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prologue


太陽の陽が隠れ、暗闇が辺りを包む中、彼女は佇んでいた。

そして彼女の口が開き、言の葉を紡ぐ。


「我に応えよ…わが胸元に煌めく瑠璃の石よ…。真の姿と力を我に託せ…!!」


その言葉に応えるかのように胸元の宝石が強い光を放つ。

それとともに彼女の姿も変わっていく。

心臓のあたりまであった髪は肩に着かず、耳下でくくられている。


「いたぞーっ!!」

そして彼女は今日もまた、宝石(メモリー)を集める。


「It`s show time…」

彼女はボソリと呟いた。


「さぁ…もう逃げられないぞ!…ルナっ!!」

彼女の正面は警備員、そして後ろは―――絶壁の崖。

そして青々と広がり、月の光を受けて煌めく海。

空には神々しく月が輝いていた。


「それじゃあ、またー…」

ルナと呼ばれた少女は、一目、チラリと月が出ているかを確認し、崖から…


飛び降りた。


「死ぬ気か…っルナー!!」

手錠を握りしめ、崖から見下ろす警備員。

ルナはそんな彼らを見上げふわっと笑った。

そして今回盗ったであろう袋からアクアマリンを出し、空へと掲げた。


『月の光を受けし我が宝石(メモリー)。今こそ能力(チカラ)を我が手中にー…』


ゆっくりと言葉を紡いでいくルナ。すべてを紡ぎ終わったその時…。


ドボンッ!!


ルナの体は、水に沈んだ。

上にいた警備員はもうだめだと落胆した。

いつか必ず捕まえると思っていたルナが死んだのだ。

当たり前の反応だった。

だが、それも一瞬で砕け散ることになる。


ザバアァッ!!


ルナは姿を現した。

その姿に一同息を飲んだ。


海から出てきたのに濡れていないルナ。

暗い海に煌めく水色の髪。


「生きて…いた?どうして…」


驚きを隠せない警備員たちに軽く微笑みかけてルナはその場をあとにした。


彼女の物語は、まだ始まったばかり。

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