第一部 三章 無明を照らす灯火 マナ4
体はまだ少しだるいけれど、昨夜までの激しい苦痛は嘘のように消えている。
(あれ…? なんか違う気がする...変だな…?)
昨夜、夢うつつの中で何を試していたのか、内容はよく思い出せない。ただ、必死にもがいていた感覚だけが残っている。
でも、結果として少し楽になっているのなら、あれは無駄ではなかったのかもしれない。
僕はゆっくりと体を起こし、窓の外を見た。遠くに、朝日を浴びて静かに佇む、お社のシルエットが見える。
(もしかしたら、僕にもできることがあるのかもしれない)
まだ確信はない。それでも、ほんの少しだけ、希望の光が見えた気がした。
それから僕は心做しか間隔が短くなってきた発作に記憶の断片を頼りに何度も立ち向かっていった。
*
僕の体調がかなり良くなり、父さんの授業に出られるようになった日。
授業は、ちょうど魔法に関する話だった。父さんはいつものように、僕やカイア兄さん、ミア、そして他の村の子供たち数人を前に、魔法の基礎について説明していた。
「いいかい、一番大事なのは、強く『こうなってほしい』と願う心、そして頭の中でその結果をはっきりと『イメージ』することだ」
父さんはそう言って、練習として指先に小さな灯火を灯すことを皆に促した。
「さあ、やってごらん。焦らなくていい。まずは、ロウソクの炎のように、温かくて穏やかな光を、自分の指先に思い描くことからだ」




