11.再び危機に陥る
再度陷入危機
ドゥーク城の汚れた路地裏では、腐臭が空気を満たし、湿った地面には正体不明の汚れがこびりついていた。
私は腰をかがめ、両手で捨てられたゴミの山をかき分け、指先がカビの生えた野菜の葉やボロボロの布に触れるたび、鼻をつく悪臭が立ち上り、吐き気を催しそうだった。胃は空っぽで、飢餓の苦しみには慣れていたが、できることはただ一つ、腹を満たせる何かを見つけ続けることだけだった。
突然、目に飛び込んできたのは見覚えのある色――ボロボロの食品の包装だった。心臓が跳ね、私は我慢できずにそれを引き裂いた。中には石のように固いパンが横たわっていた。
選択の余地はなかった。私は埃や汚れを気にせず、そのパンを口に押し込んだ。
歯の間に鋭い痛みが走り、まるで砂利を噛んでいるようだった。乾燥したパンが喉に詰まり、激しく咳き込んだが、屑一つさえ吐き出すのが惜しかった。
むさぼるように食べ終え、私は壁にもたれかかって崩れ落ち、疲れ果てた手で口元の屑を拭った。視線はぼんやりと路地の出口の大通りへと向かった。
陽光が清潔な石畳の道に降り注ぎ、人々が忙しく行き交い、馬車が走り、露天商の呼び声と子供たちの笑い声が賑やかな光景を織りなしていた。
そこにいる人々は清潔な服をまとい、軽やかな足取りで歩き、まるで別の世界に生きているようだった。一方、私は影に棄てられた野良犬のようで、現実の苦々しさをひっそりと舐め続けていた。
「次は……どうすればいいんだ……?」
私は小さく呟いたが、その言葉は風に飲み込まれ、反響すら残さなかった。
数日前、あの大火がすべてを奪って以来、私はアリーの領域から一人逃げ出し、領地を追われた亡命者のようだった。何も持たない私は、繁華なドゥーク城に入れば何か好転すると思っていたが、現実は容赦なく私を打ちのめした。
金がなく、一歩も動けず、生きること自体が苦痛の連続だった。何日も食事を取っていない体はますます弱り、視界が時折暗くなり、一歩踏み出すたびに崖の縁を歩いているようだった。
だが、飢餓は最も致命的な脅威ではなかった。
私はいつ現れるかわからない刺客に常に警戒しなければならなかった。彼らは群衆に紛れているかもしれないし、暗い片隅に潜んでいるかもしれない。少しの油断が、次の瞬間に私の命を奪うことになる。武器を持たない私は、狭い路地を縫うように逃げ回るしかなく、まるで家を失った犬のようだった。
今や、すれ違う見ず知らずの人間にさえ疑心暗鬼になり、どんな視線も、どんなささいな接触も、致命的な合図かもしれないと怯えていた。
生きることは果てしない逃亡となり、故郷に帰るという思いは重い鎖のようになって、私を息苦しくさせた。何か抜け出す道があればと願ったが、目の前には果てしない闇と、出口の見えない深淵しかなかった。
「グー……」
腹の鳴る音が空っぽの路地に響き、さっき食べた取るに足らないパンを嘲笑うようだった。冷たい壁が薄い服越しに骨まで凍えるように感じられ、私はそれにもたれかかり、飢えで気を失わないように必死だった。思考は風に揺れるろうそくの炎のようで、定まらず、それでも次に何をすべきか必死に探していた。
その時、断続的な会話が耳に飛び込んできた。
「パン通りで今日の午後、無料のパンを配るらしいよ。」
心臓が急に高鳴り、まるで死に水のような私の心に石が投げ込まれたようだった。
「無料?」 もう一人の声が驚きを帯びていた。
「そう、慈善事業らしい。貧しい人向けだってさ。」
「俺たちももらえるのか?」
「誰でももらえるよ。早めに行って並ぼうぜ。」
「行くぞ、行くぞ!」
彼らの足音が遠ざかっていったが、私の世界は「無料」という二文字で天地がひっくり返ったように感じた。
無料のパン……
今の私にとって、それは生き延びるための希望の光だった。認めたくなかったが、この知らせは計り知れない希望を与えてくれた。選択肢のない空腹の私は、「パン通り」という言葉を心に刻み、汚れた両手を見下ろした。指の間には、さっきゴミを漁った時に付いた汚れがまだ残っていた。
おそらく、これが今日を生き延びる唯一の方法だった。
午後の陽光が路地の隙間を縫って差し込み、普段は閑散としているはずのこの路地が、今は異常なほど賑わっていた。人々が川の流れのように狭い路地を押し合いながら進み、行列は数十メートルにわたって伸び、通り全体を埋め尽くしていた。
周囲では会話の声が絶えず響き、行列の長さに不満を漏らす者や、配られるパンの量を囁き合う者もいた。私は群衆に紛れ、人々の流れに沿って少しずつ前に進んだ。まるで水流に押される浮き木のようだった。
遠くに見える、まだ手が届かないパンを見つめ、私は口元に苦い笑みを浮かべ、独り言のように呟いた。
「まさか、無料のパンをもらうために行列に並ぶ日が来るなんてな……」
時間は少しずつ過ぎ、行列はゆっくりと進んだが、私の我慢はすでに焦燥によってすり減っていた。どれくらい待つ必要があるか計算しようとしたが、集中力が欠け、心の奥で説明できない動悸が湧き上がっていた――本能的な危機感が、冷たい波のように背筋を這い上がり、首の後ろまで駆け抜けた。
誰かが私を見ている。
それは普通の視線ではなく、冷たく殺意を帯びた注視だった。まるで刃が肌に軽く触れるように、ゾッとする感覚だった。
私は警戒して顔を上げ、素早く周囲を見回した。狭い路地の両側にある二階の家々、半開きの木の窓の奥に、ぼんやりとした人影が一瞬見えた。いくつかの家の中でも、かすかに人影が揺れ、視線が群衆の中を探っているようだった。まるで獲物を定めるように。
それが私だった。
心臓が急に締め付けられ、私はすぐに頭を下げ、何食わぬ顔を装った。手はそっと汚れたマントの端を強く握り、視線は路地の出口をこっそり探した。
まずい、罠にハマった。
この「無料のパン」の情報は、明らかに意図的に流されたものだった。刺客たちは私が追い詰められていることを知っていた。この手の情報に引き寄せられることもわかっていて、わざとこの狭い死の路地に誘い込み、網を張ったのだ――そして今、彼らは網を締め上げている。
胸が大きな石に押し潰されるようで、心臓がドクドクと鳴り、額から冷や汗が滑り落ちた。私は必死に冷静になろうとし、状況を素早く分析した。
路地の各所に潜む刺客は五人、さらに二階で監視する者が三人以上、いつでも動ける準備ができている。彼らの視線はまるで目に見えない網のように、ゆっくりと、音もなく私を締め付けていた。
私は頭を覆う汚れたマントをさらに深く被り、顔を隠そうとした。
「今ここで離れたら、かえって目立ってしまう……」
私は心の中で計算し、目をわずかに細めた。
「それとも、先に仕掛けるか? 武器を奪えれば、突破するチャンスはある……」
行列はゆっくりと進み、私は平静を装って群衆に紛れ、目立たないようにしていた。しかし、脱出の方法を頭で必死に考えている最中、この路地の雰囲気とまるでそぐわない人影が私の横を通り過ぎた。
それは女剣士だった。
彼女の体型は曲線的で、歩みはしっかりと安定しており、すべての動作に訓練された気配が漂っていた。
もちろん、私が最初に目をつけたのは、決して彼女の際立った胸元ではなかった。
絶対に違う。私は深みのある人間だ。そんな浅はかな外見に心を奪われるはずがない。ありえない。
本当のところ、彼女の放つ気質――周囲の貧しい人々を圧倒する威圧感こそが、私の視線を釘付けにしたのだ。
そう、それだ! これこそが私が目を離せなかった理由だ!
彼女はまるで優雅で危険な猛獣のようで、「近づくな、私に手出しは無用だ」と告げるような雰囲気を放っていた。
戦闘服は彼女の体にぴったりと沿い、…うっ、非常に視覚的なインパクトのある曲線を際立たせていた。これはもちろん、機動性のためだよね? 戦士の装備は実用性と美学を兼ね備えていなければならない…いや、違う、主に実用性だ! 絶対に!
だが、最も重要なのは彼女の腰に佩いた細剣だった。剣の護拳が陽光の下で冷たく輝き、まるで全員に無言で警告しているようだった。
「この剣は私の見た目より危険だ。無茶な真似はしない方がいいよ。」
私は思わず顔を上げ、彼女をもう一度見た。…絶対にその強者のオーラのせいだ。他の理由なんてない。ほんとだ。
その瞬間――
彼女の歩みが一瞬止まり、振り返って私を見た。
「……」
「……」
視線が交錯した瞬間、心の中で警報が鳴り響いた。
それは偶然の目線の重なりではなく、警戒と殺意を帯びた注視だった。私は一瞬で悟った――彼女は私を狙ってここに来たのだ。
彼女の手が素早く剣の柄に伸び、唇がわずかに開き、何かを叫ぼうとした。
「そこ――」
「Speed up!」
私が一瞬早く動き、足を強く踏み出し、雷のような速さで前に飛び出した。右拳が砲弾のように彼女の腹部を直撃した!
バン!
重い衝撃が彼女の体を貫き、彼女は悲鳴を上げる間もなく、体が激しく折れ曲がり、顔に痛苦と驚愕が閃いた。私はその隙に左手で彼女の佩剣を引き抜き、冷たく冴えた剣の刃が陽光の下で凄惨な光を放った。
プシュ!
剣が彼女の首を切り裂き、血が堤防の決壊のように噴き出し、空中に赤い弧を描いた。血は私の服や頬に飛び散り、近くの行列の人々にまで及んだ。彼女の体は一瞬硬直し、やがて力なく倒れ、音もなく死体となった。
路地全体が死の静寂に包まれた。
群衆は呆然と立ち尽くし、何が起こったのか誰もまだ理解できていなかった。
短い静寂の後――
「うわああ――!!!」
叫び声が突然炸裂し、雷鳴のように狭い路地を席巻した。
「人が死んだ!」
「血だ! なんてことだ!」
「逃げろ!」
路地の静けさは一瞬で崩れ去り、整然としていた行列は崩壊した。パニックに陥った人々が泣き叫びながら四方八方に逃げ惑い、押し合い、つまずき、転倒し、まるで通り全体が修羅場と化した。
だが、その混乱の中、私は微動だにしなかった。
なぜなら――暗がりに潜んでいた視線が、今、すべて私に注がれていたからだ。
冷たく、殺意に満ちた視線が、まるで目に見えない網のように私をがっちりと絡め取っていた。
周囲の叫び声や逃げ惑う音が徐々にぼやけ、残ったのは、動揺せずにその場に立ち尽くす数人の人影だけだった。彼らは慌てず、恐れず、陰鬱で鋭い視線を放ち、普通の人とは明らかに異なる危険な気配を漂わせていた。
彼らは刺客だった。
私はそっと息を吐き、強制的に自分を落ち着かせ、深く息を吸い込んだ。パンの香り、濃厚な血の匂い、そして――命を賭した決意が混ざり合い、私の神経を極限まで張り詰めさせた。
強化された私の体はすでに常人の限界を超えており、さらに「Speed up」を重ねたことで、体内から力が泉のように湧き上がった。左手に握った剣の刃がわずかに震えていたが、それは恐怖ではなく、抑えきれないエネルギーのせいだった。
次の瞬間、剣を右手に持ち替え、視線を最も近い敵――平凡に見える青年――にしっかりと固定した。
彼の姿勢は完璧とは言えず、足元は少し硬直し、両手で剣の柄を握りしめ、いつでも動ける準備をしているようだった。だが、彼の目にわずかな躊躇が漏れていた。それは死への本能的な恐れだった。
そして私は、そのわずかな隙を致命的な裂け目に変えるつもりだった。
緊迫した空気の中、突然、みすぼらしい人影が私たちの間を横切った――ボロボロの服を着た乞食だった。彼は頭を下げ、自分が危険に足を踏み入れているとも知らず、逃げる足音が地面に埃を巻き上げていた。
チャンスだ。
「瞬歩斬!」
私の姿が一瞬揺れ、乞食をすり抜け、剣先が空中で斜めの軌跡を描き、右上から敵へと斬りかかった。彼の瞳孔が大きく見開き、慌てて剣を構えて防いだが、動きが一瞬遅れた。
「キン!」
金属がぶつかる音が響き、彼は私の攻撃の衝撃を完全に受け止めきれなかった。防御がわずかに緩んだその瞬間、私の剣は勢いを変え、軌跡を切り替え、彼の剣の刃に沿って横に斬りつけた!
鋭い剣先が彼の左太ももを切り裂き、骨まで見える深い傷口から血が一気に噴き出した。彼は痛みに叫び、足が折れて地面に膝をつき、血が埃の中で急速に広がった。
だが、彼が死に絶えたかどうかを確認する暇はなかった。次の危機がすぐさま襲いかかってきた――
「シュッ!」
鋭い風切り音とともに、正面から長槍が私の喉を目がけて突き刺さってきた。私はほぼ本能で横に飛び、槍が耳元をかすめ、一筋の髪を切り落とした。
「ふっ、危なかった。」
私の視線が冷たく鋭くなり、避けた勢いで体をひねり、剣を逆手に振って槍を持つ者の胸を突いた。剣先が肉に食い込み、相手の顔が一瞬で歪み、口がわずかに開いたが、何も叫べず声にならなかった。私はためらわず肩で突き、彼の死体を隣の敵に勢いよくぶつけ、その隙に槍を奪い取った。
「カン!」
槍の穂先がもう一人の敵の剣とぶつかり、火花が散った。私はその勢いで後退し、足が地面についた瞬間、「ドン!」という轟音が響いた――巨大な斧が振り下ろされ、私が立っていた地面を粉々に砕いた。飛び散る破片の中、私の目はさらに冷たく鋭くなり、周囲を素早く見回した。
この刺客たちの連携は拙く、それぞれがバラバラに動いていた。もしかしたら……まだ突破のチャンスがあるかもしれない。
だが、チャンスはそう簡単には訪れない。
「シュッ!」
鋭い破空音が空気を切り裂き、振り返る間もなく、激しい痛みが左足の脛から走った――矢が私の左脚を貫いていた!
足が崩れそうになり、叫び声を本能的に抑え、槍を地面に突いてかろうじて体を支えた。額から冷や汗が流れ落ち、刺すような痛みが神経をさらに研ぎ澄ませた。
私は深く息を吸い、視線を屋根の上に投げた――そこには弓を構えた射手がまだ立ち、弦を引き絞り、冷たい目でまるで耐え忍ぶ狩人のように、最適なタイミングで獲物を仕留める瞬間を待っていた。




