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プロローグ
その世界には幻想しかない。
現実に理想が入り浸り。
空想が其処に立ち入っていて。
妄想がそうじゃなくなる。
一言で云うなら、それは『夢】だ
理想と空想と妄想と現実が同時に存在できるなんて、それしか云い様がない。
だから僕達は、そこを『夢】と呼ぶ。
動物が人の言葉を話す。
死んだ人が生きている。
無くした物が其処にある。
異常なものが日常と思える。
それこそが人の望んだ『夢】の世界。
はたまた、そこが僕達の理想郷と云えるのだから、
僕達は其処を、『夢想郷】と云うのが正しいのだろう。