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Solomon's Gate  作者: さかもり
第六章 新たなる局面に
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アースリングユニック群

 同刻、地球圏に浮かぶアースリングユニック群。

 ここは最古のユニック群であり、地球圏におけるGUNSの中心地である。


 その中の一つであるネオユニックワンに大勢の兵士たちが集まっていた。


 声を張るのは地球政府代表のゴードン首相。アースリング派閥の重鎮が全滅したため、急遽大役を請け負っているらしい。


「多くの志願者に感謝する! 我ら地球人は今こそ団結すべきだ。敵はゲートの裏側にあるカザイン光皇連。非道な攻撃により、我らのオリンポス基地がものの数分で跡形もなくなってしまった。多大なる被害に加え、愛する者を失った人たちも多いことだろう。しかし、悲嘆に暮れている場合ではないのだ……」


 どうやら出立の祭事であるようだ。地球政府は大々的に兵士を募集し、此度は異例の数が応募している。


 オリンポス基地の消失について、連日に亘ってマスコミが報道していたから。

 それは地球人の意識を変えるに充分な理由となっていた。


「我らは存亡の機に瀕している。戦うしかない。戦って勝つしかない。どのような人員であっても歓迎する。料理人であったり、清掃人であったり。パイロットだけではない。前線を守護する人員が圧倒的に不足しているのだ」


 パイロット志望は既に精査済みであって、実力を認められた者はイプシロン基地へと向かい、それ以外は各星系の基地に配備されるという。


 また一般職を希望する者はもれなくイプシロン基地に。オリンポス基地の件で多くの人命が失われ、イプシロン基地は過度な人員不足に陥っていたからだ。


「勇気ある者たちよ、感謝申し上げる! 愛すべき地球を守っていこう! この青い星を後世に残さねばならない! 我らは異星人を根絶するまで戦おうじゃないか!」


 軍部の所属ではないゴードンであったけれど、元より異星人の内情を彼は最初から知る人物だ。職務外の仕事であったものの、快く引き受けてくれたらしい。


 ゴードンの演説に希望者たちが声を上げる。

 全員が地球と太陽系のために戦おうと腕を掲げていた。


 人数もさることながら、士気の高さにゴードンは満足げだ。これまで打てど響かずだった地球人が一致団結しているのだから。


「私は戦う人間ではない。しかし、そのことに落胆してはいない。なぜなら、私が声を上げることで、こんなにも多くの英雄たちが集まったのだ。私は君たちを誇りに思う。人それぞれの役割を全うして欲しい。来たるべく平和のために、個々ができることをこなしていこうじゃないか!」


 転機となった先の大戦。多くの被害を出したけれど、ゴードンは進むべき道にある事象だったと考えている。見向きをしなかった銀河間戦争という災禍に注目が集まったのだ。きっと失われたもの以上を得られるはずだと信じていた。


「我らは太陽系に住む人類だ! 異星人に明け渡す星など存在しないのだから!」


 最後まで鼓舞を続ける。


 歴史あるユニックにゴードンの声が高らかに響き渡っていた。

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