Les Misé blue
●気だるげで浮遊感溢れる作風は相変わらずで、やはり締まりの無い印象が。
【収録曲】
1.I Will Come (before new dawn)
2.明かりを灯せ
3.Everything With You
4.Don't Think Twice (It's not over)
5.Alone In Lonely
6.診断書
7.Dinosaur
8.モンタージュ
9.うつして
10.In My Hurts Again
11.In The Air, In The Error
12.Maybe Understood
13.深緑の Morning glow
14.Les Misé blue
2022年にリリースされたSyrup16gのアルバム。結構久し振りのリリースとなりましたが、気だるげで浮遊感溢れるギターロックを聴かせていく作風は相変わらずといった印象を受けました。ボサノバ調の『Alone In Lonely』や明るいギターリフを聴かせる『深緑の Morning glow』のように少々異なる雰囲気の曲もあるのですが、作品を通してのトーンは分かりやすく統一されていると言えるでしょう。
ただ、やはり全体的に締まりの無い印象が拭えず、その「世界観」に没入することができませんでした。「大事 それは確かに大事 いや それよりも大事 を突き詰めたら 虚無かもよ」(診断書)や「ひとりの世界は 仲間がいっぱい」(Les Misé blue)等のように、随所になかなか興味深い歌詞があったりするのですが、概してメロディが弱く、何だか聴いた後の印象が薄いように思えます。
まあ、彼らのようなバンドに「分かりやすさ」を求めるのはお門違いだということは充分理解しているのですが、個人的にはどうしても『Hurt』のようなポップな面を覗かせる作風を求めてしまうんですよね。そういう意味では、色々と物足りなさが残るアルバムでした。
評価:★★★