第101話 故郷への帰還
投稿が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
プライベート、特に仕事が多忙につき、この2ヵ月間何も出来ませんでした。
本日から投稿を再開しますので、よろしくお願いいたします。
光の翼を羽ばたかせながら、僕は今、ダストレア大樹海の空を超高速で飛んでいます。
やることが済んだので、久しぶりの我が家に向かって一直線ですよ。
あ、このダストレア大樹海ですが、地上では空間の歪みが多くあり、歩いていたらとんでもない距離になってしまいます。
対して、空は空間の歪みが少ないので、急いでいる時は空の方が断然早いんですよ。
まあ、空を飛べるのはごく限られた種族だけで、さらに言うなら、空を飛べる人間自体少ないですし、こんな長距離を飛行できる人なんて僕以外いないのではないでしょうか?
なので、たいして意味のない知識なんですけどね。
そして、ダストレア大樹海の中央、ノイシュヴァン山脈の近くを飛んでいる時、それは急に来た。
突如、僕の進行方向を塞ぐような形で、極太のビームが飛んで来たわけですよ。
「うおっ!?」
突然の出来事に、僕はその場で停止せざるを得ませんでした。
ここに来るまで、例え厄災級のドラゴンが進路を塞いだとしても、一切スピードを緩めることなく、魔導銃1発で撃墜してきた僕が、です。
それ程の威力のあるビームであり、ビームはもう消えているにも関わらず、それが貫いた空間は未だに帯電している。
こんなことが出来るのは、ダストレア大樹海広しと言えど1人しか、いや、1体しかいない。
そのビームの発生源の方へ向かって急いで飛んで行くと、そこには金髪金眼で黒の衣装に身を包んだヴィジュアル系のお兄ちゃんが手を振って待っていた。
「おいおい、レオ。今お前、俺のこと無視して通り過ぎようとしなかったか?」
「いや~スミマセンでした、ミコトさん。家に帰ることで頭がいっぱいで、すっかり忘れていましたよ」
この人は僕と同じ日本人の転生者で、ここ、ダストレア大樹海の頂点に君臨している『龍王』のミコト=シューティングスターさんです。
今の見た目は人間だけど、真の姿は100mの巨大なドラゴン、『神龍』だったりします。
ちなみに種族が『神龍』で、『龍王』は龍族を束ねる者に与えられる称号です。
「マジかよ、コイツ・・・・まあ、いっか?折角だし、ちょっと遊んでけよ」
「そうですね。じゃあ、また少しお世話になりますね」
そして僕は、ミコトさんに誘われるまま一緒に遊びました。
もう、それは全力で!
時間が経つのを忘れるほどに!
その結果・・・・・
「ん?そういやお前、家に帰る途中じゃなかったっけ?」
「え?・・・・・あ、忘れてた・・・・」
気付いたら、2ヶ月も遊び倒していましたよ・・・
「じゃあ、ミコトさん!お邪魔しました!またいつか遊びに来ますね!」
「おう!長々と引き留めて悪かったな!お、それと俺の子孫のこと、忘れんなよ?」
「ええ、必ず。では、また!」
「おう、またな!」
ミコトさんと別れの挨拶をして、今度こそ本当に家路につこうと空に浮かぼうとしたその瞬間、
「ん?おいレオ、ちょっと待て!」
ミコトさんに呼び止められてしまいましたよ。
さすがにこのタイミングは無いでしょう?
「何ですか、ミコトさん?」
ちょっと不機嫌になってしまったのは仕方がないですよね?
だって、別れの挨拶をした直後ですよ?
こっちはもう、完全にこの場を離れて急いで家に帰ろうとしていたんですよ?
いったい、何なんですか?
「あ、いや、そんなに睨むなよな?いやな、ちょっと気になったことがあるんだけどよ?」
「?何ですか?」
「お前、急いで家に帰りたいんだよな?」
「ええ、そうですよ?」
「じゃあ、何で態々空を飛んで行こうとしてんだ?」
「何でって、それが一番早いからですよ」
「あ~・・・・やっぱ気付いてねぇな、コイツ・・・」
ミコトさんが、何か可哀想な者を見るような、憐みの目で僕を見ている。
え、何で?
「僕が気付いていないって、何にです?」
「お前、『空間転移』出来るよな?」
「ええ、できま・・・・・あ」
「まあ、なんだ・・・そういう事だ」
そう、今の今まで忘れていましたよ。
僕、『空間支配』のおかげで、『空間転移』が出来るんでした!
その範囲はINT×1㎝となっていて、僕のINTは14億あります。
つまり、1万4000km以内なら『空間転移』で一瞬で移動できる、という事です。
簡単に言うと、このダストレア大樹海はもとより、レシタクルス大陸の端から端まで、『空間転移』だけで移動できちゃうんですよ。
地球だと、東京を始点とした場合、東はニューヨーク、西はヨーロッパ最西部のポルトガル辺りまでですかね?
余談ですが、ユーラシア大陸の最東端から最西端までは約1万5000kmと言われています。
いや~、『空間転移』は便利だけど、使う機会が全くなったから、すっかり存在を忘れていましたよ!
「そのまま飛んでってもいいけどよ、『空間転移』した方が早いだろ?」
「ええ、確かに!教えてくれて、と言うか、思い出させてくれてありがとうございます!」
「いや、そんな超レアスキル、フツーは忘れねぇだろ?まあ、いい。今度こそお別れだな」
「ええ、それでは改めて、また遊びに来ますね!」
「おう、達者でな!」
そうして僕は『空間転移』を使って、ダストレア大樹海最北部、つまり、我が家のあるスティード領の手前まで移動しました。
手前と言っても、普通の騎士団や冒険者では決してたどり着けない距離、ダストレア大樹海に入っておおよそ2週間と言った所かな?そんな場所にいます。
なぜ直接、家まで転移しなかったのか?
それは、帰ってくる時は事前に連絡をするように両親から、特にお父様から言われていたからです。
一応、セレスハートを出る前日の夜に、明日からアステリア王国に帰る旨を手紙に書いて『異空間ポスト』を使って送ってはあるんだけど、詳しい日時は伝えていませんでした。
それと、ミコトさんと遊んでいる間は一切家に連絡をしていませんでしたね・・・
と、言う訳で、僕はここにいつもの小屋を建て、家族に手紙を書くことにしました。
明日の昼頃、ダストレア大樹海から帰還します、と。
すぐに返事が返って来て、『家族全員でお前が帰ってくることを楽しみにしている』と、書かれていました。
つまり、明日は家族全員が家にいるってことだね。
3年ぶりの家族に会うのが楽しみですよ!
さあ、明日に備えて眠ろう!
翌日、僕はいよいよ懐かしの我が家へと向け、このダストレア大樹海から出ました。
『快適睡眠』と『疲労回復』の付与をした特製の布団でグッスリ眠ったおかげで、もうすぐお昼になろうと言う時間です。
もうすぐ家に帰れるからと気が緩んでしまったのか、二度寝して惰眠を貪っていたらこんな時間になっていました。
まあ、僕ならここから家があるノーティスの街までは5分もあれば行けるので、時間的には余裕なんですけどね。
ダストレア大樹海を抜けてすぐ、この樹海から出て来た魔物から人々を守る砦へと到着、けどそのまま横を、いや上空を素通り。
いやだって、特にこの砦には用事が無いんですよね。
ああ、もちろん空を飛んで移動していますよ。
だって地上を高速移動したら、それを見た人が驚いてしまうじゃないですか?
そのまま空と飛び続け、あっという間に久しぶりのノーティスの街が見えてきました。
人目が無いのを確認して地上に降り、何食わぬ顔をして街門を潜り、約3年振りの故郷に戻ってきました!
あ、そうそう。
ミコトさんの所で遊んでいる内に、気付いたら10歳になっていましたよ。
7歳にダストレア大樹海の調査に出たから、約3年の大仕事になっちゃいましたね。
え?半分くらい遊んでいなかったかって?
気のせいです!
当初の予定だと、5年くらいかかると思っていたんだけど、2年も早く片付いたんですよ?
順調以外の何者でもないでしょう?
とかやっている内に、いよいよ到着しましたよ、我が家に!
正確には、その門の前に!
ここはノーティスの街の中央にある、この地の領主であるスティード家の屋敷へと通じる門です。
当然、門の横には門番がいて、不審者が侵入しないように目を光らせています。
僕?僕はこの家の次男ですからね。
当然顔パスですよ!
「やあ、お勤めご苦労様です!」
そう言って、門を素通りしようとしたら、
「待ちなさい、キミ!ここがどこだか分かっているのかい?」
若い門番さんに止められてしまいましたよ。
ん?よく見ると、初めて見る顔ですね?
僕が旅に出た後に配属されたのかな?
だとしたら、僕の顔を知らなくて当然ですね。
「ええ、もちろん知っていますよ?僕はレオナルド=シオン=スティード、この家の次男です」
「はぁ~・・・キミィ~、そういう冗談はダメだよ?ここはね、この地を治めるスティード伯爵様のお屋敷だよ?」
「だから知ってますってば」
「そうか、仕方がないなぁ~・・・キミ、お名前は?」
「いや、ですから、レオナルド=シオン=スティードだって、今名乗ったでしょう?」
「はいはい。それじゃあ、レオナルド君。ちょっとこっちに来てくれるかな?」
そう言って、若い門番さんは僕を衛兵の詰め所の方に連れて行こうとし始めましたよ。
ちょっとちょっと!?
あ、でも詰め所には僕を知っている衛兵さんがきっといるはずだから、すぐに誤解は解けるかな?
3年経って成長はしているけど、そこまで劇的な成長はしていないので、大丈夫でしょう。
・・・・大丈夫だよね?
取りあえず、おとなしく付いて行きますか。
と、その時、
「誰か来たの?」
門の内側から、金髪碧眼の可愛らしい女の子が声をかけてきました。
見た感じ、6歳くらいかな?
そして、この家で金髪碧眼の女の子は1人しかいないはず。
つまり、この女の子は、
「もしかして、シャル?」
「ふぇ?何で私の名前を知ってるの?」
間違いない!
この女の子は僕の2人目の妹、スティード家次女のシャルロット=スティードだ!
「久しぶりだね、シャル。僕はレオ・・・」
「貴様!シャルロット様から離れろ!」
せっかく再会した妹と話そうとしたら、例の若い門番さんに邪魔されてしまいましたよ。
しかも、さっきとは打って変わって凄い剣幕です。
おまけに・・・
「先輩、来てください!不審者だ!侵入者だ!シャルロット様が狙われています!シャルロット様!急いでお屋敷にお逃げください!」
完全に敵認定されてしまいましたよ。
しかも、シャルに逃げろとか言ってくれちゃったよ!?
その結果、
「お父様、お祖父様、お兄様!助けてください!」
と、シャルが叫びながら屋敷に走って行っちゃったよ!?
それを見た瞬間、この門番ブッ殺す!
とか思ってしまいましたが、冷静に考えてみると、この反応は妥当、いや、最適解ではないでしょうか?
この若い門番さんは、ただ単に僕の顔を知らないだけで、職務を忠実にこなしているだけです。
最初は僕が子供だからと優しく穏便に対応してくれていたけど、仕える主の娘、つまりシャルに僅かでも危害が加えられるかもしれないと感じた途端、相手が子供でも油断せず、最大限の警戒をした訳ですよ。
うん、この判断は間違っていないですね。
むしろ、僕としては良くやってくれた!と、褒め称えるべきですね!
とか、僕が感心していると、詰め所の方から20人くらいの衛兵さんが武器を手に駆けつけてきましたよ。
流石はスティードに仕える衛兵ですね。
反応が早い。
侵入者の報に、最初は殺気立って駆けつけて来た衛兵の皆さんですが、僕を見た途端、
「あ~・・・・」
「やっべぇ~・・・・」
「あいつ、やっちまったよ・・・・」
と、そんな事を口にしながら、全員がその動きを止め、気まずそうにし始めました。
どうやら皆さん、僕が誰なのかハッキリ分かっているみたいです。
良かった~・・・
そして、僕が誰なのか分かったのなら、そうなりますよねぇ~?
スティード家に繋がる門の前で、気まずい空気が流れ、僕の事を知らない若い門番さんだけが、殺気を放ちながら僕に槍を向けている。
そんな若い門番さんに、後から来た衛兵さんが僕が誰なのか説明し、他の人が門を開けてくれたので中に入った。
あ、あの門番さん、顔面蒼白になっている。
でもね、貴方は何も間違ったことをしていないんですよ?
後で妹を守るために全力を尽くしてくれたことに、しっかりとお礼を言いましょう。
でも今は家に入るのが先決です。
そのまま屋敷に向かって進んで行くと、正面の屋敷の扉が開いて、3人の男が出て来た。
あれは、お父様、お祖父様、そしてメルト兄様ですね。
でも、何で3人とも完全武装なんだろう?
僕が作った魔導装備、『シヴァ』『ゼウス』『オーディン』を装備し、その手には対厄災級の魔物用に拵えた剣と槍を持っている。
屋敷に走って行ったシャルがようやくたどり着き、そのままお父様の足に抱き着き、少し会話をしてから離れた。
あ、お母様とジェシー母様、それにアンと、ん?もう一人、13歳くらいの女性が出て来たぞ?誰だ?
皆で僕を出迎えてくるのかな?
と、思っていたら、完全武装の3人がこっちに向かって突っ込んできましたよ!?
現状では毎日更新が難しいので、しばらくは2~4日程度で更新していく予定です。
やるやる言って、一切やっていない改稿も、可能なら少しずつやっていきたいのですが、あまり期待しないで下さい。




