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第一部 三章 無明を照らす灯火 希望の光1

確信は持てない。僕の思い込みかもしれない。

それでも、僕は必死に続けた。父さんと兄さんが帰ってくるまで、僕が母さんを支えなければ。その一心だった。


そして、旅立ちから5日目の夕暮れ時。

村の見張りが、遠くに二つの人影を見つけて叫んだ。


「アレンさんとカイアだ! 帰ってきたぞ!」


その声に、村中がわっと沸き立った。集会所にいた僕やミア、そして動ける村人たちは、皆、村の入り口へと駆け出した。いつもなら片道で3日かかる道のりを大急ぎで帰ってきたのは誰の目にも明らかだった。

疲れ果てた様子の父さんと兄さん。そして、二人の後ろには――白い清らかな衣を纏い、穏やかで優しい雰囲気を漂わせた、年の近い若い女性の姿があった。


「父さん! 兄さん!」

「無事だったんだね!」

僕とミアは、二人に駆け寄った。


父さんは僕たちの頭を撫で、

「ああ、なんとか助けを連れてくることができたぞ」

と、安堵の表情を浮かべた。


そして、集まってきた村人たちに向かって、後ろに立つ女性を紹介した。


「こちらは、ウィルバーグの街で助けを求めた、『無明を照らす灯火教団』から来てくださった、巫女のフローレンス様だ」


フローレンスと名乗った巫女さんは、集まった村人たちを前にして、少し緊張した面持ちで、しかしはっきりとした声で自己紹介を始めた。


「はじめまして。無明を照らす灯火教団より参りました、フローレンスと申します。私は、聖アストライア慈愛院で育てていただきました。教団の教えに従い、苦しむ方々のお力になりたいと、この度参上いたしました。

まだ新米で至らぬ点も多いかと存じますが、アストライア様のお導きを信じ、皆さまの苦しみを少しでも和らげられるよう、精一杯努めさせていただきます。 どうぞ、よろしくお願いいたします」


その言葉遣いは丁寧で、眼差しは優しさに満ちていた。新米だと言ってたけれど、その佇まいには、人々を救いたいという純粋な想いが溢れているように見えた。


村人たちは、救いの手が現れたことに、安堵と期待の声を上げる。


「巫女様、ようこそ…」

「どうか、皆を助けてください…」

と口々に懇願する。


フローレンスさんは、長旅の疲れも見せず、すぐに集会所へと案内され、負傷者たちの治療に取り掛かることになった。

僕の心の中にも、大きな希望の光が差し込んできた。


(灯火教団……この人なら、きっと……!)

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