14.祖母の鬼訓練(1)
奶奶的魔鬼訓練
翌朝、陽光が木々の隙間から差し込み、村の道を照らしていた。朝霧はまだ完全に晴れておらず、空気には少し湿った冷気が漂っていた。
村の入口では、ラフィルとアメリンがトムリン一行を見送りに来ていた。ラフィルの目には名残惜しさがにじみ、まだ別れの余韻に浸っているようだった。
安おばあちゃんが振り返り、ラフィルの肩を軽く叩いて、優しく微笑みながら言った。
「ララ、これからしっかり頑張るんだよ。」
そう言い残して、彼女は小走りで去っていった。
アメリンは静かに隣に立ち、腕を組んで鋭い視線を向けていた。
まだ感傷に浸っていたラフィルに、彼女は冷静に口を開いた。
「少しだけウォームアップの時間をあげる。すぐに訓練を始めるわよ。」
その語調には一切の容赦がなく、まるで鉄の塊が地に落ちたように、硬くて揺るぎない決意が込められていた。
ラフィルはわずかに眉をひそめ、何か言おうとしたその時──黒い影が目の前を素早く横切った。アメリンの長い木の棒が、彼の鼻先すれすれでピタリと止まっていた。呼吸すらぶつかりそうな距離だった。
ラフィルは驚愕し、目を見開き、心臓が一拍跳ねたように感じた。ようやく、彼はアメリンの厳しさが冗談ではないことを悟った。
喉を詰まらせながら、なんとか「はいっ!」と返事を絞り出した。その声にはかすかな震えが混じっていた。
ウォームアップの時間は簡素かつ静かだった。聞こえるのは、土や草を踏みしめる音だけだった。
アメリンは地面に簡単な村の地図を描いた。その地図には村の外周が示されており、ラフィルが走るべきルートが記されていた。任務は、村の一番外側を一周走って戻ってくること。
「この道に沿って、一周してここに戻ってきなさい。」
「……」
「返事は?」アメリンの口調は冷たく、視線は針のようにラフィルを刺す。
「はいっ!」ラフィルは背筋を伸ばして答えた。
「途中で止まってはいけない。これはお前の根性と体力を試す訓練よ。」
「はい!」
「できるの?」
「はい!」
「できるのかって聞いてるの!」
「できます!」
「出発!」
「はいっ!」
ラフィルは一瞬の迷いもなく、森の小道へと走り出した。彼の姿は徐々に木々と霧の中に飲まれ、朝の薄靄に消えていった。
アメリンはその場に立ったまま、彼の姿が完全に見えなくなるまで見送った。
そして、茂みの一角に目を向け、小声で命じた。
「行きなさい、ララの後をつけて。気づかれないようにね。」
その声と共に、小柄な恐狼が静かに影から姿を現した。頭を上げ、耳をピクリと震わせながら命令を受け取る。軽く吠えると、すぐさま霧に包まれた林の中へと姿を消し、ララの後を追った。
ラフィルが出発した時、太陽はちょうど昇ったばかりだった。だが彼が村の門に戻ってきた時には、すでに太陽は空高く昇っていた。
アメリンは門のそばの木のベンチに座り、やや不機嫌そうな顔で腕を組み、時折ちらりと門の方を見ていた。それとは対照的に、安おばあちゃんはその隣で穏やかに目を閉じ、日光浴を楽しんでいるようだった。
「こんなに遅いなんて、体力がなさすぎるわね。」
アメリンは舌打ちし、嫌味っぽい口調で言った。
「最初はどの子もそうなるものさ。」
安おばあちゃんはゆっくりと返し、声にはそよ風のような優しさがあった。
「そんな体力でハンターになれるわけがない。」
「訓練場の子たちだって、最初は途中で戻ってこれなかった子もいたのよ。」
「……私はララには向いてないと思う。」
「それはあんたの意見でしょ?私はララには素質があると思うわ。」
「それは私の孫よ。」
「私だってララを孫のように思ってるわよ。」
「……」
安おばあちゃんは余裕の笑顔で応じた。アメリンは言葉に詰まり、視線をそらしたものの、ちらちらとララの方を見続けていた。
ちょうどその時、ラフィルがようやく姿を現した。彼の足取りは重く、脚はもはや体を支えられないほどだった。息はまるでふいごのように荒く、額から汗が止めどなく流れていた。彼は力を振り絞って一歩一歩、彼女たちのもとへと近づいていった。
安おばあちゃんはすぐに立ち上がり、手にしていた水筒を差し出しながら、優しく声をかけた。
「ゆっくり飲んでね、むせないように。」
アメリンも立ち上がったが、その顔にはますます苛立ちが浮かび、語気も強まっていた。
「動きが遅すぎるわ。午後の訓練はどうするのよ?」
その言葉に、ラフィルのうつむいた目に失望の色が走った。彼はアメリンの顔を見上げ、それから安おばあちゃんの柔らかな笑みを見て、心の中に押し寄せた挫折感がさらに深くなった。
安おばあちゃんはラフィルの様子にすぐ気づき、前に出て彼の肩を軽く叩きながら、場の緊張を和らげるような口調で言った。
「午後は屋内で授業にしましょう。過度な訓練は逆効果になりかねないからね。」
その一言はそよ風のようにラフィルの心をなだめた。アメリンは眉をひそめたが、それ以上何も言わなかった。
夕日の最後の光が静かに消え、夜の帳が村を包み込んだ。夕食の時間が訪れ、村には食事の香りが漂っていた。
しかし、ラフィルはどうしても気力が湧かなかった。夕食前にコグマと遊びに行こうと思っていたが、昼間の訓練による疲労で、その楽しみはすっかり吹き飛んでいた。
彼は食卓の椅子に丸くなって座り、深い眠りに落ちていた。まぶたはまるで鉛のように重く、頭が前に垂れ、呼吸は静かに、時おり微かな寝息が聞こえていた。
アメリンは夕食が並べられた食卓を見渡し、すべてが整っていることを確認すると、疲れきった孫の姿に気づいた。その瞳には優しい心配の色が浮かび、眠るラフィルを静かに見つめていた。
彼女はそっとテーブルを指で軽く叩いた。音は小さかったが、十分に注意を引くには足りた。それでラフィルはうとうとした眠りから目を覚ました。
ラフィルはぼんやりと目を開け、食卓の料理を見回した。
数秒後、彼はようやく意識をはっきりさせ、目をこすりながら身体を起こし、弱々しい微笑みを浮かべてまっすぐに座り、アメリンが用意した夕食を食べ始めた。
夕食が終わると、アメリンは彼に横になるよう促した。ラフィルは理由が分からないまま、素直に言われた通りにした。彼はまだ知らなかった──これから待っているのは「拷問」に等しい試練であることを。
アメリンは袖をまくり上げ、手慣れた様子で「祖伝のハンター向けマッサージ術」を施し始めた。
それは普通のマッサージではなく、狩人の訓練後の筋肉疲労を和らげるために特化された特別な技法である。効果は抜群だが、非常に強い圧力をかけるため、すでに張り詰めた筋肉にとってはまさにもう一つの苦行だった。
アメリンの手がどんどん深部へと入り込むにつれ、ラフィルの悲鳴が静寂な夜空に響き渡った。その悲惨な叫び声は夜を切り裂き、隣人たちが次々と窓から顔を出すほどだった。
「何があったんだ?」
「ラフィルが何かやらかしたのか?」
「まるでひどく叱られてるみたいな声だな!」
噂は野火のように広がり、村の人々の間では、ラフィルが何か重大な過ちを犯して懲罰を受けているのではないかとささやかれ始めた。




