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断片3 新入社員4

中性子? 磁場? 相変態? まるで異世界の言葉を聞いているようだ。それでも、何かとてつもなく新しく、すごいものが生まれようとしている熱気だけは感じ取れた。僕はただ、必死にペンを走らせ、二人の言葉を、その場の雰囲気を、少しでも多く記録しようと努めた。



打ち合わせが終わり、会社に戻る道すがらも、僕の頭は混乱したままだった。

翌日、僕は徹夜に近い状態でなんとか報告書をまとめ上げ、恐る恐る先輩に提出した。


「ふむ……アイザック、ご苦労だったな。どれどれ……」


先輩は僕の報告書に目を通し始めた。しかし、数秒後にはその眉間に深い皺が刻まれ、大きなため息が漏れた。


「……おい、アイザック。これはなんだ? 博士が言っていた『縮退』の意味は?中性子ビームを用いる原理は? なぜオーステナイト系が適していると考えたんだ? 何も書かれていないじゃないか!」


「は、はい! すみません! その、専門用語が多くて、話についていくのが精一杯で……」


「ついていけなかったから書けませんでした、で済むと思うなよ! 分からなければ、その場で質問するか、後で調べるとか、やり方はあったはずだ! この報告書じゃ、何一つ伝わってこん!」

「あと、今回はかなりデカイ試験になる。上から補助金を取って進めるように言われてるから、

ものづくり補助金の申請をお前にやってもらう。勉強しとけよ。」


(先輩……、ものづくり補助金ってなんですか……)


先輩の容赦ない指摘が、無知な僕に次々に突き刺さる。真っ赤になった報告書を前に、情けなくて泣きそうな僕はもうただ俯くしかなかった。

(この時の僕は、先輩がちゃんと自分でも報告書を作成し、僕の提出物はあくまで教育のための添削用だと知る由もなかった。補助金も結局先輩が助けてくれた。もっと頑張らないと。)


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