第一部 二章 光る輪 確信2
(やっぱり…! 守り神様はただの像じゃない! 生きてるんだ! 何か、特別な力が眠ってるんだ!)
戦闘が終わり、避難所のハシゴが降ろされ、村に安堵の空気が流れる中、僕は興奮を抑えきれずに兄妹のもとへ駆け寄った。
「兄さん! ミア! 見たんだ! さっき、ボスがこっちに来た時、守り神様の頭の輪っかが光ったんだよ! チカチカって、変な光り方してたんだ!」
僕は身振り手振りを交え、必死に説明した。
だが、カイア兄さんの反応は予想通りだった。
「はぁ? 光る輪っか? ノア、お前また変なこと見てたのか。大丈夫か? さっきの父さんと母さんはすごかったからな、興奮しすぎだろ」
と、まだ両親の活躍の余韻に浸っている様子で、僕の頭をポンポンと叩く。
ミアも、
「えー、変な光? きっと目の錯覚よ。でも、父様と母様、かっこよかったわね!」
と、両親の勝利に夢中だ。
(やっぱり、信じてもらえないか……)
僕は少し肩を落とした。まあ、仕方ない。みんな戦闘に夢中だったし、僕が見たのも遠くからの一瞬の、淡い光だ。それに、今までの襲撃の時だって、村の人たちはモンスターと戦ったり、逃げたりするのに必死で、村はずれの守り神様の細かい変化なんて気にしている余裕はなかったんだろう。僕が初めて気づいただけなんだ、きっと。
村では、討伐された牙猪を解体する作業が始まっていた。硬い皮は防具に、肉は貴重な食料に、牙や骨も道具の材料になる。モンスターは脅威だが、同時に村にとっては貴重な恵みでもあった。村人たちは喜びの声を上げながら、手際よく作業を進めている。
その活気ある様子を眺めながら、僕は一人、守り神様のことを考えていた。




