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Solomon's Gate  作者: さかもり
第六章 新たなる局面に
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アップデート

 GUNSはシミュレーターをアップデートし、模擬大戦を行うことにしていた。


 それはパンドラ基地に所属する全てのパイロットを集めて行われるもので、侵攻における予行演習のようなものである。


「本日は合同模擬演習を行うことになった。部隊会議で聞いているかと思うが、軽く説明させてもらう」


 第一ドックではグレックが代表して説明をするらしい。


 これまで全隊で合同訓練することなどなかった。なぜなら、明確な守護エリアが決められており、ラインを越える場合の決めごとしかなかったからだ。


「シミュレーションはGUNSによる侵攻を想定している。つまり光皇連軍が防衛戦を敷くというもの。これまでのように押し寄せる敵機を撃ち落とすだけではない」


 小隊員を集めて話すグレックにアイリスは目を細めている。

 このような姿をずっと望んでいた。隻脚であった頃から、グレックが第一線に立つ雄姿を彼女は期待していたのだから。


「俺は大戦に参加した経験がない。よって第一戦から第三戦まで映像にて確認した。徐々に連軍の練度が落ちていたのは諸君らも分かっているだろう。大戦が進むごとに、連軍が統率を失っていたのは明らかだからな」


 グレックは結論を語る。攻め手は基本的に自由飛行をしていたが、それは統率を失う原因でもあったという。


「三戦目に至っては明らかにミハル一等曹士の機体を避けていた。これにより自由を得た部隊や、窮地に追い込まれた部隊が発生している。401小隊は301小隊の煽りを食った格好だな」


 再編された今、もう既に401小隊の名残すらない。色々と問題のあったデリク一等曹士も既に異動となっていたのだ。


「結論をいうと、自由に飛びすぎると安定を欠く。かといって、エリアを固めすぎると効率が悪い。従って本日は二つの陣形を試すことになった。まずは防衛時と同じ布陣。続いて各ラインに奥行きを持たせる布陣だ」


 従来の布陣であれば、最前線のアルファ線Aラインは横一線になって飛行する。

 対して奥行きを持たせる布陣では隣り合う小隊を下げてデコボコの状態で飛行。Aラインを更に二列に分割して飛ぶ布陣であった。


「それにより各小隊の左右はかなり広い間隔が取られる。討ち漏らしは下げた部隊が殲滅するという計画だ。我々は双方とも前に陣取る部隊だが、隣にいるはずの102小隊や202小隊は後方を飛ぶことになる」


 事前の試算ではラインを横一線とするより、誤射が抑えられるという。

 綿密なシミュレーションによる結果であった。


「ともかく、本番で戸惑わないように、しっかりと訓練してくれ。アイリス少尉は何かあるか?」


 同じ小隊長であるアイリスに意見を求めるも、アイリスは首を振った。彼女はグレックに一任するかのよう。


「それでは搭乗せよ。シミュレーションエリアまでは小隊ごとの編隊飛行だ」


 ここで解散となる。


 大戦シミュレーターは太陽系側で行われる予定なので、持ち場まで自走しなければならない。全てはカザイン光皇連から手の内を隠す意味合いであった。


 これより101小隊と201小隊は全隊演習に参加する。

 全隊員が意気込んでいる。初めての侵攻軍となるのだから、訓練といえども全員が真剣に取り組むことだろう。


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