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辺鄙な国に就職した俺は勝ち組だった  作者: エトセン
第1章
34/37

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露店を暫く巡ったが、めぼしい武器は無かった。



「ここからが、店舗の武器屋ですね。」


「意外と数が多いんだな。初めて来る人は、露店も有るわけだし、武器選びに悩むだろうなぁ…」



ざっと見た感じ、10店舗以上はある。


武器屋の数にしたら多い方だ。ちなみに、マクリート王国の首都の武器屋は5店舗しかなかった。他の領内でも、各街に2店舗程度だ。



「そうですね。初めて来る人にとってはそうかもしれません。そういう人は、予めオススメの店を聞いてから買いに行きますね。それに、各店舗で取り扱っている武器は分けているので、少しは絞り込むことができますよ。」


「そうなんだな…じゃあ聞くが、オススメの店はあるか?」


「えっ!あ、んー……………」



……



「…イワンは?」


「ん!?ん?んー………」



そりゃそうだな、自分が使う武器の種類じゃないしな。


しょうがない、



「…自分で探すか。」


「えっ!ちょっと待ってください!人から聞いた話を思い出しますから!イワンも思い出して!…ええと、あそこの店の評判は悪かったかなぁ…あれ?あっちの店だっけなぁ…」ブツブツ


「俺に聞くか!よりによって、普段槍しか使わない俺に!」


「それ言ったら、私だって杖しか使いませんよー!」



……ダメだこりゃ



「…イワンは剣を使う時はどうしてるんだ?常に槍を持てるわけじゃないだろう?」


「そういう時はテキトーな店でテキトーに選んで買って、何とかしてるぞ。」


「…それで大丈夫だったんですか?」


「ああ、大丈夫だっぞ。その剣は1日で壊れたけどな!」ガハハハ!!



……


………



「…とりあえず、剣を扱ってる店を案内しますね。」


「…頼む。」





――――――――――――――――――――――




「んー………」


「…次の店に行きますか?」


「…頼む」




―――――――――




2軒目…



「んー………」


「…次の店に行くか?」


「…ああ。」




―――――――――――――――――




5軒目…



「………」


「………」


「………」




―――――――――――――――――――――




「全部ダメだったか…」


「いや、そういうわけじゃない…ダメじゃないんだが…今まで使ってた予備の武器と大して変わらないんだよな〜。」


「それでいいじゃないですか!結局予備の武器なんでしょ!」


「そうだ!そうだ!テキトーに買っちまえよ!!」


「そうなんだがな〜……まあ、いっか…どうせ予備の剣だし。」



残念だ…


まあ、俺が選り好みし過ぎているのかもしれないな…


マクリート王国と比べたら、いい剣の方だ。これで納得しよう。



「さて、もう一度戻ろうか。」


「やっと決まりましたよ。」


「さっさと買ってこいよー!」


「ああ、分かって…」


「おい、どうした?」


「…さっき通った時、あの露店って有ったか?」


「…無かったよな。」


「…無かったですよね。」



っ………………!!




「ちょっと行ってくる!!」


「待ってくださいよ、アクト!怪し過ぎますよ!」


「俺も行くぜ!!」


「ちょっと!イワンまで…はぁ、私も行きますよー!」




――――――――――――――――――――――




この露店は、露店ゾーンと店舗ゾーンを横に仕切る道の角に有った。


成る程、さっきは気づけなかったわけだ。


品物はというと、全て木箱に収められていて、実物を見ることができない。


店主に見せてもらおう。


ちなみに、その店主はフードを深く被り、顔がよく見えない。



「なあ、店主。」


「は、はい!い、いらっしゃい、ませ。な、何でしょう、か?」



…若い男の声だ。



「この店は何を売っているのか?」


「い、一応、け、剣を売って、い、います。」


「見せてもらってもいいか?」


「ど、どうぞ。」



店主が木箱を開けて見せてくれた。


…ん?何だこれ?



「店主、この剣持ってみてもいいか?」



首を縦に振った。



…持ってみるとよく分かる。


これは、普通の剣じゃないな。


少なくとも、鉄の剣じゃない。


だからといって、魔法銀(ミスリル)魔鋼銅(オリハルコン)というわけでもない!




「…店主、斬れ味を試してみたいんだが、どこかで試し斬りができる場所はあるか?」


「こ、ここにはない、です。で、ですが!ぼ、僕の、こ、工房で良ければ、た、試し斬りができ、ます、よ。」


「ここから近いのか?」


「あ、歩いて、ご、5分ぐらい、です。」


「ちょっと待ってくれ…イワン、トップス、行ってみたいと思うんだが、一緒に来るか?」


「勿論だ(です)!」


「案内してもらってもいいか?」


「は、はい。す、少しお待ちくだ、さい。い、今、か、片付けます、ので。」


「いいのか!?片付けてしまって!」


「だ、大丈夫です。ど、どうせ、だ、誰も来ません、から。」


「そうか、助かる。」




――――――――――――――――――――――



片付けが終わり、工房に案内してもらった。


武器屋通りから外れ、さらに、街の中心部から外れた場所に、工房はあった。


武器屋通り自体、中心部から外れているが、ここは静かだ。



「こ、ここが、ぼ、僕の、こ、工房です。こ、こちらへ、ど、どうぞ。」


「へ〜、広い敷地ですね〜。」


「だな。」



工房はいたって普通の工房だが、隣には庶民より大きい家ーというより屋敷よりだがーがあった。


そして、案内された場所は、工房の裏庭だった。


そこには、鎧をつけた人形が立っていた。



「こ、こちらで、お、お試しくだ、さい。」


「助かる。」



店主は先ほどの剣を俺に渡した。


やはり、普通の剣じゃない。


それに、剣の重さも丁度よく、手入れもよくされている。



「…じゃあ、いくぞ。」



俺は、人形に向かって斬りかかった。



「ハァっ!」



…スパッ



「………」


「………」


「………」


「ど、どうですか?」


「…おかしい。」


「…おかしいですね。」


「…おかしいな。」


「お、おかしい、です、か?」


「ああ、斬れ味がおかしい!おかしいくらい、斬れ味抜群だ!店主、この剣はいくらだ!?」


「き、金貨10枚、です。」


「買おう!」



俺は金貨10枚を店主に渡した。



「あ、ありがとうござい、ます!!」


「ちなみに聞くが、どんな素材を使っているんだ?勿論、他の人には話さないと約束する。なあ、トップス、イワン。」


「はい。」


「ああ。」


「ひ、秘密です。と、い、言いたいところ、ですが、と、特別に教えま、しょう。こ、この剣は、て、鉄と魔法銀と魔鋼銅で、できて、います。」


「どういうことだ?魔法銀や魔鋼銅は混ざり合わないはずなんじゃないか?」


「そ、その通り、でした。で、ですが、あ、あるモノを混ぜたら、よ、よく、混ざりまし、た。」


「あるモノっていうのは?」


「そ、それは、小鬼の血、です。」


「小鬼の血だと!!」×3


「は、はい。」


「それって、奇跡の大発見じゃないかよ!だよなぁ、アクト!」


「ああ!そうだな!」


「で、ですが、これは、ぼ、僕にしか出来ま、せん。」


「素材を集めただけじゃ、ダメなのか?」


「は、はい。ま、混ぜる比率も、か、関係があります、し、け、剣を打つ強さも、か、関係があり、ます。」


「すげーな!」


「ああ、本当に凄いことだぞ!大丈夫だ。約束通り秘密にするぞ!」


「私も秘密にします!」


「この剣は、これ以外の素材を混ぜて作ってもらうこともできるのか?」


「ど、どんな素材です、か?」


「赤竜の鱗だ。」


「せ、赤竜の鱗ですか!!」×3


「ああ。で、できるか?」


「し、正直に言って、や、やってみないと、わ、わかりま、せん。」


「そうか。なら、頼むか?今、鱗を出す。」


「わ、わ、わ、ち、ちょっと待って、く、ください。こ、工房の中で出してください!」



と、言われ、工房の中に出した。



「こ、これが、赤竜の鱗…!」


「さ、触ってもいいか?」


「ああ。」



3人はそれぞれ、触ったり、軽く叩いたりした。



「すげー!本物はこうなのか!」


「やはり、アクトはすごいですね!」


「す、凄い、です!こ、これならもっと、い、いい剣が、作れるはずです!」


「そうか!それならよかった!よろしく頼む。」


「は、はい!お、お任せください!」


「そうだ、自己紹介しないとな。俺はアクト・センタラス。」


「私は、トップス・マイナスです。」


「俺はイワン・ロックだ。」


「ぼ、僕は、ガ、ガジェット・サーザン、です。」


「やっぱり、ガジェットじゃないか!どうしてここに!」


「そうだぜ!サーザン家って言えば、侯爵家じゃないか!どうしてここに?」


「ぼ、僕は三男坊、です。だ、だから、ぶ、武器屋になりたい!って、い、言ったらこの工房を、よ、用意してくれ、ました。き、気軽に話しかけて、く、ください、ね。」


「ああ。」


「はい。」


「よろしくな。」


「よ、よろしく、お、お願い、します!」






オリハルコンに漢字を当てた結果、魔鋼銅となりました。


読んでくださり、ありがとうございました。


誤字脱字等ありましたら、お知らせください。


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