65話
【千年京─城下町】
私達は案内役の鬼に案内され城下町へとやって来ました。
城下町は様々な姿の妖怪がおり中には見たことがない種族の妖怪も多数見かけました。城下町はかなり活気がありお祭りのような雰囲気で私も少しテンションが上がってます。
「この辺りは商業区で連日このようにちょっとしたお祭り騒ぎのような感じです」
「買い物とかしてきてもいいですか?」
「すみません、各区域を少しずつ見せてから王の城へ行くことになってまして、後で時間はたくさんありますので」
「はーい、わかりました」
こうして歩いているなかでも路上で大道芸をやっていたりして、見てるだけでもとても楽しいです。
例えば首を長くして店を冷やかしていると、いきなり包丁を持った妖怪が店から出て来て、首を叩き切ろうとしますが逆にその長い首で相手に巻き付き拘束して首を巻き戻して身体、包丁の妖怪、顔っていう順番に縦に並んで団子芸をやってる人もいるし、小さな火を空中に出してそれを水で包み幻想的な雰囲気を作っている妖怪もいました。
他にも自分の特性を生かして商売したり、芸をやっていたりしてとても楽しいところでした。
一番驚いたのは案内役の鬼にスリをしようとした妖怪がいて、鬼は一瞬で相手の妖怪の腕を捻り回し完全に折れたところで止め、力を緩めた隙に逃げようとした妖怪の足を掴み、折り畳むように足の根本から折り曲げ完全に骨を折ってから、相手の妖怪の首を掴み持ち上げて「もうやりませんね?」とニコニコした笑顔で言い、相手は顔だけで頑張って頷いていました。
はい、正直凄く驚いたし怖かった。
「では、次の区画へ行きましょうか」
「「はい!」」
「元気がよくなりましたね?」
「「(あなたが怖いなんて言えねぇ)」」
なんて周囲の人達が考えてたときどこからか少女が出て来て爆弾を投下した。
「お姉ちゃん、その人たちお姉ちゃんが怖いから返事が良くなったみたい」
「「んー!?」」
「いやーそんなことないですよHAHAHA」
「このお菓子あげるから向こう行きなー」
「「それより!次はどこに行くんですか!さぁ早く行きましょう!時間は有限ですよ!」」
「まぁいいですよ。次は──」
【千年京─城前】
あれから色々な区域に行きちょっとした事件がありながらなんとかここまで来ることが出来ました。
この城はどの区域からでも見れるほど大きくそして、威厳があり一人で来ると入る気がなくなるほどの城でした。
「通行許可証をお出しください」
「はいこれ、王のお客人達である粗相の無いように」
「はい!」
「ではようこそ『狐雅城』へ」
門をくぐり、中へ入ると美しく揃えられた木の木目、そして少し入り進むと畳のいい臭いがして、さらに進んでいくと中庭があり、どう考えても中庭の規模じゃない中庭がありました。その中庭も遠くからしか見えなかったけど隅々まで綺麗にしていました。進んでいくとようやく王のいる部屋へとやって来ました。
中にはいると屏風?に狐や猫、犬などの動物がかかれたものがありました。それは今にも動き出しそうなほど精密に描かれたものでした。
部屋を堪能していると奥の方から悪寒がするくらいの気配が放たれた。
「主らに挨拶をしようか」
扇子を広げて言う
「この千年京を領地とし」
扇子を口まで持ってくる
「ここ『狐雅城』の城主シズク」
そして妖艶に笑った
「それにしても今日はお客人が随分居るな?」
私は彼女の姿を見たときから驚きっぱなしで彼女の視線に気づいていなかった。気づいていたとしても頭の中が『どうして?』でいっぱいだったからちゃんと答えられなかったと思う。
「多分【黒騎士】を倒したからでは無いでしょうか」
「ほお、あいつもとうとう朽ちたか」
「それで何か依頼でもあるのですか?」
「あるぞ、最近身体がなまってるから誰か貸してくれんか?」
「それなら私が行きます」
「他の者はよいか?」
全員が頷く。そして目の前にウィンドウが現れる。
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依頼:シズク
受け人:アキ
内容:身体がなまっているシズクの身体をほぐす。
条件:先の威圧を受け止めきる事
推奨レベル:72~
報酬:身体のほぐし具合によって変わる。
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「ふむ、よろしく頼むぞ」
その言葉と共にニヤリとシズクが笑い、私は驚きと恐怖で頭がいっぱいになりそう。
それから、しばらく歩き中庭へと進んでいき、中庭の中央に近づくと魔方陣が現れ転移した場所はコロッセオのような闘技場でした。
「さて、それではやるとするか」
彼女の言葉の後司会が登場しお互いを紹介された。
「九尾王・シズクVS九尾・アキ戦闘開始!!」
試合開始のゴングが鳴り響いた。
まぁちょっとだけ予想出来てたけどやっぱり遅れた。やっぱりね日時を指定しないとぐでる。
後就職が近いのでこの辺りは更新出来ないかもですが読んでくれると嬉しいです。
これだけだれていたのにブックマーク1391件ありがとうございます!




