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翌朝、準備を整え、寮の庭に向かった。
「おはよう、イワン、トップス。いい朝だな。」
「おう!いい朝だな!」
「おはよう、アクト。そうだね。」
「早速だけど、もうやりますか?」
「俺は構わないが、アクト、どうするよ?」
「そうだな…少し走ってきてもいいか?」
「いいぜ!そうだ!俺も走るぞ!トップス、お前はどうする?」
「そうですね…少しなら走りましょうか。」
俺たち3人は庭で数分間走った。
寝起きの朝で体を温めるには、走るのが一番いい。
始めは3人一緒で走っていたが…
「うおおーーー! !」
と、イワンは俺より速く走り、
「はぁ、はぁ、はぁ…」
と、トップスは俺より遅れて走っていた。
「ふぅ、いい感じに体が温まってきたぜ!なあ!」
「ああ、丁度いい感じだな。」
「はぁ、はぁ…2人とも速いですよ、はぁ、はぁ…」
「よし!それじゃあやるか!」
「そうだな。そういえば、得物はどうする?」
「木で作られた武器を用意してあるが、嫌か?」
「いや、助かる。」
「そうか、それは良かった!それで、アクト、得物は何がいい?」
「普通の剣でいいぞ。」
「分かった。じゃあ、これを使え!」
「少し振ってもいいか?」
「構わないぜ!」
…ブン…ブン…
悪くない剣だ。初めて持った剣なのに馴染みやすい。
ただの木ではなさそうだ。
「ありがとな。そういえば、イワンの得物はなんだ?」
「あれ?言ってなかったか?俺の得物は槍だ!」
「へえー、そうだったんだな。少し意外だな。」
「そうですね、どちらかといえば斧や大剣を使っているイメージがありますね。」
「一応斧や大剣も使えるんだが、槍が一番しっくりくるな。」
「ルールはどうする?」
「そうだな…」
「こういうのはどうでしょう!まず、魔法は一切禁止です。次に時間を制限しまします。私の持っている、この砂時計の砂が落ちるまでの時間で闘うというのは。そして、勝敗はどちらが降参するか、気絶するまでとしましょう。ですが、くれぐれもやり過ぎないでくださいね!これから、出かけるんですから。」
「了解した。」
「分かった。」
「じゃあ、私が審判を務めましょう。両者向かい合って!」
「俺はこの時を待っていたぜ!アクト!準備はいいな!?」
「ああ!」
「…それでは、この銅貨が落ちたら試合開始です!」
――――――――――――――――――
チーーーーーーン……………
銅貨が宙を走る…
次第に速さを失い、最高到達点に達した。
そして、落下…
……チャリン…
銅貨の着地と同時に、イワンが駆ける!
そして、一瞬にして、間合いを詰めた!
「オリァーーーーー!!」
…頭を狙った、鋭い突き!!
…まずいっ!
俺は、転がることでその突きを避ける。
一方、イワンは俺のいた位置を通り過ぎていた。
俺は立ち上がり、イワンは構え直す。
「お前!絶対殺す気でやったろ!!」
「ハハハ!!悪ぃ、悪ぃ!アクトなら避けてくれるって信じてたぜ!!…そら!もう一丁、いくぜ!!」
そう言って、イワンは駆ける。
そして、突く!
左右連続の突き!時折足払いも入れてくる!
…そこっ!
足払いのタイミングで、俺は跳び剣を振り下ろす。
イワンは槍で受け止め、俺をおしかえした。
俺は飛び退いた。
「はぁ、はぁ」
「はぁ、はぁ、」
両者とも息が上がっている。
…そろそろ決めなければ。
そう思ったのは向こうも同じで、イワンは最初のように鋭く突いた!
…まだ出せるのか。
…だが、もうそれは一度見た!
俺は屈み込み、剣を左下から振るった。
それを、イワンは柄で防御。そして、そのまま石突で突いた!
俺は転がって避けるが、イワンは槍の穂先で斬りかかる!
それを剣で受け止めるが、石突が再びやってきた!
…それを待っていた!!
俺は剣を離し、イワンの槍を掴んだ!
そして、槍をこちら側に力強く引っ張る!
「くっ!」
イワンは体を前に傾くことになった。
…今だ!!
少し低くなったイワンの頭に向かって、頭突きをくらわせた!!
ゴンッ!!
イワンはよろけ、前に倒れた。
俺も少しよろけてしまい、尻をついた。
「そこまでです!!」
…終了だ。
…ふぅ、疲れた。
「大丈夫ですか?2人とも?返事はできますか?」
「ああ、何とかな。」
俺は返事ができたが、イワンの返事はない。
「とりあえず、寝かしときましょう。」
「だな。」
――――――――――――――――――
数分後、イワンは目を覚ました。
「おっ!目を覚ましたか!大丈夫か?」
「頭が痛むが、大丈夫だぜ!」
「これでも飲んでください。」
と、トップスがイワンにあげたのは回復のポーションだ。
「おっ、助かるぜ!」
…ゴクゴク
「プハァ!復活だぜ!!」
「それは、良かったです。」
「じゃあ、イワンが復活したことだし、朝食にしないか。」
…グゥー
「ハハ!そう言われて腹が減ってきたぜ!早く食堂に行こうぜ!」
「そうですね。」
――――――――――――――――――
朝食を食べ終えた頃には9:00になっていた。
「体を動かした後の飯は美味かったぜ!…改めてアクト。闘ってくれてありがとう。」
「ああ、俺もいい経験になった。ありがとう。」
「それに、トップスもありがとう。」
「俺からもありがとう。」
「いえいえ、私も好きでいただけですし。いい試合を見させてもらいました!ありがとうございました。」
「それにしても、アクト。あの頭突きには驚いたぜ!前にもやったことがあったのか?」
「俺が小さい頃の話なんだが、上級生に絡まれてな。その時の上級生が槍使いで。それでどうにか勝とうとした時に、思いついたのがあの頭突きってわけだ。懐かしいな。」
あれ?
2人ともどうした?
「…その時の上級生ってどうなりましたか?まさか、死んだとか!」
「いやいや、それは無いぞ!ちゃんと生きてるぞ!ただ、打ち所が悪かったのか数時間気を失ったけどな。」
「…まさか頭突きで人を殺したことは無いよ…な?」
「ナイニキマッテルダロー…ハハハー。」
「おい!ちょっと待て!!ひょっとしたら俺死んでたかもしれないのか!!?」
「ハハ、嘘だって。全員生きてるさ。心配するな。」
「安心したぜ。」
…ていうより、イワンと対戦した時、俺を殺す気でいなかったか?
…まあ、いいか。
「この話はそれくらいにして、出かけに行かないか?」
「だな。」
「そうですね。」
戦闘シーンでしたが、どうだったでしょうか?
物足りない部分は想像で、補ってくれれば助かります。
読んでくださりありがとうございました。
誤字脱字等ありましたら、お知らせください。




