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第一部 三章 無明を照らす灯火 守り神様6
僕も、胸騒ぎを覚えながら、両親の元へ走ろうとした。
「みんな、しっかりしろ!」
避難所から駆け下りてきた村人たちが、負傷者の元へ駆け寄る。
その時、僕の視界の端で、異変が起きた。
戦闘を終え、機能停止したはずの守り神様の体が、ピクリと動いたのだ。
ガシャン、という重い音。
頭の輪の光は消えたままだ。しかし、その体は、まるで壊れたからくり人形が無理やり動かされているかのように、軋む音を立てながらゆっくりと、本当にゆっくりと立ち上がろうとしている。あちこちの外装が剥がれ落ち、腕は不自然な角度に曲がっている。満身創痍、今にもバラバラになりそうな状態だ。さっきまでの激しい動きが嘘のように、その動作は信じられないほど遅く、ぎこちなかった。
(守り神様……!)
他の村人たちは、負傷者の介抱に必死で、守り神様の異変には気づいていないようだった。父さんや母さんの安否も気になる。すぐに駆け寄って、何か手伝いをしなければ。
そう思うのに、僕の足は、なぜか守り神様の方へと引き寄せられていた。




