Hurt
●気だるげで鬱々とした雰囲気の中に、ポップな面が垣間見えるアルバム。
【収録曲】
1.Share the light
2.イカれた HOLIDAYS
3.Stop brain
4.ゆびきりをしたのは
5.(You will) never dance tonight
6.哀しき Shoegaze
7.メビウスゲート
8.生きているよりマシさ
9.理想的なスピードで
10.宇宙遊泳
11.旅立ちの歌
2014年にリリースされた、Syrup16gの再結成後初となるアルバム。リリース当時、私は彼らに対して「BUMP OF CHICKENみたいなバンド」という勝手なイメージを持っていたのですが、実際に今作を聴いてみたら、全然違うことに気付かされました。
明確に感じられるのは、その気だるげな雰囲気でしょうか。不安定で頼りなげなボーカルと浮遊感のあるサウンドが印象的で、まるで薄暗い空間を漂っているかのような感覚をリスナーに味わわせてくれます。
良くも悪くも人を選びそうな作風なのですが、そんな中でも、所々でインパクトのある楽曲を繰り出してくるのが、これまた興味深いところ。『Share the light』では迫力のある演奏を聴かせてくれますし、『メビウスゲート』はファンキーなリズムが印象的。『生きているよりマシさ』は「死んでいる方がマシさ」「生きているよりマシさ」といったフレーズが耳に残りますし、『旅立ちの歌』は明るいメロディに乗せた「最低の中で 最高は輝く」等といったひねくれた感じの歌詞で、彼らなりの「応援歌」に仕上がっているように思いました。
作風が作風だけに、曲によっては間延びしている印象が否めないのですが、ある意味「鬱々」とした様相の中に不思議と「ポップ」な面が垣間見える……そんなアルバムと言えるのではないでしょうか。




