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虚構の家族
「おかえり、○○」
「お姉ちゃんおかえり!!」
「ただいまーお母さん。絵里」
「今日も学校楽しかった?」
「うん、楽しかった。テストもぎりぎり平均点だったし」
「お姉ちゃん頭悪いのによく頑張ったねー!!」
「こら、そういうこと言わないの!」
「あはは、いいのいいの。事実だからさ。平均点取れた私をほめてよ絵里ー」
「いいよーよしよーし」
ぐしゃぐしゃと頭を撫でられる。
「とりあえず手洗ってきな。おやつ用意してあるからね」
「お姉ちゃん帰ってくるの待ってたんだよー絵里えらいー?」
「うん。えらいえらい」
仕返しのようにぐしゃぐしゃと頭を撫でてやった。
きゃーと言いながら逃げる様子のない妹をいとおしく思った。
「今日のおやつはプリンだよー」
「とろとろの奴?」
「そう」
「やったー」
手を洗って、リビングに行くとプリンが置いてあった。
私の大好きなメーカーの奴だった。
妹と並んでプリンを食べる。
そんな夢をいつまでも見ていたいと思った。