるんじゃなくて、会える?どういうことだろう?


「まあ、簡単に言うと、私の依頼をこなしていけば、必ず会えるってことさ!」

「なるほど!俄然ヤル気が出てきました!」

「うんうん、その意気だよ!じゃあ、早速最初の依頼なんだけどね」


 女神様からの初依頼、何だろう?


「ダストレア大樹海ってあるでしょ?君が良く修行している。あそこの中心にあるノイシュヴァン山脈のどこかにいる、龍王に会って来てよ!」


 いきなり、世界で最も危険な場所への冒険と来ましたか!しかもどこかにいる龍王って。


「分かりました。その龍王に会ってどうすればいいんですか?」

「それは秘密!会えば分かるよ!」


 うわ、何だこのブラックな香りは!?1番受けちゃいけない依頼の類じゃないのか?さっきのお互いが納得~のくだりが、胡散臭くなってきた。


「期限は特にないけど、5年以内が良いかな?あと、あんまり早すぎても意味が無いから、3年以降に接触するようにしてね。それまではゆっくりレベルでも上げていてよ!」


 レベルを上げろって、何だ?その龍王を討伐するのか?どんどん不安になって来た


「あの~、依頼のキャンセルって・・・」

「キャンセルはダメだよ?だって報酬の先払いしちゃったからね?」

 くそっ!確かに雪乃の情報を貰ってしまった!

「まあまあ、もし雪乃君に何かあったら、依頼中でも必ず教えてあげるからさ?それに、依頼を達成したら、ちゃんと報酬としてお願いを1つ聞いてあげるからさ」

「分かりました。一度引き受けると言った手前、キャンセルは失礼でしたね。全力で依頼に臨ませてもらいます」

「うんうん、ありがとう!いや~これでパシリが1人増えたよ」

「女神様、今何と?」

「いや、何でもないよ~?じゃあ、そろそろお別れだね。私に会いたくなったら、私の像の前でお祈りすれば、この空間に来られるからね!それでは新たな女神の使徒、レオナルド=シオン=スティードよ!また会おう!バイバ~イ!」


 いや、今絶対パシリって言ったよなあの女神!て言うか、最後になんて言った?女神の使徒?僕が!?


 薄れていく意識の中で、僕は真実を悟った。

 女神の使徒って、要は女神様のパシリに付けられる称号なんだ・・・


誤字、脱字など、お気付きの点が御座いましたらご指摘をお願いいたします。

もし、この作品を読んで面白い、と思って頂けたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ