デートとサービス開始
Side:楽
朝、いつも道理の時間である、五時三十分に目が覚めた俺は、これまたいつもどうりに昨日の洗濯物を洗濯機に入れてまわし、個室以外の掃除と朝食の準備をする。
家は五人家族で,父,母,姉,俺,妹,がいる、そんな家の家計事情だが家事がまったくできない,父,姉,妹,と料理以外の家事ができない,母,そして家事全般を高いレベルでこなせる,俺,必然的に俺が家事の大半をこなすことになる、一度だけ皆に自分の部屋くらいかたづけができる様になってもらおうとしたが、
結果は
父の場合
本をかたずけている途中で床に積み上がっていた本を手にとって久しぶりに読みたくなったとかで本を読み出しかたづけがまったく進む事がなっかった。
母の場合
他の部屋に行き、少し目を放した隙に、あきらかに一般家庭にあってはならないものだったり、母の所有物ではないものが増えていて、もうなにがなんだか分からない事になった。
姉の場合
薬の研究を仕事としているため、危険な薬物がたくさん置いてある、俺はこの部屋を掃除するのが一番恐い、怖いでは無く恐いだ、万が一掃除中に薬の入ったビンを落とすと命に関わる恐れもある、姉はそれをドミノのように倒して割ってしまい、病院に搬送された、以後、姉に掃除はさせない様にしている
妹の場合
妹はまだ比較的マシだ、スピードは遅いが、かたづけができない訳ではない。 ただ、本当に自分が動く範囲があればいいという思考でいる為、なかなかかたずけをする事がない、故に結局俺がかたずけることになる。
食事は、朝食と弁当が俺、昼食と晩飯が母となっている、そのため俺は毎朝早くに起き、夜は遅くまで勉強などをしている事で平均睡眠時間が三時間三十分ほどとなっている、そんな俺も夏休みにはさっさと宿題を終わらせて、きっちりと倍近い六時間以上の睡眠をとっている。
今日は7月24日だ、響歌との二人だけでの外出は随分と久しぶりになる、その為今日行く水族館やその近辺も調べ大体のスケジュールが決まった、響歌の要望によって所々変わるだろうけど、基本これに沿って行動すれば楽しんでくれるであろう・・・・・と思う。
朝食の準備がある程度整ったら姉と妹を起こしに行くがその前に姉と妹の紹介をしよう、姉が東雲 美佳奈21歳で妹が東雲 茉莉14歳だ二人とも身内贔屓抜きでも可愛いと言える容姿をしている、ミカ姉と茉莉もAWOをβテストの時から参加していて結構名を上げていたらしい、正式サービスからもまったく同じスタイルでプレイするそうだ。
まずは楽なミカ姉から起こそうと思い部屋に行くと、そこ等彼処から様々な薬品の臭いが漂っている、恐らく昨日遅くまで何か実験していたのであろう、とりあえずベットで寝相良く眠っているミカ姉を揺すって起こす。
「お~いミカ姉、もうすぐ朝食ができるから起きて身支度してくれ~~~」
それに対しミカ姉は
「・・・・・・・・わかった・・・・・すぐに起きる・・・」
と言ってゆっくりと起き上がり伸びを一つしてからベットから出てきた、それを確認してから部屋を出て、向かいの茉莉の部屋に入る、ミカ姉と違ってベットから方足だけだして寝相悪く眠っている茉莉をミカ姉と同じように揺すって起こす。
「茉莉~、朝食がもうすぐできるから起きろ~~~~」
反応が無い、もう一度起こしてみる。
「茉莉さ~ん、朝ですよ~~~~~」
またしても反応無し、今度は強く起こしてみる。
「茉莉~、起きろ~~~~!!」
すると、今度は反応がかえってきた。
「・・・・あと一時間だけ寝かせてぇ~~~」
イラッときた、よし、叩き起こそう。
「そんなに寝たら、朝食が冷めるはこのボケが!!」
頭をはたくとその衝撃で飛び起き、
「あたっ」
ベットから落ちて頭を打った。
「痛ッ~~、何するのよお兄ちゃん!!」
涙目で此方を睨んでくるが、まったく怖くない、むしろ可愛い。
「お前が起きないからだ、ミカ姉は起こしたし、父さんと母さんももう起きてるだろうからな、後はお前だけだぞ茉莉、早く着替えて顔洗って歯磨いて来いよ」
すると、少し不貞腐れそうにしながらも、
「・・・わかった」
っと言った為、台所に戻って朝食の仕上げを再開する。
朝食ができてリビングに持っていくと父さんと母さんミカ姉が揃っており後は茉莉が来るのを待つだけだ、家では食事は皆であまり喋らずに取る事になっている、おっと茉莉が来たみたいだ。
「おはよう、遅れてごめんね」
それに俺は
「おはよう、問題ないよ、今準備できたところだから」
と答え、茉莉が席に着き父さんが言った、
「それじゃあ、いただきます」
「「「「いただきます」」」」
「ごちそうさまでした」
[「「「ごちそうさまでした」」」」
食器のかたずけは母さんと茉莉がやってくれる、とは言っても持っていって食洗機に入れるだけだが父さんは仕事のしたくをミカ姉は部屋で薬の実験を俺は洗濯物を干しにそれぞれ行動しだした。
9時20分、父さんは仕事に、母さんは買い物に、ミカ姉は薬の研究所に、茉莉は友達と遊びに出かけ、俺もそろそろ待ち合わせの駅に向かおうとしていた。
「戸締りは・・・・・よし、じゃあいってきます」
9時38分、駅前に着くとそこにはすでに響歌の姿があった、いつもはゆすってはいない綺麗な黒髪をポニーテールにして、白い生地にに所々に花柄の着いたワンピースとその上に短めの下が透けて見えそうな程薄い黄色のカーディガンを着ていたためその容姿と合わさって途轍もなく目立っていた。
「うーん・・・・なんか近ずきがたいな・・・・・・・・ハァー、よし行くか」
響歌のいる所に歩いていくと周りの視線が俺に集まっていくのが嫌でも分かる、そし響歌も此方に気ずいたのか、笑顔で駆け寄ってきた、その瞬間俺に向けられていた視線がいくつか悪寒が走るような視線に変わった。
「おはよう楽、早かったわね」
「おはよう、いやいや響歌の方が早いじゃん、まだ十分以上時間あるぞ、いったい何時からここに居たんだ?」
この人の集まりからして五分はここにいたんだろう。
「今さっき来たばっかりだよ」
「はいダウト~」
響歌の性格などから考えても人の集まりから見ても分かりやすい嘘だ。
「で、本当は何時からだ」
そう聞くとしぶしぶと言った感じで短く
「三十分」
と答えた、それにため息をつきながら以前起こった事で注意した。
「前に悪質なナンパに絡まれただろ、来るならせめて五分前ぐらいにしろよ」
響歌はちょっと落ち込んだ顔をしながら
「ごめん」
と言ったがそれに俺は
「謝る必要はねえよ、別に怒ってるわけじゃ無いからな、ただな響歌は他のやつらより数段,可愛い,んだから気をつけろって話だ」
すると、響歌は
「かっ可愛い!?」///
と真っ赤になりながら声を上ずらせて言い、俺はそれに答えた。
「ああ、お前は可愛いよ、だからこれからは気をつけろよ」
再度、注意を促すと、響歌は更に赤くなり消え入るような声で
[・・ハィ」/////
と返事をした。
「それじゃあ、行こうか」
そう言って切符を買い駅のホームに入った。
水族館に入った俺達は、あらかじめ考えていたルートで回りだした、最初は熱帯魚などの小さな魚から大きな魚そしてジンベイザメまでいるとても大きなパノラマ水槽に来た其処で響歌は一気にテンションが上がり小さい子などがいる一番前に行きたそうにしている、今日、俺達は埋め合わせで来ている、故に俺が取る行動は、
「響歌、前のほうで見ようぜ」
と、声をかける、すると嬉しそうに笑顔で
「うん!」
と返事をしたため、前のほうに向かった。
もう気がついてるかも知れないが、響歌は海生生物が好きだ、響歌いわくユラユラと泳いでる姿を見ると心が穏やかになって落ち着くんだそうだ。
今の響歌は今年に入って一番の笑顔を浮かべている、その顔を見ていると、やはり今日ここに来たのは正解であったと感じる。
その後は順調に水族館を進みながら、携帯で他のお客さんに写真を撮ってもらったり、逆に写真を撮ってあげたりして、12時30分から始まる、イルカショーを見るために、少し早めの昼食をとった。
12時22分、イルカショーまで後、約八分といったところで会場の客席に着いた、席はラッキーな事に二階の最前列の席に座る事ができた、ここならステージがキレイに端から端までよく見える上にイルカのジャンプの着水時に水が飛んできて万が一にも風邪を引くような事は無いだろう。
12時31分 イルカショーは、予定より一分遅れて始まった、始まりの音楽と同時に三匹のイルカがジャンプを披露し会場のそこ等彼処から歓声が上がりスタッフと司会の人が出てきた。
「始まったな、響歌」
「うん!」
力強い返事が返ってきたことから、響歌がこのショーを楽しみにしていた事が伝わってくる。
その後ショーは歓声や拍手に包まれながら進んで行き観客参加のサービスが始まり小さな子供たちが我先にと手を挙げ大きな声で返事をしている、横にいる響歌を見てみると、子供に混ざって手を上げるのが恥ずかしいのだろうか、下を向いて、小さくなっている、それならと、俺は
は~~~~~い!はいは~~~~~~~~~い!!」
響歌の代わりに手を上げる、響歌はギョッとした顔をしてこちらを見ている、その顔には「何で」と言った感じが見て取れる、だから言ってやった。
「決してお前のためでは無いぞ、動物に触れるのにこの俺が手を上げないわけ無いだろ!」
きまった、と思っていると響歌が急に笑い出しながら言ってきた、
「だよね、じゃあ、楽が手上げてるんだからあたしが上げていてもおかしくないよね」
「ああ、むしろ、俺よりお前が上げたほうが似合ってるし、当たる確立も高いしな」
俺は響歌の言葉に同意し後押しする、俺も響歌も手を上げて三組の参加者が選ばれるのを待つまず一人目が呼ばれた。
「まずは、客席右側のピンクのワンピースを着た女の子、まえにきてくださ~い」
くっ、呼ばれなかったか、まだ二組ある、よし次だ次
「二組目は一番手前の席のオレンジ色の帽子をかぶった男の子、まえにきてくださ~い」
ギャーース、ヤバイよ、後一組だよこんな時こそ俺の幸運、仕事しろよ、どう済んだよ、最後だぞ、響歌の方を見てみると、若干諦めかけてるよ、本当に仕事しやがれ幸運さん、マジでお願いしますから。
「最後は・・・二回の最前列の・・・・・」
おっおお、来い、来い、来い
「・・・カップルさん、どうぞまえにきてくださ~い」
来なかったーーーー!!ヤバイ横見たくない絶対落ち込んでるぞ。
「・・・あの~、カップルさ~ん、前に出てきてくださ~い」
さっさと出ろよなんか同情されてるみたいじゃねーか。
「あれ、カップルさ~ん、黒いジャンパー着た女の子みたいな男性さんと黄色いカーディガンを着た美人さ~ん」
あれ?何かこっち向いてね?一応自分に指を刺してみると、司会さんが大きく二度頷いた、それをみてつい立って叫んでしまった。
「いぃぃっよっしゃあああああぁぁぁぁぁぁ!!」
その後すぐに響歌を見て話しかけようとすると、響歌は赤くなって口をパクパクさせながら、呆然としていたので手を取って一緒に前に出た、その途中響歌は
「カッカッカカカッカカカカカ」/////
と言っていたが手をつないでいる事に気ずくと大人しくなった。
その後スタッフに従いイルカに指示を出したりした、だが触れる事ができずに、俺が人前にもかかわらずORZの体勢で落ち込むのは三分後の事だった。
イルカショーの後はまた水族館内を回りだして、途中おみあげコーナーによってビー玉をもった、くらげの携帯ストラップを俺が蒼色、響歌が黄色をおそろいで買うことになったりしたが楽しく過ごしていた、だがそれも最後のくらげコーナーで終わりだ他はすべて見て回った、これで終わりだと考えるとちょっと残念に感じる。
「ねえ楽、くらげキレイだよね」
突然、響歌が言いだした、
「ああ、ライトの色に反応して幻想的だな」
俺
は同意して言葉を返す、
「私ね、くらげって一番好きなんだよね」
そう言って、次の水槽へ歩き出した、
「そうなのか、何でか聞いてもいいか?」
それについていく俺は、理由が気になったがまずは、それを聞いてもいいか確かめる、
「うーん、まだダメかな」
「まだ・・か、じゃあいつかきかせてくれるのか?」
そう問うて見ると、
「条件が揃ったら、こっちから教えてあげる」
「条件?」
「そっ、条件」
条件が何か聞いても、たぶん教えてくれないだろう、なら
「条件をクリアできる事を祈りますか」
すると響歌が言った、
「条件は聞かないの?」
「教えてくれないんだろ?」
俺がそう聞き返すと、笑顔で
「あたりまえよ」
と言って先に駆けていった。
翌日、7月25日の6時30分、俺はいつも道理に朝の支度をして、ミカ姉と茉莉を起こしに行こうとリビングを通ると、とても珍しい事に既に二人とも支度を終えて、リビングに居た、俺は少し驚きながらも
「おはよう、二人とも今朝は早いね」
と、軽く挨拶を交わすそれに対してミカ姉と茉莉は、
「当然でしょ」
「今日はAWOの正式サービス開始日なんだから、当たり前じゃん♪」
そういえば、今日からでしたね、一輝の勉強とか見たり、響歌と出かける場所の下調べなんかをしてばっかりだったから、すっかり忘れてた、
「なるほどね」
その時、父さんと母さんがリビングに入ってきた。
「おはよう」
「「「おはよう」」」
「・・・・・おはひょ~~う」
父さんの挨拶に、挨拶を返した後、母さんがあくびをしながら挨拶をした。
料理を並べ終え席に着き、皆で朝食を食べ始めた。
「いただきます」
「「「「いただきます」」」」
「ごちそうさまでした」
「「「「ごちそうさまでした」」」」
お腹いっぱいになったところで父さんは仕事の準備、母さんは朝食の後かたずけ、そしてミカ姉と茉莉はAWOの最新情報のチェックの為、部屋に向かい、俺は洗濯物を干しに行った。
9時56分 AWO正式サービス開始まで後四分か、もうダイブしておいた方がいいかな?、ミカ姉も茉莉もPNを本名のままでプレイするいるらしい、噴水広場に全員、集まる事になっている、其処からちょっとの間、一緒に行動することになる、昼の一時から別行動になると思われる、VRヘッドギアを被り腕に脈や体内水分等を図り、危険域になると強制ログアウトが実行される、安全装置を取り付けてベットに横になる。
あらかじめ差し込んでおいた【アンリミテッド・ワールド・オンライン】のカセットメモリを確認して俺は
「アクセス」
の言葉を発した、その直後、意識が薄れていき仮想空間の中にダイブした。
次回はキャラ設定とステータスサイコロ