取引
気づいていたけど 気づかないふりをしていた
それが 幸せを守るためだと信じていた
普通を普通として生活するのは難しい
登場人物
姫・・・主人公 35歳 主婦
殿・・・姫の旦那 36歳 サラリーマン
案の定 お金は出せないし サラリーマンを辞めることに義父は激怒した。
(激怒することは予想がついたので辞めたことはふせて、辞めようとおもっているとした)
実家から帰った殿は頭を抱えて何日も口を閉ざした。
心の中で「バカめ」と思ったが
現実問題として 私が稼げる力はなく働いてもらうしかなかった。
息子たちのために。
「独立したら、億、かせぐねんよな」
「めっちゃ稼げる」
「ほんまやな」
「稼ぐ」
「じゃ、私がお金をだしてあげる」
私は父の遺産を会社設立資金に貸すことにした。
主人の頭を抱えていた問題は義父だ。
亭主関白。昔ながら家長気質。
絶対権威をもち 家族の誰も逆らうことができない存在。
義母も殿も義弟も義父には口ごたえができなかった。
反対された状態で会社を立ち上げるのはこの先不具合が出てくる。
「私がお義父さんに話をつけてきてあげる」
地位と名誉と昔の栄光、世間の目を気にして生きている義父を言いくるめるのは簡単だと思っていた。