前進
気づいていたけど 気づかないふりをしていた
それが 幸せを守るためだと信じていた
普通を普通として生活するのは難しい
登場人物
姫・・・主人公 35歳 主婦
殿・・・姫の旦那 36歳 無職
次の日 私一人で実家へ行き話をした。
「長男も入学ですし、次男も入園ですし、父親が無職というのは・・・。
もしかしたら、失敗するかもしれませんし、どうなるかわかりません。
けれど、現状では仕事はありそうですし、私がサポートしますから、殿の独立を認めてもらえないでしょうか。会社の設立資金は私がだしますので。」
義父の一番のネックは金だと思っていた。
自分が金を出さないで良い状況になれば 殿の独立を認めると私は踏んでいた。
案の定「姫さんが一緒にサポートしてくれるなら」と納得した。
昨夜の激怒は何だったのか?と思うくらいあっさり話はすんだ。
義父の許しを得てから 殿は毎日のびのびと会社設立の準備で忙しくしていた。
息子たちの春休みでもあったので
息子たちを連れて姉の住んでいる東京へ遊びに行った。
この数週間の青天の霹靂で疲れた頭と体を休ませるための旅行でもあった。
生活圏でない土地では自分を解放できた。
姉家族たちと一緒に過ごす日々は穏やかで笑顔と笑いが絶えなかった。
帰れば 新しい生活が始まる。
夫婦二人で会社を作り 大きくしていく。
大変だろうけど 新しい家族の形。