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辺鄙な国に就職した俺は勝ち組だった  作者: エトセン
第1章
31/37

31



翌朝、準備を整え、寮の庭に向かった。



「おはよう、イワン、トップス。いい朝だな。」


「おう!いい朝だな!」


「おはよう、アクト。そうだね。」


「早速だけど、もうやりますか?」


「俺は構わないが、アクト、どうするよ?」


「そうだな…少し走ってきてもいいか?」


「いいぜ!そうだ!俺も走るぞ!トップス、お前はどうする?」


「そうですね…少しなら走りましょうか。」



俺たち3人は庭で数分間走った。


寝起きの朝で体を温めるには、走るのが一番いい。


始めは3人一緒で走っていたが…



「うおおーーー! !」


と、イワンは俺より速く走り、



「はぁ、はぁ、はぁ…」


と、トップスは俺より遅れて走っていた。



「ふぅ、いい感じに体が温まってきたぜ!なあ!」


「ああ、丁度いい感じだな。」


「はぁ、はぁ…2人とも速いですよ、はぁ、はぁ…」


「よし!それじゃあやるか!」


「そうだな。そういえば、得物はどうする?」


「木で作られた武器を用意してあるが、嫌か?」


「いや、助かる。」


「そうか、それは良かった!それで、アクト、得物は何がいい?」


「普通の剣でいいぞ。」


「分かった。じゃあ、これを使え!」


「少し振ってもいいか?」


「構わないぜ!」



…ブン…ブン…


悪くない剣だ。初めて持った剣なのに馴染みやすい。


ただの木ではなさそうだ。



「ありがとな。そういえば、イワンの得物はなんだ?」


「あれ?言ってなかったか?俺の得物は槍だ!」


「へえー、そうだったんだな。少し意外だな。」


「そうですね、どちらかといえば斧や大剣を使っているイメージがありますね。」


「一応斧や大剣も使えるんだが、槍が一番しっくりくるな。」


「ルールはどうする?」


「そうだな…」


「こういうのはどうでしょう!まず、魔法は一切禁止です。次に時間を制限しまします。私の持っている、この砂時計の砂が落ちるまでの時間で闘うというのは。そして、勝敗はどちらが降参するか、気絶するまでとしましょう。ですが、くれぐれもやり過ぎないでくださいね!これから、出かけるんですから。」


「了解した。」


「分かった。」


「じゃあ、私が審判を務めましょう。両者向かい合って!」


「俺はこの時を待っていたぜ!アクト!準備はいいな!?」


「ああ!」


「…それでは、この銅貨が落ちたら試合開始です!」





――――――――――――――――――




チーーーーーーン……………



銅貨が宙を走る…


次第に速さを失い、最高到達点に達した。


そして、落下…




……チャリン…




銅貨の着地と同時に、イワンが駆ける!


そして、一瞬にして、間合いを詰めた!



「オリァーーーーー!!」



…頭を狙った、鋭い突き!!


…まずいっ!



俺は、転がることでその突きを避ける。


一方、イワンは俺のいた位置を通り過ぎていた。


俺は立ち上がり、イワンは構え直す。



「お前!絶対殺す気でやったろ!!」


「ハハハ!!悪ぃ、悪ぃ!アクトなら避けてくれるって信じてたぜ!!…そら!もう一丁、いくぜ!!」


そう言って、イワンは駆ける。


そして、突く!


左右連続の突き!時折足払いも入れてくる!



…そこっ!



足払いのタイミングで、俺は跳び剣を振り下ろす。


イワンは槍で受け止め、俺をおしかえした。


俺は飛び退いた。



「はぁ、はぁ」


「はぁ、はぁ、」



両者とも息が上がっている。



…そろそろ決めなければ。



そう思ったのは向こうも同じで、イワンは最初のように鋭く突いた!



…まだ出せるのか。


…だが、もうそれは一度見た!



俺は屈み込み、剣を左下から振るった。


それを、イワンは柄で防御。そして、そのまま石突で突いた!


俺は転がって避けるが、イワンは槍の穂先で斬りかかる!


それを剣で受け止めるが、石突が再びやってきた!


…それを待っていた!!


俺は剣を離し、イワンの槍を掴んだ!


そして、槍をこちら側に力強く引っ張る!



「くっ!」



イワンは体を前に傾くことになった。



…今だ!!



少し低くなったイワンの頭に向かって、頭突きをくらわせた!!



ゴンッ!!



イワンはよろけ、前に倒れた。


俺も少しよろけてしまい、尻をついた。



「そこまでです!!」



…終了だ。


…ふぅ、疲れた。



「大丈夫ですか?2人とも?返事はできますか?」


「ああ、何とかな。」



俺は返事ができたが、イワンの返事はない。



「とりあえず、寝かしときましょう。」


「だな。」




――――――――――――――――――



数分後、イワンは目を覚ました。



「おっ!目を覚ましたか!大丈夫か?」


「頭が痛むが、大丈夫だぜ!」


「これでも飲んでください。」



と、トップスがイワンにあげたのは回復のポーションだ。



「おっ、助かるぜ!」



…ゴクゴク



「プハァ!復活だぜ!!」


「それは、良かったです。」


「じゃあ、イワンが復活したことだし、朝食にしないか。」



…グゥー



「ハハ!そう言われて腹が減ってきたぜ!早く食堂に行こうぜ!」


「そうですね。」



――――――――――――――――――



朝食を食べ終えた頃には9:00になっていた。



「体を動かした後の飯は美味かったぜ!…改めてアクト。闘ってくれてありがとう。」


「ああ、俺もいい経験になった。ありがとう。」


「それに、トップスもありがとう。」


「俺からもありがとう。」


「いえいえ、私も好きでいただけですし。いい試合を見させてもらいました!ありがとうございました。」


「それにしても、アクト。あの頭突きには驚いたぜ!前にもやったことがあったのか?」


「俺が小さい頃の話なんだが、上級生に絡まれてな。その時の上級生が槍使いで。それでどうにか勝とうとした時に、思いついたのがあの頭突きってわけだ。懐かしいな。」



あれ?


2人ともどうした?



「…その時の上級生ってどうなりましたか?まさか、死んだとか!」


「いやいや、それは無いぞ!ちゃんと生きてるぞ!ただ、打ち所が悪かったのか数時間気を失ったけどな。」


「…まさか頭突きで人を殺したことは無いよ…な?」


「ナイニキマッテルダロー…ハハハー。」


「おい!ちょっと待て!!ひょっとしたら俺死んでたかもしれないのか!!?」


「ハハ、嘘だって。全員生きてるさ。心配するな。」


「安心したぜ。」



…ていうより、イワンと対戦した時、俺を殺す気でいなかったか?


…まあ、いいか。



「この話はそれくらいにして、出かけに行かないか?」


「だな。」


「そうですね。」





戦闘シーンでしたが、どうだったでしょうか?


物足りない部分は想像で、補ってくれれば助かります。


読んでくださりありがとうございました。


誤字脱字等ありましたら、お知らせください。



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