表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Solomon's Gate  作者: さかもり
第五章 動き始める世界
117/226

現状から考えられること

 イプシロン基地司令部は慌ただしかった。本当に偵察の延長なのかと思い始めた矢先、五万もの戦闘機に加え三千という大艦隊が飛来したからだ。


「アーチボルト、光皇連の動きをどう見る?」


 初めから五万であれば悩まなかっただろう。どうしてか光皇連は初っ端に偵察とも取れる進軍をしていた。不可解な戦術に彼は疑問を覚えている。


 頷くアーチボルト。彼もまた疑問に感じたようだが、既に一定の推測を済ませているようである。


「恐らく第一陣は本当に偵察だったのではないでしょうか……」


「偵察? 一万もの大軍を使ってか?」


 クェンティンは眉根を寄せている。光皇連がそこまでして偵察にこだわる理由が分からないといった風に。


「ベゼラさんが話していたように、光皇連は勝利を第一に考えていないのだと思われます。狙いは基地の破壊。それさえ成されれば、目的は達しているはず。従ってどうしても基地の位置を確認したかったのだろうと考えられます」


 確かにベゼラは話していた。エザルバイワ皇子に功績を与えるだとかどうとか。太陽人にとどめを刺す配役だけは既に決まっているのだと。


「なるほど、舐められたものだな。して奴らは既に防護壁を確認したはずだが、どう動くと思う? 五万という戦闘機を出したのだから策があるはずだぞ?」


「ええまあそうでしょう。考えられることは二つあります。まず一つはイプシロン基地のみを攻撃する場合です。それはオリンポス基地の存在に気付いていない場合に起こり得る事象ですね」


 アーチボルトは推論を語る。彼らの狙いについて。撤退しない理由は目的があるからだと。


「ですが可能性としてイプシロン基地を狙う確率は低いかと考えます。彼らはきっとオリンポス基地を狙うでしょう。気付かぬはずがありませんし、イプシロン基地と変わらず防護壁に守られた何かを不審に思うでしょうから」


 未知なるものに対する恐怖はエイリアンであっても同じであろう。そこに何があるのかも分からなかった光皇連は真っ先にそれを狙うはずだ。隠された巨大な建造物が居住用のユニックでないことくらいは容易に察知できるのだから。


「オリンポス基地に連絡を取れ。破壊兵器についてはアイザック司令も知っているが、あちらは初実戦だ。狙われる可能性が高いと伝えてやってくれ」


「了解しました。迎撃用浮遊トーチカの起動や機雷の準備も併せて伝えます」


 イプシロン基地は既に機雷を放出しており、浮遊トーチカも全機が起動している。オリンポス基地の運用がどのような感じか分からなかったけれど、お節介ついでとばかりに進言するらしい。


 戦局が動き始めていた。やはり大戦が簡単に終結するはずもない。光皇連の真意はともかくとして、戦場にいる兵士たちは全員が勝利しようとしていたのだから。


 アルファ線上を映すレーダーには蠢く敵機の大軍がある。それはまるで警告灯のように赤々とし、太陽系に危機が迫っていることを通知していた。


本作はネット小説大賞に応募中です!

気に入ってもらえましたら、ブックマークと★評価いただけますと嬉しいです!

どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
当方ランキングサイトに参加しております。
↓(灬ºωº灬)ポチッとな↓
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ