75話
GWやっぱり無理だったよ
偽アキとファナが戦っている最中のアキは、黒い空間で巨大な狐になり自分のキズを癒すために尻尾で体を包みながら寝ていた。
そしてアキは夢を見ていた。
何もない真っ白な空間で、今までの真っ黒な空間と違い上下左右どこを見ても白しかなかった。
「ここは?」
巨大な狐になって自分と戦い負けた記憶が蘇る。
「ああ、負けたのね」
自分が死に戻りをしていると思ったアキは景色も何もないこの空間を見ようと周りを見る。そして歩き出そうとすると"バチィ"という音と共に結界のようなものに阻まれる。
結果今自分が立っている所から一歩も出ることが出来ない事が分かったアキは少しいじけながらその場に座る。
そして次の瞬間辺りの景色が一変する。
目の前に口で刀を持ち尻尾で剣を持っている猫が自分の前方に映る。他の場所も見ようと周りを見渡してもずっと猫が目の前に要るように設定されていた。
「これは何です?」
咄嗟に手が前に出る。瞬間視界を埋めていた巨大な猫の前方に狐の手が映る。
狐の手が映った瞬間猫との距離がぐっと遠くなる。そして狐の手に刀が振るわれる。
「痛!!」
狐の手が切られた瞬間アキの手に痛みが走った。その痺れる感触に直ぐに手を引っ込めて自分の手を見てみる。しかし手に切り傷はなく何だったのだろうかと疑問に思う。
しかしアキのそんな状態など関係ないとばかりに猫が目の前で剣を振るう。
その剣に合わせるように刀が映る。
その刀は今のアキがこの2ヶ月ゲームをやり、共に戦闘をこなしてきた[妖気刀・雪桜]の姿がアキの目にしっかりと映った。
アキの頭には何故?という疑問で埋め尽くされていた。先程の戦闘では周りが暗く刀がよく見えなかった為こんな疑問を持つことはなかった。
[雪桜]は所有者固定のスキルがついておりアキ以外には使えない筈であった。しかし画面に映るのは自分の相棒だと何度も握った手が、何度も見た目が「あれは本物だ」と訴えてくる。
[雪桜]が何をもって所有者として見ているのかを考えたことなど無く、只自分が持っているからもう自分の物というように考えていた。
ステータスがダウンしたことが無いため自分が選ばれていると思っていた。
しかし現実にはアキではない誰かがアキの体を動かしても持てるようになっていた。
その事が悲しいのと同時に悔しくもあった。
だからアキはその刀を返してと、私の相棒を返してと、それは自分しか使えないものだと、私の物を奪うな、返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返セ返セ返セ返セ返セ返セ返セカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセ
先程の痛みも忘れて両手をこの視界の持ち主である偽アキに向かって伸ばす。
先程と同様に狐の手が画面に出て来てそれを見た偽アキが切りつけるが、今度はびくともせずに狐の手は偽アキの首を思いっきり掴み締め付ける。
そして自分の空間に持ってこようと力を加えながら狐の手を引っ張り偽アキを空間に引きずり込んでいく。
それに対抗しようと体を暴れさせるが巨大な猫が刀と剣を使い決して狐の手には当たらないように偽アキを攻撃する。
アキの視界はいつの間にか第三者視点に変わっており外の様子がしっかりと写っていた。しかしそんなことにも気付かないほどにアキはショックを受けていた。
偽アキの後ろには空間が割れておりその空間から狐の手が出ていた。そして更に空間が割れると九本の尻尾が偽アキの体に巻き付き捻り上げながら空間へと引きずり込んでいく。
アキが空間を割って、引きずり混んでいる最中アキの後ろには銀色の巨大な狐が後ろに座っていた。いつ気づくのか楽しみにしながら後ろで座っていたのに、空間を壊したアキに内心ビクビクしながらも話しかけられるまで待ってようとだんまりを決め込んだ狐がいた。
基本自分のアイディアとかメモとかにとらない人なので忘れてる設定も多分あると思います。
なので「あれ?忘れてる?」等思ったら「こいつ忘れてるじゃん」と心の中で思いながら、私の心に優しいように「ここ、忘れてるんじゃないかい?」と言ってくれれば一滴のような心で対応させていただきます。
情けない作者で申し訳ないですけどこれからもよろしくお願いします。




