【1話 あなたはしっとり派?カリカリ派?】
『今日から留学することになった、ケーニヒスクローネです。』
黒板の方を見るなんて何か月ぶりだろうか。そう思い視線を留学生の方に向ける。
まるでバービー人形が等身大になったように僕の瞳に写った。
その衝撃は初めて「XXXTENTACION」の「SAD!」を聞いたときのようだった。
『ケーニヒスクローネさん、空いてる席に座ってください』
そうしてケーニヒスクローネさんは僕の席に座った。
いや、(元)僕の席だったな。
そう僕は死んでしまった。
10か月前トラックにひかれそうになってる小学生を助けようとして轢かれてしまった。
今生きていたら、きっとケーニヒスクローネさんと楽しい学園生活を送れているんだろうな。
『ああ、神様。一生に一度のお願いです、僕に肉体をください。』
てか一生に一度のお願いってもう死んでるんだった
そんなことに気づき笑っていると、その時、轟音が鳴り響き、地面が揺れ。体が後ろへ引っ張られる。
『うわあああああああああ!!』
そして壁のようなものにぶつかった衝撃と痛みが僕を襲った。
『一体何なんだ。』
混乱の中、僕は周りを見渡すが暗闇の中にいるかのように真っ暗だった。
僕の頭の中に一つ疑念が浮かんだ。
『ああここはあの世か。あまりに長い間現世にいたから神様が僕のことをあの世に連れてきたんだ。』
進撃の巨人の最後どうなったんだろうな、今年のグラミー賞誰がとったんだろう、ケーニヒスクローネさんのこともっと知りたかったな・・・
『頼む成功しててくれ』
もっと現世にいたかったな、と後悔していると聞き覚えの声が聞こえた。
すると目の前に光が差し込み目の前に化学を担当している二コラ先生がでてきた。
『走馬灯・・・』
『やった実験は成功だ!!!!!!』




