虚構の友達
「○○ー一緒に帰ろっ」
そう言って後ろから抱きつかれる。
「うわって宮ちゃんかーびっくりしたー」
「うへへー○○びびってやんのー」
「もーやめてよー」
宮ちゃん。
私の親友。
小学生のころから一緒で、近所に住んでることもあって、いつも仲良く遊んでる。
こうして高校も同じ場所に通えて、私は幸せだと思う。
「そういえば宮ちゃん髪の毛切った?」
「え?なんで?」
「ちょっと雰囲気変わったなって」
「よく分かったね!でも気づくの遅いよー」
「朝から気づいてたんだけど言うタイミングなくて今になっちゃったの!」
「へーほんとかなあ?」
「本当だってばっ」
「そっかーありがと」
「それで、今日はどっか寄ってくの?」
「ああ、そうそう!給料入ったから今日はおごるよー」
「ええ?悪いよー」
「いいのいいのー」
そういう会話をしながらもずっと抱きつかれているため、だんだん重たくなってきた。
「宮ちゃん、私も帰り支度するからいい加減離れてくれない?」
「ああ、ごめんごめん」
パッと離れていく宮ちゃん。
宮ちゃんは少しスキンシップが多いので私はいつもドキドキするけどそんなこと言ったら余計スキンシップが増えそうなので何も言わないでおいた。
「おまたせ」
「ううん、そんな待ってないからいいよ」
二人で帰る。
こんなことを妄想していると、本当のことのように思えるから不思議だ。