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逃れられない現実3
本当の私の家族に妹はいなかった。
子供ができにくい体質の母は不妊治療をしてやっと私を産んだ。
それなのにできたのはブサイクで、できそこないの私だった。
母は絶望したと思う。
そんな母も父もかわいそうだと思う。
でも私には何もできなかった。
ただ、生きているだけだった。
両親には、子供の頃いろんな所へ連れて行ってもらった。
遊園地や水族館。動物園に広い公園。
一番嫌だったのは広い公園だった。
自由に遊びなさい。
そう言われると何もできなかった。
でも良心的にはそれが一番楽だったのだろう。
いろんな場所の広い公園へ行った。
いろんな遊具があって、でも何もしないでそこら辺をうろうろするだけの私を見て、両親は何を思ったのだろうか。
何処へ連れて行っても私は静かな子供だったらしい。
不気味だっただろう。
申し訳なさで潰れそうになりながら、今日も生きている。